う、う〜〜ん・・・

 うん、ゴールデンウィークに相応しい快晴だな。

 こんな日はゆっくりと洗車をしようかな・・・ってなわけにはいかないんだよね。

「おとうさん、起きてる〜?」

「寝ていたら起こすのが私たちの役目」

 静かな朝を破壊する可愛い子悪魔達がやってきたよ。

「珍しく起きてる〜おはようおとうさん」

「おはようマナ」

「おとうさん、おはよう。隣で寝ていい?」

「レイおはよう、起こしに来てくれたんだろう。寝たら意味がないぞ」

「そうなの?」

「そうだよレイ、おとうさん、おかあさんがご飯できているから顔を洗ったら来て〜って」

「おかあさんは早起きだね。二人とも先に行っていなさい」

「「うん」」

 窓からの陽射しが眩しいなあ、今日も暑くなりそうだ。

「おはよう」

 台所ではアスカが朝食を作り終えて、今はお弁当を作っている。

「おはよう、今日は頑張ってね」

「ああ」

 そうそう、今日は水族館に行くんだった。アスカの頑張っては運転の事だ。








FAMILY

GW








「「おとうさん、はやくはやく」」

 すでに仕度を済ませたマナとレイに急かされて、身支度を整えた。

「おかあさんは?」

「ええとね〜まだお化粧している」

「そう、しわを隠すお化粧をしているわ」

 おいおい、レイ〜そんな事聞かれたら怒られちゃうぞ。

「それじゃあ車へ行こうか」

「うん」




「用意できたわね、行きましょう」

 玄関にアスカが準備を済ませて待っていた。それじゃあ行こうか。

 二人を後ろに乗せて水族館へ出発だ。







 水族館へは約一時間、晴れた日の運転は良いよね。

「おかあさん、お菓子食べていい?」

「いいけど、散らかさないようにするのよ」

「「うん」」

 アスカからポッキーを受け取ったマナとレイ、美味しそうに食べているよ。

「シンジも食べる?」

 助手席のアスカも美味しそうにポッキーを食べている。うちの女性陣はポッキーが好きだなあ。

「うん、貰うかな」

「はい、あ〜〜ん」

「あ〜〜ん、ぱく」

「苦味があるからそんなに甘くないでしょう」

「うん美味しいね」

「大安売りしてたからいっぱい買っちゃったのよ」

「あ〜それで冷蔵庫にいっぱい入っていたんだ」

 昨日、冷蔵庫を開けてビックリしたんだよなあ。

「だからね〜オヤツはずっとポッキーになるんだよ」

 マナが後ろからこっそり教えてくれた。

「おかあさん買いすぎ」

 レイがアスカに注意しているよ。

「美味しいからいいのよ、アンタ達も好きでしょう」

「うん、好きだけど食べすぎには注意しないと・・・おかあさんは大丈夫なの?」

「何が?」

「太る・・・」

 レ、レイそれは禁句だぞ。

「んっふ〜ん。レ〜イ、お母さんは太らない体質なのよ」

「でもお腹のお肉が・・・もぐもぐ」

 レイそれ以上言ってはダメだ。

「レイ何か言ったかしら?」

「う、ううん何も・・・レイはなんにも言ってないよ」

 マナが隣でレイの口を塞いだよ、ナイスだマナ。

「そうなの、今度変な事言ったら、二人ともオヤツは無しよ」

「え〜〜マナも?」

「当然よ」

「おかあさんの鬼〜〜〜もぐもぐ」

 今度はレイがマナの口を塞いだぞ。

「マナ、何か言ったかしら?」

「知らない・・・マナお姉ちゃんは寝ているから」

「そうなの、着くまで静かにしてなさい」

「「うん」」

 はは、二人ともアスカにはかなわないね。
















 それから車を走らせて約三十分で水族館に到着だ。ここの水族館は広くてイルカショーを見れるの良いんだよね。昔はアスカと二人でよくデートに来たんだよなあ。

「早く早く〜〜」

「マナ走ると危ないぞ」

「ふ〜〜食べ過ぎたわ」

「おかあさん、ちゃんと歩いて」

 アスカはお菓子の食べ過ぎでレイに手を引かれて歩いている。まったく加減して食べなきゃ、子供達の見本にならないぞ。

 入場チケットを購入して入場だ。

 室内はちょっと薄暗いけど広い、目の前には大きな水槽があってイルカが泳いでいる。

「わあ〜イルカさんが泳いでる、凄く早〜い」

 目の前をイルカが猛スピードで泳いでいる、気持ち良さそうに泳いでいるなあ。

「こっちのイルカさんはゆっくり泳いでいる、まるでおかあさんみたい」

「アタシなの?」

「うん、このイルカさんはこの子達のおかあさんなの」

 そういえば、小さいイルカが二匹いるね。まるでアスカ達だね。

「おかあさん、写真撮って〜」

「ここではダメよ、フラッシュをたいたらイルカが驚くわよ。向こうで撮れるわよ」

「うん!」

 僕達は先に進んだ。水槽の向こうには展示室があって、イルカのディスプレイが置いてあるからそこで撮れるんだよね。

 館員にデジカメを渡して家族四人を撮ってもらった、いい思い出だ。



 時計を見るとイルカショーまでもうすぐだ、そろそろ行った方がいいかな。

「さあイルカショーを見に行こうか」

「「うんっ」」

 僕達はイルカショーを見るためにスタンドに向かった。





「うわっいっぱい居るなあ」

 スタンドには大勢の人が居た、連休だし快晴だから当然かな。後ろのほうしか席が空いてないや、もうちょっと早く来ればよかったなあ。

「すご〜〜い!」

 僕の隣に座っているマナが叫んだ、イルカが水中からジャンプをして一回転したからだ。

「ぐるんって回ったの」

 レイもイルカに瞳を輝かせて見ている、お菓子を食べ忘れるほど夢中になっているよ。

「もう一回ジャンプ〜〜ジャンプよ〜〜!」

 一番興奮しているのはアスカだ、イルカの泳ぐスピードやジャンプ力に血が騒ぐのかな?付き合っていた頃からはしゃいでいたなあ。





「ペンペンがいっぱいいるね」

 イルカショーが終わり僕達は館内を見て回った。ここはペンギンのフロアだ、マナの言うように皆ペンペンに似ているなあ。

「おっあのペンギンだけ動きが素早いなあ」

 一匹だけ動きが素早くて観光客に愛嬌を振りまいているペンギンがいるぞ。

「おとうさん、あれペンペン」

「ペンペン?」

 レイが教えてくれた、確かによく見ると胸にペンペンの名札がぶら下がっている。

「クエックエ」

 ペンペンが僕達に気付いたらしく、手を振ってやってきた。

「ペンペン、アンタこんなトコで何やってんの?」

「クエクエクエクワ」

 アスカの質問にペンペンが答えたのは、どうやらここでアルバイトをしているようだ。

「ミサトさんは?」

「クエクエワ」

 ミサトさんはぐうたらしているから自分で稼いだ方が良いようだ、それにここは食事も出るから最高だって。ははペンペンは自立ができるね。

「「ペンペン頑張ってね〜」」

「クエクエ」

 僕達はペンペンに手を振るとペンギンフロアを後にした。






「さあご飯よ」

 時間はすでに正午を回った、青空が見える芝生にシートを敷いてお昼ご飯だ。

「ちゃんと手を拭くのよ」

「「うん」」

 アスカにおしぼりを渡されて手を拭いた、さあ食べようかな。

「玉子焼き美味しそう〜〜」

「ウインナーも美味しそうなの」

 流石アスカだ、アスカのお弁当は美味しいよ。

「シンジ、お茶よ」

「ありがとう」

「梅干ちゅっぱーい」

「マナお姉ちゃん、梅干に当たったの。私はおかか」

「レイいいなあ〜」

「マナ、こっちは梅干で、こっちはおかか、こっちは鮭よ」

「うん」

 じゃあ僕は鮭のおにぎりを食べようかな。

「うん、美味しいよ」

「ふふ、ありがとう。早起きして作ったかいがあったわ、デザートもあるから食べてね」

 デザートはリンゴか、ちゃんと兎になっているよ。

「うさぎ〜うさぎ〜〜」

「しゃりしゃりして美味しいの」

 マナとレイにも大好評だ。






 お昼ごはんを食べて休憩をしたら見学の続きだ。次は魚のフロアだ。

「いっぱい泳いでいるね」

「気持ちよさそうなの」

「美味しそう〜夜は刺身でも良いわね」

「アスカ、なるべく子供達の前でそういう発言はやめようね」

「あ、あらごめんなさい」

 アスカは食欲が一番だね、昔から変わらないよ。

「ここにペンペンを入れたら喜ぶよね」

「うん、口を開けているだけでお魚が飛び込んでい来るから入れ食いなの」

「あああ、2人とも何を言っているんだ」

「「ペンペンのエサがいっぱい」」

 ・・・考え方に関してはアスカに似ているなあ。

「うわっ気持ちわるっ」

「「こわ〜〜い」」

 深海魚のフロアだ、マナもレイもちゃんと深海魚を見ないでアスカと僕にしがみ付いている。

「よくこんなのが泳いでいるわねえ、考えられないわ」

「「早く行こうよ〜〜」」

「これが深海で生きる為の最適な姿なんだよ」

「アタシだったら嫌ね、さっさと深海なんかとおさらばするわ」

 アスカらしい考え方だね。






「「お土産、お土産〜〜」」

 水族館を見て回った最後はお土産コーナーだ、今日は何を買うのかな?

「お菓子〜〜」

「お菓子〜〜」

「お菓子〜〜」

 ぶっ・・・3人ともお菓子なんだ、血筋なのかなあ。

「マナはチョコレート、レイはビスケット、アスカはケーキとは全然水族館に関係ないなあ」

「関係あるわよ、マナのチョコはイルカを模っているし、レイのビスケットはペンギン、アタシのケーキは鯛を模っているのよ」

「そ、そうなんだ。でも普通ならヌイグルミとは置物じゃない?」

「そんなの家が狭くなるだけよ、見て楽しんで美味しく頂く、わかったかしら?」

「う、うん」

「さあマナ、レイ、レジに行くわよ」

「「うん」」

 食欲が強い碇家の女性陣か・・・







 お土産も買ったことだし、後は帰るだけだ。

「楽しかったね〜」

「いっぱい見れたの」

 後部座席でマナとレイは水族館の事を話に花を咲かせていた。助手席に座っているアスカは・・・

「zzz〜〜〜」

 疲れて寝ている、朝早くから弁当作っていたからね。僕はアスカを起こさないように安全運転で走った。

「2人とも楽しかったかい?」

「「・・・」」

 ん?返事が無いぞ、僕はバックミラーで2人の姿を見てみた。

「「zzz〜〜」」

 2人仲良く手を繋いで寝ているよ、ふふ今日の水族館はいい思い出になったかな。


 ゴールデンウィークはシンジ君の家族サービスでおでかけです。

 水族館ではペンペンがアルバイト、ミサトさんより稼ぐかも(笑)

 碇家には楽しい思い出となりました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


FAMILY GW