日曜日は主婦にとって少しはゆっくりできる日。

 本当にゆっくりできるの?できる時やできない時もあるんだけどね。

 今日の日曜日はちょっとゆっくりできないかな。

 遅くまで寝ていたいのに、もうバカシンジ・・・


















FAMILY

休日











 

 日曜日だけど平日と同じ時間に起床して朝ごはんを作っているの、一人分シンジのよ。

 どうしてシンジのだけっていうと、今日は休日出勤なの。

 せっかく家族サービスをしてもらいたかったのに残念だわ。

 ご飯に味噌汁に目玉焼き、簡単だけど愛情こもっているわよ。

 できたからシンジを起こしにいくわよ。





「zzz〜〜」

 シンジは気持ちよさそうにまだ寝ていたわ、ずっと寝顔を見ていたいけど起こさないとね。

「シンジ〜朝よ、会社に遅れちゃうわよ」

「う、う〜〜ん。ふあああ〜〜おはようアスカ」

「おはよう」

 ふふ、寝癖が立っているわね、おまけに違うところも・・・ってアタシったら朝から何言っているのかしら、きゃ〜〜〜〜!

「顔が真っ赤だよ、どうしたの?」

「な、なんでもないわよ。ご飯できたから」

「わかったよ、チュッ」

「あっ」

 不意打ちでキスされたわ、もう心の準備をさせてよね。

「シンジ、ん〜〜〜」

 さあ心の準備をしたわよ、きなさい。

 ・・・

 ・・・

 あれ?キスがないわね。アタシは閉じていた瞳を開いたわ。

「・・・」

 部屋にはシンジの姿が無かったわ、もうバカシンジ!






 台所にもどるとシンジはご飯を食べていたわ。ゆっくり食べなさいと言いたいけど朝は時間がないのよねえ。

「お茶入ったわよ」

「うん、ありがとう」

「最近忙しいわね」

 毎日残業が続いているわ、身体がちょっと心配ね。

「うん、かなり忙しいね」

「あまり無理しちゃダメよ」

 身体を壊したら何にもならないからね。

「うん、わかっているよ。ごちそうさま」

 ご飯を食べたら出勤する準備ね、アタシはその間に後片付けよ。





「じゃあ行ってきます」

「ちょっと待って」

 靴を履いたシンジをアタシは呼び止めたわ。

「何?」

「いってらっしゃい、チュ!」

 ふふさっきのお返しよ、顔が真っ赤ね。

「うん、行ってくるよ」

 照れているのね、アタシの顔を見ないで素早く出て行ったわ、いってらっしゃい。

 あとはマナ達が起きてくるまでもう一眠りしようかな。








「おかあさ〜〜ん」

 ん〜〜〜肩を揺らしてアタシを呼ぶ声が聞こえるわ、この声はマナね。

「起きたのね」

「お腹すいた〜〜」

 お腹を押さえているわ、今すぐ食べたいって意思表示をしているわ。

「お腹空いたのね、今準備をするわ」

 時計を見ると十時をまわっていたわ。お腹が空くはずね、アタシもお腹空いたわ。

「マナも手伝う〜〜」

「偉いわね、レイは?」

「レイはまだ寝てるよ」

 あの子は低血圧だから、ご飯ができたら起こしましょう。






「マナ、トーストしてくれるかしら」

「うん」

 マナがパンをオーブンで焼いている間にアタシはスクランブルエッグを作って、昨日の残り物のサラダを出して。

「焼けた焼けた〜パンが焼けた〜〜」

 人数分のパンをトーストした頃にスクランブルエッグもできてソーセージを炒めたわ。テーブルに準備をして完成よ。

「大好きなイチゴジャム〜〜」

「レイを起こしてくるから座ってなさい」

「うん」

 さあレイを起こしに行きましょう。







「レイ、朝よ起きなさい」

「zzz〜」

 レイは布団に包まって寝ていたわ、顔を埋めて苦しくないのかしら?

「レイ、ご飯できているわよ」

「ごちそうさま」

「まだ食べていないでしょ」

「もうお腹一杯なの」

「お腹一杯って何を食べたの?」

「高級フランス料理フルコース、フォアグラが絶品だったの、シェフを呼んできて」

「シェフはいないわよ、起きなさい」

 昨日料理番組を見ていたからきっと夢を見たのね。

「このワインは何年物なの?」

「はいはい十年ものよ」

 ワインはまだ飲めないでしょう。アタシはまだ寝ぼけているレイを抱きかかえると台所に向かったわ。

「このマッタリとした味の広がりは最高なの」

「はいはいわかりました」







 寝ぼけているレイを座らせて、マナは待ちくたびれているわ。

「さあ食べましょうか」

「うん!」

「ごちそうさま」

「レイ、いただきますでしょう」

「そうだったわね、マナお姉ちゃん間違えちゃダメよ」

「レイが間違えているのよ」

「そうだったわね」

「ほらほら、冷めちゃうから食べるわよ」

「「「いただきま〜す」」」

 手を合わせていただきます。遅めにとる朝食もいいのよね。

「イチゴジャム〜〜〜」

 マナのお気に入りはイチゴジャムをパンにたっぷり塗って食べることなのよねえ、小さな口を大きく開けて・・・ふふホッペにジャムが付いちゃっているわ。

「マナ、ジャムが付いているわよ」

 アタシは頬に付いたジャムを拭いてあげたわ、ゆっくり食べなさい。

「ありがとう〜〜」

「海苔、日本人の心ね」

 レイはご飯ですよを塗っているのよね。レイが言うには美味しいらしいけどアタシはちょっと敬遠するわね。

「わびさびを感じるわ」

「わさび〜?レイはわさびを感じているの?」

「わびさびよ、マナお姉ちゃんにはちょっと難しすぎたかしら」

「ぷ〜〜難しくないもん、簡単だもん」

「このソーセージは食べたときの音が素敵」

「パリっていう音じゃない素敵じゃないよ」

「ふう〜マナお姉ちゃんはまだまだ子供ね」

「レイだって子供じゃないの!」

「私は大人、この姿は仮の姿よ」

「おかあさ〜〜ん、レイが変なこと言ってるよ」

「二人とも冷めちゃうから早く食べなさい」

 なんか子供の会話とは思えないのよね。









 ご飯を食べたら後片付けね。マナ達は庭で遊んでいるわ。



 後片付けを済ましたら次は洗濯、溜まった洗濯物を洗濯機に入れて全自動だから簡単よ。



 そして次がちょっと重労働の布団干し、天気が良いから干すわよ。


「ふう〜〜暑いわね」

 もうすぐ十月だけど動けば汗がでるのよね、布団干しはきついから嫌なのよね。

「おかあさ〜〜ん」

 マナ達が庭から手を振っているわ、子供は元気でいいわね。スクスク育って嬉しいわ。

 布団を干し終えたら掃除よ、こまめに掃除をしておかないとすぐに汚れちゃうのよね、それに健康にもよくないしね。





 掃除を終えた頃にはお昼をまわっていたわ。お昼ごはんの用意をしないといけないわ。

 お昼ごはんをチャーハンをしようかな、シンプルな卵チャーハン。結構みんなに好評なのよね。

「ふんふんふ〜〜ん」

 まずは中華なべに油を入れて熱して、卵を入れてご飯を入れて塩コショウで味付け、お腹が空いているから素早く作っちゃうわよ。

「ええとデザートは」

 確か梨があったわよね。

「あ〜〜お腹空いちゃった」

「フランス料理食べたいの」

「二人とも手を洗ってきなさい」

「「は〜い」」

 二人が手を洗っている間に梨を剥いて、お皿を準備して・・・




「「「いただきま〜す」」」

 今日のチャーハンはよくできたわね、シンジにも食べさせてあげたいわ。

「おとうさん日曜なのにお仕事なんだね」

「残念、遊びたかったのに」

 マナとレイもシンジが居ないからガッカリしているわ。

「来週はお休みみたいだから我慢しなさい」

「「うん」」

 週休二日制だけど土日もでるほど忙しいのは大変よね、来週はゆっくりと休ませてあげたいわ。

「お父さんが帰ってきたら一緒にお風呂に入って背中を流してあげるの」

「あ〜〜レイずる〜〜い、マナも流す〜〜」

「じゃあ一緒に流してお父さんに疲れを取ってもらうの」

「そうしよう〜〜」

 ふふ、二人とも優しいわね。でもいつまでシンジとお風呂に入るのかしらね。





 ご飯が済んだらマナ達のお昼寝の時間、しっかり寝て育ちなさいよ。

 二人が眠るまで絵本を読んで、寝たらアタシの時間になるわ。

 リビングでソファーに寝そべって見るテレビは極楽ね。でも注意をしないと太っちゃうのよね。

 ふあああ、日曜のお昼はあまり面白い番組をやってないのよね、朝が早かったから眠くなってきちゃったわ。








 zzz





 zzz















「あれお母さん寝てるね」


「疲れているのね、風邪引かないように毛布かけてあげよう」


「毛布かけたら起こさないように静かに遊ぼうね」


「うん」























「ふあああ〜」

 すっかり寝ちゃったわね、何時かしら?あっもう四時じゃない、買い物に行かないといけないわ。

「マナ〜レイ〜買い物に行くわよ」

 あら、毛布がかけてあるわ、アタシは持ってきてないから・・・

「買い物行くの〜?」

「フランス料理の食材を買うのね」

「二人が毛布をかけてくれたのね、ありがとう」

 出来がいいわね、流石アタシの娘だわ。

「うん、おかあさんが風邪を引かないようにね」

「ありがとう、マナ、レイ」

 アタシは二人の頭を撫でたわ、本当に偉いわね。

「おかあさん、買い物は晩御飯の材料を買うの?」

「そうよ、レイは何が食べたいの?フランス料理はダメよ」

「買い物に行かなくてもよくなったの。さっきおとうさんから電話があってもうすぐ帰ってくるから外で食べようって言っていたわ。だから準備をしておくの」

「あらそうなの」

 外食は主婦にとっては嬉しいのよね、作るのも後片付けをしなくてすむからね。

「ん、何か忘れているような・・・」

 何だったかしら?確か・・・あ〜〜〜!

「布団取り込むの忘れたわ」

「それも大丈夫だよ、レイと一緒に取り込んだよ」

「お〜〜偉いわね、偉すぎるわよ」

 も〜〜可愛いわね、ホッペにチュ〜〜しちゃうわよ。

 チュ、チュ

「わ〜〜い、チューされちゃった。お返しお返し〜〜」

「私も」

 チュ、チュ

 二人からお返しをされたわ、感激ね。

「さあお父さんが帰ってくるまでにおめかしをしておきなさい」

「「は〜〜い」」

 外食と言っても郊外のファミレスかな。シンジと二人ならちょっと雰囲気のいいレストランに行けるんだけど子供が居るとファミレスになっちゃうのよね。









「ただいま〜」

 あっシンジが帰ってきたわ。

「おかえりなさい、疲れたでしょう」

「今日はアスカの方が疲れただろう、だから晩御飯は楽できるように外で食べようよ」

 アタシより疲れているのに、そんな優しいところが好きよ。

「お父さんお帰りなさい」

 マナが走ってきてシンジに抱きついたわ。

「お〜〜ただいま、おめかししているね」

「似合う〜?」

「ああ可愛いよ、レイは?」

「お父さんお帰りなさい」

「ただいまレイ、可愛い格好しているね」

「・・・お父さん」

 レイは頬を赤らめてシンジに抱きついたわ。うふふ二人とも可愛いわ。

「さあ行こうか」

 シンジの車でファミレスへ行くのよね。シンジが居ない休日で残念だったけど最後はみんなで食事できるから嬉しいわ。


 主婦アスカちゃんには日曜も大忙しですね。シンジ君は残念ながら休日出勤でマナちゃんとレイちゃんも残念でしたね。

 晩御飯はシンジ君のはからいでみんなで外食、主婦アスカちゃんにとっては楽ですね。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


FAMILY 休日