アタシは碇アスカ、二十五歳。ピチピチでお肌ツヤツヤの主婦よ。

 主婦は毎日が大変なのよね。掃除に洗濯、育児に料理と一日中休まる暇がないわ。

 掃除と洗濯は最新式の掃除機と洗濯機があってそれほど重労働にならないから良いのよね。

 育児は可愛い娘達、マナとレイは素直で良い子だから手がかからなくて助かるわ。

 でも一番頭を悩ますことがあるのよね。

 それは、料理!

 毎回献立を考えなくちゃならないのよね、みんなの栄養のことを考えてあれを作ったりこれを作ったりと・・・

 それに好き嫌いがあるのよね。シンジは何でも美味しいって食べてくれるけど、マナとレイには困ったわ。

 はあ〜何とかならないかしら。














FAMILY

きらい


















「マナ、人参も食べなさいよ」

「やだ〜きら〜〜い」

 マナは人参が嫌いなのよね。人参は子供が嫌いな野菜の定番だからかしらね。

「食べないと大きくなれないわよ」

「大きくならなくていいもん」

 へそを曲げちゃったわ、こうなると絶対に食べないのよね。まったく誰に似たのかしら?ってアタシに似たのよね、アタシも小さい頃は人参が嫌いだったわ。ママに言われても絶対に食べようとはしなかったのよね。

「うふふ、マナお姉ちゃんは子供ね。私は人参食べれるわ」

「あら偉いわね」

 レイは人参が食べれるのよね。人参好きはシンジに似たのよね。でも・・・

「ぷ〜〜レイはピーマンが嫌いじゃないのよ。マナはピーマン大好きだもん」

 そうレイはピーマンが嫌いなのよね、これもアタシに似て絶対に食べないのよね。

「レイ、ピーマン食べなさい」

「ピーマン?この飾り物のことなの」

「ちゃんとした食べ物よ」

「そうよかったわね」

「よくないわよ!」

 レイはピーマンを箸で皿のすみに追いやったわ、もう食べなさいよ。

「二人とも食べるまでデザート抜きよ」

「レイ、人参あげる」

「じゃあマナお姉ちゃんにはピーマン」

「あ!二人とも」

 二人は人参とピーマンを取り替えたわ。

「「パクパクパク〜〜」」

 食べるの早!

「「ごちそうさま!デザート〜〜」」

「取り替えちゃダメでしょう」

「「取り替えちゃダメって言ってないもん」」

 ユニゾンで言わないでよ、まったく〜〜

「「デザ〜〜ト」」

「はいはい、わかりました」

 二人とも知恵をつけてきたわね、流石アタシの娘達ね。

「ははは、一本取られたね」

 五月蝿いわよ、シンジ!












 昨日の二人には参ったわ、気をつけて発言しないといけないわね。

「二人ともタマネギ食べなさい」

「「や〜〜〜」」

 タマネギは二人とも嫌いなのよね、これもアタシは昔嫌いだったわ。まったく似なくていいところが似るのよね。

「食べないと大きくなれないわよ」

「「大きくならなくていいもん」」

 だからユニゾンしないの。

「食べないとデザート抜きよ」

 ふっふっふ、今度は取替えはできないわよ。

「「お父さん、お腹一杯なの食べて〜〜」」

「お腹一杯かい、しょうがないなあ」

 あ、二人がタマネギをシンジの皿に、こらマナ、レイ!

「「ありがとう、お父さん大好き〜」」

「ははは、今度はちゃんと食べるんだぞ」

「「うん」」

 チュ、チュ

「こらシンジ、キスで騙されるんじゃなのよ」

「二人ともお腹一杯みたいだよ」

「ウソに決まっているでしょう」

「「デザート、デザート」」

「あ、待ちなさい」

 二人の行動は素早かったわ。捕まえる間も無く冷蔵庫へダッシュしていったわ。

「シンジ、ちゃんと二人に食べさせなきゃダメでしょう」

「その内食べれるようになるさ、アスカだって昔は食べれなかっただろう」

「それはそうだけど・・・」

「人参、ピーマン、タマネギ、全部アスカが嫌いな食べ物だったよね、僕は大好きだけど」

「・・・」

「一緒にご飯を食べる度に、僕にやっていたよね」

「もう、昔の事を言わないでよ!」

 まったく〜〜昔のことを言ってむかつくわね。キスするわよ!

 チュ!

「わ、ビックリするなあ」

「フンだ!アタシもデザート食べようっと、シンジには無しよ」

「え、無いの?」

「冗談よ、ちゃんとあるから心配しないで」

 献立は本当に大変よね、またお料理本を見て勉強しなくちゃね。


 マナちゃんとレイちゃんは野菜が嫌いですね。これにアスカちゃんは困っていますね(^^;)でも昔は自分も嫌いだったのでしかたがないでしょうか。

 逆にシンジ君はなんでも大好き、二人にも甘いですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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