今日は12月4日、アタシの誕生日
結婚して
主婦をして
子供が産まれて
育児をして
月日が経って
・・・
年齢、数えたくないわね
今日もいつもと変わらない一日が始まるわ
FAMILY
まごころを、君に
主婦の朝は大忙し、シンジが起きる前にご飯を作っちゃうわよ。
ご飯はタイマーセットで炊き上がるから、味噌汁に納豆、焼き魚の準備ね。
ふんふんふ〜〜ん
大忙しでも余裕があるのがアタシ、主婦の腕も上がっているわ。
「おはよう」
「おはよう、シンジ」
朝食が出来上がった頃にシンジが起きてきたわ、最近仕事が忙しくて残業続きで疲れているけど頑張っているわ。
「今日も残業なの?」
今日はアタシの誕生日だから、定時で帰ってきてほしいわ。
「今日はアスカの誕生日だろ、定時で帰ってくるよ」
「えっ本当?」
「うん、奥さんの誕生日に残業をしていられないよ、ケーキを買って帰るよ」
「ふふ、ありがとう。ご馳走を作って待っているわ」
「期待しているよ」
アタシの誕生日を憶えてて嬉しいわ、まあ忘れていたら明日の朝日は拝めなかったわね。
「ごちそうさま」
食べ終わったシンジは出勤の用意、アタシはマナ達の朝食作りに入るわ。
マナ達の朝ごはんは玉子焼きにウインナー、今日はタコさんウインナーにしようかな。
「じゃあ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい、チュッ!」
玄関で行ってらっしゃいのキス、ふふ素敵な奥さんだわ。シンジはこれで今日も仕事を頑張れるわ。
ふんふんふ〜〜ん
マナ達の朝食を作り終えて、起こしに行くわよ。
「マナ、レイ、朝よ起きなさい」
「「zzz〜〜」」
2人とも可愛い顔で寝ているわね、流石アタシの娘だわ。このままずっと寝顔を見ていたいけど、朝はどんどん時間が過ぎていくからゆっくりしていられないわ。
「マナ!レイ!起きなさい!幼稚園に遅れるでしょ」
「「眠いの」」
「朝は誰でも眠いの」
ユニゾンで言わない。
「「寒いの」」
「冬だから寒いのは当たり前」
アタシだって寒い時は温かい布団で寝ていたいのよ。
「「風邪引いたから休む〜」」
「起きろ〜〜!!」
アタシは毛布を剥ぎ取ったわ、仮病使うなんてどこで覚えてくるのよ。
「「寒〜〜い」」
「丸まってないで起きなさい、ほら」
アタシは2人を無理やり起こすと台所へ連れて行ったわ。
「早く食べるのよ」
「「いただきます」」
起こすのに手こずっていつもより時間が遅くなったわ、お弁当の用意もしなきゃ。
今日は幼稚園のお弁当の日、他の子のお弁当に負けてられないから可愛いのを作っちゃうのよね。
昨日下ごしらえしておいたおかずに火を通して、カラフルで美味しいお弁当よ、デザートも忘れないわ。
「「ごちそうさま」」
「顔を洗ってちゃんと歯を磨くのよ」
「「は〜い」」
2人が洗面所に行っている間にお弁当は完成よ。う〜〜ん、今日も我ながら素敵なできね。
「さあ着替えましょうね」
2人が制服に着替えている間に、アタシも送っていく準備をするわよ。軽くお化粧をして寒くないように厚着をしてと。
「「へくちゅっ」」
「ほら、マフラーを忘れているわよ」
「「うん」」
2人にマフラーを巻かせると準備完了、さあ幼稚園に送っていくわよ。
「早く乗りなさい」
家を出たら寒いわね〜早く車の暖房を効かせなきゃ。
「おかあさん、安全運転してね」
「わかっているわよ」
「よそ見したらダメなの」
「はいはい」
いつも安全運転しているのに言われるのよねえ〜シンジは言われないのにどうしてかしら?
「「いってきま〜す」」
「良い子にしてるのよ」
幼稚園で見送ったら家へとんぼ返り、主婦は大忙しよ。
「ただいま」
家は誰も居ないんだけどね、さあアタシの朝ごはんの時間よ。ご飯に味噌汁に作りすぎたお弁当の余り物で済ませるわ。
ご飯を食べたら後片付けをして、今日は洗濯物が無いからゆっくりできるわね。
リビングでテレビのワイドショーを聞きながら安売りチラシと睨めっこ、アタシの誕生日だしちょっとは豪華にしちゃおうかな。
ふんふんふ〜〜ん
今日買う品を大体チェックしたわ、幼稚園の帰りに買って行きましょう。
そしてお昼まで編み物タイムよ、マナとレイの手袋を編んでいるのよね、早く完成させないと春が来ちゃうわ。
ピンポ〜〜ン
呼び鈴が鳴ったわ、誰かしら?モニターから顔を確認すると・・・ヒカリだったわ。
「いらっしゃい、珍しいわね。あがって」
「ええ、お邪魔させてもらうわね」
時間を見ると、もうすぐお昼だったわ、編み物に夢中だったわね。
「ご飯はまだなんでしょう?」
「ええ、編み物に夢中になっていたわ」
「パンを買ってきたわ、食べましょう」
おっ気が利くわね〜人気のパン屋の袋じゃないのよ、お腹が鳴るわね。
「紅茶を入れるわ、座ってって」
「ええ」
紅茶を用意して・・・う〜〜ん良い香りだわ。
「イチゴジャムパンで良かったわよね」
「サンキュー」
アタシの大好物だわ。
「今日はどうしたの?家に来るなんて久しぶりね」
お互い主婦同士、昔のように会う暇がないのよね。
「アスカの誕生日でしょう、おめでとう。はいプレゼントよ」
「わお〜〜憶えててくれたんだありがとう」
「ふふ、忘れるわけないでしょう。でも高い物じゃないから期待しないでよ」
家計のやりくりが大変だものね、アタシも自分の物を買うのを考えちゃうのよね。
「奇麗なデザインね」
プレゼントはハンカチ、日常で使えるのは良いわよね。
「ありがとうヒカリ」
「喜んでくれて嬉しいわ」
学生時代からの親友は良いわよね、色々な事を話せ合えるから。
それから2人で各家庭の事を雑談、お互い楽しんで生活しているわ。
「そろそろ時間ね」
ヒカリが帰ってから軽く掃除をしてたら幼稚園へ迎えに行く時間がきたわ。準備をして迎えに行くとしますか。
「よし!ガソリンはまだ入っているわね」
ガソリンはまだ入れなくていいわね、ガソリン代も高いから苦労するわ。
幼稚園に着いたらマナとレイが走ってやって来たわ、ちゃんと良い子にしていたかしら?
「「おかあさ〜ん」」
「おかえり〜ちゃんと良い子にしていたのかしら?」
「うん、マナね〜めっちゃ良い子だったよ〜」
「偉いわね〜」
「私も良い子だったの」
「レイも偉いわよ」
アタシは2人の頭を撫でて褒めてあげたわ、良い子良い子。
さあ幼稚園を出発したら夕食の買い物をする為にスーパーへ向かうわよ。
郊外にある大型スーパー、何でも揃っているから便利よね、今日の買う品のメモを出して・・・
「今日のご飯はなあに?マナはカレーがいいな」
「私はおでんがいい」
「どうしようかな〜お母さんはハンバーグにしようと思っているのよ」
「「ハンバーグ!?うん!ハンバーグが食べたい!!」」
ふふ決まりね、材料を揃えるわよ。挽肉にタマネギ、ニンジン、ピーマンと・・・
「「おかあさん、お菓子買っていい?」」
「一つずつよ」
「「うん!」」
2人がお菓子売り場に行っている間に店内を回るとしますか。
「「おかあさ〜ん」」
2人がお菓子を持ってきたわ、レジに行って精算して帰りましょう。
「「「ただいま〜」」」
アタシの素晴らしい安全運転で家に到着よ。
「「お菓子お菓子〜〜」」
「ちゃんと手を洗ってうがいをしなさいよ」
「「は〜い」」
帰ったら手洗いとうがい、風邪を引かないように気をつけないといけないわ。アタシも夕食を作る前にちょっと一休憩。
「全部食べたらダメよ、夜ご飯が食べれなくなっちゃうわよ」
「「は〜い」」
お菓子をアタシもつまみ食い、美味しいわね。
3人でテレビを見ながら、今日の幼稚園での出来事を聞いて子供の成長を喜ぶわ。
「さあ、ご飯作るから手伝ってちょうだい」
「「うん」」
お揃いのエプロンを着せてハンバーグをこねてもらいましょう。
「「こねこね、こねこね」」
小さな手で頑張ってこねているわ、今のうちから料理を覚えておけば、お嫁に行っても困らないわよ。
「こね終ったら形を整えてね」
たくさんあるから十個くらい作れるかしら、この調子だとシンジが帰ってくる頃には完成しているわね。
「ただいま〜」
玄関から声が聞える、シンジが帰ってきたわ。それと同時に2人が玄関に走って行ったわ。アタシも料理の手を止めて玄関へ向かうわ、そうそうちゃんと火を消さないとね。
「お帰りなさい」
「ただいま」
「おかあさん、ほら〜ケーキ!」
マナがケーキの箱を持っていたわ、結構大きいわね。
「誕生日おめでとう」
「あっ、薔薇・・・ありがとう」
シンジが背に隠してた薔薇の束、びっくりしちゃった。
「おかあさんの誕生日、おめでとう」
「ありがとう、レイ」
「おかあさん、おめでとう〜〜」
「ありがとう、マナ」
2人の頬にキスをしたわ、ありがとうマナ、レイ。
「「ケーキ、ケーキ」」
「食べるのはご飯の後よ。シンジ、疲れてて悪いけど2人をお風呂に入れてちょうだい、その間にご飯の準備をしておくわ」
「わかったよ。マナ、レイ、お風呂はいろうか」
「「うん!」」
ちょっと時間配分を間違ったわね、大急ぎで作っちゃうわよ。
「間に合ったわね」
お風呂場からシンジの声が聞えたわ、マナとレイを先に上がらせたようだから行かなくちゃ。
「風邪を引かないようにちゃんと拭くのよ」
「「うん」」
2人の身体を拭いて、髪を拭かせて、下着を着せて、服を着せて・・・ふふふ、お風呂上りはホッペが真っ赤ね。
「ちゃんと拭いた?」
「うん、拭いたよ。お腹空いちゃった」
「マナお姉ちゃん、後ろ髪がまだ濡れている」
「ほら、ちゃんと拭かないとダメでしょう。レイもまだ濡れているわよ」
やっぱりまだアタシが拭いてあげないとダメねえ〜早く脱衣所から出ないとシンジがお風呂場から出て来れないわ。
「ふう〜〜温まったよ。おっ今日はハンバーグか」
「マナとレイがこねこねしたんだよ」
「頑張ったの」
「2人で作ったんだ、美味しそうだな〜」
ふふふ、頑張っていたものね、テーブルにはさっき貰った薔薇も飾ったわ、素敵ね。
「「美味しい?」」
「うん、流石マナとレイが作ったハンバーグだ、美味しいよ」
愛娘が作った料理ですもの、不味いわけがないわ。
さあご飯も食べたし、ケーキを用意するわよ。
「あっイチゴケーキだわ」
シンジもアタシがイチゴ好きを知っているから、たくさんイチゴがのったケーキを買ってきてくれたのね。
「「おかあさん、ロウソク立てる〜」」
マナとレイがロウソクを立てていくわ、ええと何本だったかしら?
「マナ、ロウソクはもういいわよ」
「ほえ?十七本しかまだ立ててないよ」
「これでいいのよ、お母さんは十七歳なのよ」
「サバ読みすぎなの」
「ははは、アスカらしいね」
「いいじゃない、今日はアタシの十七歳の誕生日なの」
3人から呆れられたわ、まだまだ若々しい自分でいたいのよ。
「そういえば、ミサトさんも十七歳って言っていたね」
「だから女性は永遠の十七歳なのよ」
ミサトの場合はちょっと無理があるけどね。
さあロウソクの火を吹き消すわよ〜〜
「ふ〜〜〜〜」
「「「おめでとう〜〜〜」」」
「ありがとう」
一気に吹き消したわ、思っていたより肺活量があったわ。
「おかあさん、これマナとレイからのプレゼント」
「あら何かしら?」
ラッピングされた袋だわ。
「お手伝い券ね」
「幼稚園で作ったの」
可愛いイラスト入りね、この顔はアタシかしら。
「いつでも使ってね」
「有効期限はないの」
「ありがとうマナ、レイ、使わせてもらうわね」
2人の頬にキス、でもこういうのって使わずに取っておきたくなるのよね。
「でもね〜このお手伝い券は年齢制限があるんだよ」
「年齢制限?」
「うん、年齢をウソついていたら使えないの」
「な、何よそれは?」
「使う時は本当の年齢を大きな声で言わないと使えないんだよ」
「マナそれはちょっとひどいわよ」
恥ずかしいじゃない。
「おかあさんの歳って30だったかな?」
「レイ、違うわよ。もう〜〜」
2人してからかって失礼しちゃうわね。シンジも笑わないでよ!
でも家族で祝ってもらえる誕生日は良いわね、年齢は永遠の十七歳よ。
アスカちゃんの誕生日、家族みんなで祝います(^^)
シンジ君達の贈りものに大感激ですね。
そして女性はいつでも十七歳の誕生日です(笑)
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
FAMILY まごころを、君に