休みの日の朝はゆっくりと新聞が読めるから良いよね。

 最初読むのはテレビ欄、これは子供の頃から変わっていない、今日の番組をチェックしていく。面白いのは夜にやっているのか。

 テレビ欄が終わったら新聞を開いていく、目に留まった記事だけきちんと読んで後は軽く読み流し。

 そして最後は広告を見ていく、スーパーの安売りはアスカが瞳を輝かせる。オモチャはマナとレイが瞳を輝かせる。そして僕の瞳を輝かせるのは・・・














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秘密














「おっ安いじゃないか」

 僕の瞳を輝かせる広告はカーショップの広告だ、車用品やパーツがいつもより安いぞ。

 僕の愛車はRX-8、色々チューンしたいんだけどそうはいかない、財布はアスカが握っている。僕は限られたお小遣いでやりくりをしている。

 独身の頃は良かったなあ、働いたお金は自由に使えて結構車にお金をかけていたんだよなあ。

 今日の広告で目をつけているのはこれだ!カーレーダ、今搭載しているカーレーダは古くなって良くないんだよね、おちおちスピードを出せないんだよ。その事をアスカに言ったら「じゃあスピード出さなくていい」って言うんだよね。

 スピードだすからスポーツカーなんだよ〜スピードださなかったら軽にでも乗るよ!って言いたいんだけどいえないんだよなあ。

 おっと、こんな事している場合じゃないぞ、まだみんなが起きてこない内に出かけて買ってこよう。






 こっそり家を出て車庫に来た僕は愛車を見つめた。う〜〜ん、何時見てもカッコいいなあ。ドアを開けて乗り込む。

 ダッシュボード中央には社外のメーターを三つ付けている、これは以前の愛車からの移植、愛着あるメータだったから新しく買わなかった。と言うより買えなかったんだよね。アスカが言うには「そんなのいらない!」って、車のこと全然わかってないんだからなあ、メータを見て車のコンディションをわかるんだよ。

 エンジンをスタートさせる、ノーマルマフラーだから音は静かだ。マフラーも換えたかったんだけど、アスカが「五月蝿いのはいや」って言うんだよなあ、以前の車はちょっと五月蝿かったからね。でも換えたい、換えたいんだよ〜〜〜!

 おっと絶叫してもしょうがない、早く行って買ってこよう。






 車で家から十分くらいのところにカーショップはある、おっ結構人がいるなあ。みんな広告を見て来たんだな。

 早速カーレーダ売り場に直行だ、ちなみに今使っているレーダを下取りしてくれるらしい。

 広告で決めていた品を持ってレジへいくぞ、早く帰らないと怪しまれるからね。

 下取りしたレーダは微々たる金額だったよ、まあ少しのお金になったからいいかな、さあ早く帰らなきゃ。

 おっとその前にガソリンと洗車をしに行こう。








 ただいま〜

 こっそり帰ってきたけど、多分アスカは起きているだろうなあ、静かに玄関を開けて・・・

「お帰りなさい」

「た、ただいま」

 アスカが腕を組んで仁王立ちして微笑んでいるぞ、ちょっと恐い。

「どこに行っていたの?」

「ん、ガソリンと洗車だよ」

 完璧なアリバイだ、ちゃんと領収書もあるから問題ない。

「そう、それにしては遅かったわね」

「混んでいたんだよ」

 うん、混んでいたぞ。

「うそおっしゃい、カーショップに行っていたんでしょう」

 ドキッ!

「い、行ってないよ。証拠はあるの?」

「眼が輝いているわよ、何か買ってきたわね」

 す、鋭い。流石アスカだ。

「別に〜何も買ってないよ」

「本当に〜?」

「ほ、本当だよ」

 ジ〜〜〜〜〜

 アスカが僕の眼をじっと見ている、見つめている、近づいてきた〜〜〜

 チュッ!

「あっ・・・」

 眼をつぶったところでキスをされた。

「自分のお小遣いで買ったんだからいいわよ、ご飯もうすぐできるから待っていてね」

 アスカはエプロンをなびかせ半回転すると台所へ戻っていったよ。

「・・・秘密にできないなあ」

 僕はアスカの理解ある心に感動したよ。


 シンジ君の楽しみはカーショップの広告、それに欲しい品がありました。でもアスカちゃんに買うと言うとダメと言われるのでこっそり買いに行き、ガソリンと洗車のアリバイまで作って帰宅。

 玄関にはアスカちゃんが待っていました(^^;)怒られると思いきや、キスのお出迎えでした。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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