今日はクリスマス、平日だから仕事なんだよね。

 有休とって過ごしたいけど、仕事が忙しいから無理だよね。

 忙しいけどクリスマスだから仕事を早く終わらせて定時で帰るぞ。















FAMILY

パパはサンタクロース











 

「おはよう」

「おはよう、シンジ」

 僕の可愛い奥さん、アスカは朝食を作っている最中だった。

「今日も寒いね」

「ええ、夜から雪が降るみたいよ」

「へえ〜そうなんだ」

 新聞の天気予報を見たら、夜から雪マークだ。厚着をして風邪を引かないようにしないとね。

「いただきます」

 アスカの作った朝食で今日一日の元気が出るんだよね。

「2人の欲しいものはわかったかい?」

「まだよ、2人ともなかなか教えてくれないのよね」

 娘のマナとレイ。クリスマスプレゼントを贈ろうと2人の欲しいものをリサーチしたんだけど、サンタさんにだけ教えるって言って教えてくれないんだよね。

「困ったね」

「多分オモチャと思うんだけど、頑張って聞きだしてみるわ」

「頼りにしているよ」

「ええ、わかったらメールを送るわね」

「うん」

 さあ仕事をしている間に聞きだしてくれよ。ご飯を食べて出勤の準備だ。

「行ってくるね」

「行ってらっしゃい、チュッ」

 アスカのキスで元気が出たぞ〜〜














 2人の欲しいもの、さあてどうやって聞きだそうかしら?そろそろ2人を起こしに行きますか。

「マナ〜レイ〜起きなさい」

 幼稚園は冬休みに入ったわ、いつもより遅く寝かしてあげているんだけど、極度の遅寝は許さないわよ。

「「zzzzzz」」

「起きろ〜〜」

 ガバッ!

 目覚めさせるには布団を剥ぎ取るのが一番良いのよね。ふふふ寒さで目が覚めるわよ。

「寒い〜〜お布団返して〜〜」

「ダメよ、ご飯が冷めちゃうでしょ」

「zzz〜」

「レイ、強情に寝ないの」

「さ、寒くないの・・・zzz」

「震えているじゃないの、ほら起きないと風邪を引くわよ」

「「は〜い」」

 2人と手を繋いで台所へ、さあ3人で朝食よ。

「「「いただきます」」」

 このコーンポタージュはインスタントだけど美味しいわね。安売りの時にまとめて買っておきましょう。

「今日はクリスマスね。サンタさんにはお願いしたの?」

「「うん!!」」

「何が欲しいのかしら?」

「「秘密!!」」

 秘密じゃ困るのよね、聞きだしてシンジにメールをしなきゃ。

「何を欲しいか、こっそりお母さんに教えてくれない?」

「「どうして〜?」」

「どうしてって・・・」

 どういう理由にしようかしら?ええと・・・

「お母さんもプレゼント欲しいからサンタさんにお願いしようかな〜〜って思っているの、だからマナとレイの欲しいものを参考にしたいのよ」

 うん、我ながらナイスなアイデアだわ。

「「え〜〜おかあさんも!?」」

「何よ、そのえ〜〜は?」

「「サンタさんは子供のとこにしか来ないんだよ」」

「誰がそんな事決めたの?」

 そうだったかしら?

「「良い子のところにしかこないんだよ」」

「じゃあマナとレイのところには来ないわね」

「「え〜〜どうして?」」

「だって、お母さんに2人が欲しいもの教えてくれないじゃないの、それじゃあ良い子とは言えないわね。サンタさんは来ないわよ」

「「来ないの?」」

 2人とも瞳に涙を溜めているわ、可哀想になってきたわ。

「お母さんにこっそり教えてくれたら来るわよ」

「「教える〜〜」」

 うんうん、2人は小さな声でこっそり教えてくれたわ、よし!さっそくシンジにメールよ。

「ありがとう、2人とも良い子だわ」

「「サンタさんは来るの?」」

「ええ来るわよ、絶対に来るわよ」

 アタシは2人の頭を撫でて微笑んだわ、うふふ可愛いわね。

















 うおおおおっ!

 仕事に集中だ、定時で帰る為に仕事を進めるぞ。今日は凄くはかどるなあ。

 ブルル!ブルル!

 胸ポケットに入れている携帯が震えたぞ、アスカからのメールだ。少し休憩してメールのチェックだ。

 コーヒーを飲みながらアスカのメールを読んだ、なになに・・・

 2人ともおもちゃか、トイザラスに売ってあるとも書いている。帰りに寄って買っていこう、それとケーキはアスカが買うんだね。

 ありがとうアスカ、早く帰ってくるからね。

 返事のメールを打って休憩終わりだ。

 さあ頑張ろう。















「ただいま〜」

 定時で上がり、プレゼントも買ってきたぞ。プレゼントは二人が寝た後で部屋に置くから、車のトランクに隠してある。

「「おかえりなさい〜」」

「良い子にしてたかな?」

「うん、マナはおかあさんの手伝いをしたよ」

「私もお手伝いしたの」

「2人とも偉いな〜」

 ははは、良い子にしていないとサンタは来ないってメールに書いてあったからな。

「お帰りなさい」

「ただいま」

 アスカがやってきた、僕はマナとレイにわからないようにアスカにプレゼントを買ってきた合図を送った。

「ご飯の前にマナとレイをお風呂に入れてちょうだいね」

「うん、わかったよ」

 夕食はチキンも用意しているって言っていたから楽しみだなあ。












「おっ美味しそうだなあ」

 テーブルにはご馳走がならんでいるぞ、クリスマスって感じだ。

「マナ、レイ、早くきなさい。食べるわよ」

「「は〜い」」

 四人揃ったところで・・・

「「「「いただきます」」」」

 うんうん、いつ食べてもアスカの手料理は美味しいなあ。一日の疲れが吹き飛ぶね。

 夕食中、マナとレイはご機嫌だった、この後のケーキにサンタクロースからのプレゼントを期待している。




「「ケーキ、ケーキ」」

 アスカが買ってきたケーキにはサンタが二体とチョコでできた家が二個乗っていた、普通は一つなのにどうしてだろう?

「これ?ケーキ屋がサービスしてくれたのよ。マナとレイがケンカしないようにって」

「馴染みのケーキ屋だからサービスしてくれたんだね」

 ケーキを切り分けて、ジュースのシャンパンを注いでクリスマスだ。

「「おいし〜〜」」

 マナとレイはケーキを頬張っている、美味しそうに食べているなあ。

「マナ、口の周りがクリームだらけよ」

「は〜〜い」

「レイ、お鼻にクリームがついているわよ」

「は〜〜い」

 ははは、アスカはゆっくり食べれないね、2人の世話で忙しいぞ。

「今日は早く寝るのよ」

「「は〜〜い」」

 2人が寝静まったらプレゼントを枕元に置きにいかないとね。


















「靴下は用意したの?」

「まだ〜〜」

「マナお姉ちゃん、靴下」

「ありがと」

 2人にパジャマを着せて、寝かしつければ次のイベントが待っているわ。

「サンタさん来てくれるかな?」

「ええ、来てくれるわよ」

「この靴下、小さいけど大丈夫なの?」

「可愛い靴下だから大丈夫よ」

「「おやすみなさい」」

「はい、おやすみなさい」

 2人にお休みのキスをして電気を消して部屋を出たわ。








「寝かしたかい?」

「ええ」

 リビングではシンジが2人へのプレゼントを用意していたわ、でも置きに行くのはまだまだ後ね。

「買い物お疲れだったわね」

 仕事帰りに寄り道させちゃってゴメンネ。

「ううん、平気だよ。2人の欲しいものがあって良かったよ」

「そうね、残り少なかったんでしょ」

「うん、行くのが遅かったら売り切れていたよ」

「悲しいクリスマスになったらイヤですものね」

「そうだね、悲しいクリスマスって言ったら、昔あったなあ〜」

「昔?」

「うん、小さい頃父さんにサンタは来てくれる?って聞いた事があるんだよ」

「へ〜初めて聞く話ね」

「そしたら父さんは、うちは仏教だからサンタは来ないと言われて大泣きしたんだよ」

「ふふ、お義父さまらしいわね」

 確かに言いそうね。

「でも、次の日はちゃんとプレゼントは枕元に置いてあったよ」

「何だかんだ言っても優しいわね」

「違うよ、母さんから大目玉食らって急いでプレゼントを買いに行ったって聞いたんだ」

「ユイお義母さまは強いわね」

 母は偉大ね、アタシの目標だわ。




 さあ2人はもう夢の中だと思うからそろそろシンジサンタの出番ね。

 アタシとシンジは忍び足で2人の部屋へ向かったわ。

「「zzz〜〜〜」」

 可愛い寝顔ね、どんな夢を見ているのかしら?シンジは2人の枕元にプレゼントを置いたわ、明日の朝が楽しみね。













「「おかあさ〜〜ん!!」」

 珍しいわね、起こさなくても2人が起きてきたわ。

「どうしたの?」

「「サンタさんが、サンタさんがきたの〜〜」」

 2人は満面の笑みでアタシにプレゼントを見せたわ。

「あら〜〜良かったわね。2人とも良い子にしていたからきたのよ」

「「うんっ!」」

 ふふ、プレゼントの中身はどうかな〜?

「「わ〜〜欲しかったおもちゃ」」

『サンタさんに願いが届いたのね、大事にするのよ」

「「うん」」

 この2人の喜びをシンジにも見せたかったけど、仕事だからしょうがないわね。写メを撮って送っちゃおう。お疲れさまサンタシンジ。


 アスカちゃんが2人の欲しいものを聞きだして準備をするサンタシンジ君。

 マナちゃんとレイちゃんには最高のクリスマスですね(^^)

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


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