今年も12月4日がきてしまったわ。
また一つ歳を取ってしまう。
ふう〜お肌も曲がり角かしら。
歳なんて取りたくないんだけど、みんなから祝ってもらえるのは嬉しいわ。
FAMILY
Birthday
ZZZ〜
平日ならすでに起きて家事に忙しい時間だけど、今日は休日でシンジがマナとレイの相手をしてくれている。アタシの誕生日だからゆっくりしてて良いって言ってくれたわ。
ZZZ 〜
いつもの早起きが慣れているから完全に寝てはいないんだけど、ベッドで横になっているだけで日頃の疲れが取れるわね。
ZZZ〜
ん?台所からシンジ達の声が聞こえるわ。どうやら朝食を作っているみたい、マナ達が叫んでいて賑やかね。
ZZZ〜
薄っすらと目を開けて時計を見たら九時をまわっていたわ。これ以上寝てても退屈だし、賑やかな台所が気になるから起きよう。
「へっくちゅんっ」
12月になると流石に寒いわね、パジャマの上に厚着を着込んで台所へ行ってみますか。
「お父さん、マナがやりた〜い」
「マナお姉ちゃんずるい、私もやりたいの」
「順番だから、焼けどに注意するんだよ」
「「うん」」
こっそりと台所の入り口から覗いてみたら、どうやらソーセージを焼いているみたい。マナが踏み台に乗って頑張って調理しているわ。
「油が跳ねる〜」
「マナお姉ちゃん危ない、代わりはいるから交代して」
「ダメ!レイはまだあとなの」
「早く交代して」
「レイは卵をかき混ぜるかい?」
「うん、かき混ぜる」
シンジがボールに卵を数個入れたわ。卵焼きかしら、それともスクランブルエッグ?
「あ、レイいいなあシャカシャカして」
「マナお姉ちゃんが代わってくれないんだもん」
「かき混ぜたらこっちのフライパンに入れるんだよ」
「うん」
ふふふ、アタシの出番は無さそうね。リビングで新聞でも読んでいましょう。
三人に気づかれないようにテレビのボリュームは控えめにして、何か良い広告は入ってないかしら。
今日は冷凍物が安いわね、チェックしておかないとね。
冬物も安いわね、マナ達に買ってあげないといけないわ。
あら、マナ達の歓声が聞こえたわ、どうやら調理し終えたみたいね。どれどれ台所へ行ってみましょうか。
「あら〜美味しそうね」
「あ、おかあさん」
「おかあさん」
マナとレイが抱きついてきたわ、頑張ったみたいね。
「「おかあさん、誕生日おめでとう」」
「ありがとう、マナ、レイ」
二人を抱きしめて頬にキス、アタシの自慢の娘達だわ。
「「おかあさん、質問していい?」」
「何かしら?」
「「何歳になったの?」」
「十七歳よ」
「「「・・・」」」
ちょ、ちょっと何よこの沈黙は。
「アスカ、それはちょっとサバを読みすぎなんじゃないかな」
「い、いいじゃないのよ」
「ミサトお姉ちゃんも十七歳って言っていたよね、レイ」
「うん、同じ歳なの不思議なの、おとうさんどうして?」
「それはね、二人が大人になったらわかるよ」
こらシンジ、余計なこと言わないの。
「歳の事はもうおしまい、さあ作ってくれたご飯をいただくわよ」
二人を席に座らせるとアタシも席に座ったわ。
「「「「いただきます」」」
作ってくれた朝食、どれから食べようかしら?
「ソーセージはマナが焼いたの」
「スクランブルエッグは私」
「どれどれ〜まずはソーセージからね」
軽く焦げ目がついて食欲をそそるわね。
「うん、美味しいわよ」
「えっへっへ〜」
「レイのスクランブルエッグはどうかしら」
綺麗な黄色ね。
「味付けバッチリね」
「頑張ったの」
美味しい、美味しい、子供達が作ったご飯は最高に美味しいわ。
朝食も食べ終わってリビングでゆっくりと休憩、家事をしないと楽だわ。
「「おかあさ〜ん」」
マナとレイが走ってきたわ、何か後ろに隠しているわね。
「「おかあさん、誕生日おめでとう〜」」
二人がアタシにくれたのはカード、本になっているみたい。
「開いていいかしら?」
「「うん」」
カードを開いたら二人の字で『たんじょうび、おめでとう』って書いてあったわ。次を開くとメッセージにアタシ達四人の似顔絵だわ、ふふふ上手に描けているわね。
「「おかあさん、いつもありがと〜」」
「これおかあさんでしょう、すっごく上手よ、ありがとう〜」
アタシは二人をおもいっきり抱きしめたわ、最高のプレゼントありがとう。
アスカちゃんの誕生日、大人になっても十七歳です(笑)
マナちゃんとレイちゃんの作った朝ごはんに手作りのプレゼント、アスカちゃんにとっては嬉しい誕生日です。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
FAMILY Birthday