今日は二月三日、節分

 豆は年の数だけ食べるのが慣わし

 私の年齢はいくつだったかしら?

 ええと〜?

 ペンペン、私は何歳だった?

「クエクエ〜〜」

 そう、思い出したわ!私は十七歳。豆は十七粒食べればいいのね。

「クエクワ〜〜」

 どうしたの?手足をバタつかせて首を振って。そう私が若いから嬉しいのね。

「クエワクエ〜!」

 喜ばない喜ばない。















FAMILY

節分











 

 

「巻き寿司、巻き寿司〜〜」

「マナお姉ちゃん、今年は西南西を向いて食べると良いのよ」

「あらレイは物知りね」

「さっきテレビでやっていたの、ところでお母さん」

「何かしら?」

「西南西ってどっち?」

「ええと西南西は・・・確かこっちよ」

「じゃあこっちを向いて食べれば良いのね」

「そうよ、幸せを願って食べなさい」

「「うんっ」」

 ピンポ〜〜〜ン!

「あら誰かしら?」

「多分ミサトお姉ちゃんだよ」

「私もそう思う、きっと巻き寿司の匂いに釣られてやって来たと思うわ」

「まさか?郵便でしょう」









「やっほ〜〜元気」

「・・・当たった」

「ん、どしたの?」

 平日のお昼にシンちゃん家に襲来、アスカが出迎えてくれたわ。

「何しに来たのよ」

「何しにって、今日は何の日だか知っている?」

「節分でしょ」

「そうよ、節分よ。豆まきはしたの?」

「まだしてないわよ、シンジが帰ってきてからするのよ」

 シンちゃんはお仕事だもんね。

「そうか〜〜まだなのか〜〜」

「だから何しに来たのよ?今お昼ごはんで忙しいんだから帰ってよね」

「そんなに邪険にしないでよ〜お昼ご馳走になりにきたのよ」

 巻き寿司の匂いがするのよね。

「ご馳走って・・・邪険にするわよ」

「堅い事言わないでよ〜。んじゃあお邪魔しま〜〜す」

 私はアスカの隣をすり抜けて家へあがったわ。

「あ、こらっ待ちなさい」










「おわ〜〜美味しそうね〜〜」

「やっぱりミサトお姉ちゃんだ」

「私達の推理が当たったわ」

 マナとレイが小さな口を大きく開けて巻き寿司を食べているわ、可愛いわね〜

「私も貰うわよん」

「ミサトお姉ちゃんはご飯をたかりに来たの?」

「ち、違うわよ」

 はっきり言うわね。

「嘘はいけないわ、私達の教育によくないの」

 教育って、レイ・・・

「あっミサト、早っ」

 アスカが戻ってきたわ、でも私はすでに巻き寿司食べているもんね〜

「ん〜美味しいわね、アスカお茶入れて〜」

「まったくずうずうしいわね〜」

「サンキュー」

 愚痴を言っているけどちゃんとお茶を入れてくれるのよね。

「仕事はどうしたのよ?」

「今日は休みよ」

 私には有給休暇と言う強い味方があるのよ。

「へ〜〜てっきりクビになったと思ったわ」

「マナもそう思った〜〜」

「私も」

「ち、違うわよ」

 皆して言いたい事言ってくれるわね。

「有給なんて珍しいわね、どうしたのよ?」

「寒いから休んだだけよ」

 こんなに寒いのに会社なんかに行けるわけないでしょう。

「じゃあどうしてお家に来たの?」

「マナお姉ちゃん、それはねここにご飯があるから来るのよ」

「へえ〜〜」

 こら納得するんじゃないの。

「その話は終わりにして、豆は買ってあるの?」

「まだ買ってないわよ、後から買いに行くのよ」

「あらそうなの残念ね」

「アンタね〜豆までたかりに来たの?豆くらい買いなさいよ」

「だって買いに行くの面倒なんだもん」

 だからここに来たのよ。

「・・・呆れた」

「だから結婚できないんだね〜」

 うっ!

「マナお姉ちゃんそれは禁句よ、本当の事を言ってはいけないわ」

 胸に突き刺さるわね。

「マナ〜レイ〜悪い事言う口はこうするわよ」

 つねつねつねつね

「いひゃひゃひゃ、いたい〜〜」

「本当の事言われて怒るなんて、いたい」

 本当の事だから怒っていんのよ!

「こらミサト!やめなさいよ」

「あらあらごめんなさいね」

 わざとじゃないから許してね。





「豆が無いんじゃ来た意味が無いわね〜」

「豆まきする気だったの?」

「それもあるけど年の数だけ食べようと思ったのよ」

「そういえばミサトお姉ちゃんの年っていくつのなの?」

「んっふっふ〜〜知りたい?」

 聞いて驚くわよ〜〜

「多分ミサトお姉ちゃんは十七歳って言うわ」

 げっレイ、私の心が読めるの?

「ミサト、アンタ・・・恥ずかしくないの」

「な、何よその眼は」

「へ〜〜ミサトお姉ちゃんは十七歳なんだ」

「そうよ、確か去年は十八歳だったわ」

 きょ、去年の事を憶えているの?

「ミサト〜毎年歳が減っているじゃない」

「そ、そうかしら?あっ用事を思い出したわ、じゃ〜〜ね〜〜」

「あっ逃げた」

 く〜〜気まずくなったわね、ここは逃げるが勝ちよ。

「逃げ足はや〜〜い」

「脱兎のごとくね」

「マナ、レイ、あんな大人になったらダメよ」

「「は〜〜い」」


 あああ、ダメの見本にされちゃったわ、暫くは行けないかしら。


 巻き寿司をたかりに来たミサトさん、呆れてしまいますね。

 そして年齢の数だけ豆を食べる、ミサトさんの年齢は・・・(^^;)アスカちゃんに悪い見本にされてしまいました。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


FAMILY 節分