へっくしゅんっ!!

 あ〜〜寒いわね。寒さで目が冷めちゃったわ。

 PIPIPIPIPI

 目覚ましが鳴ったわ、丁度起きる時間だったのね。

 今日は晴れかしら?昨日の夜は寒かったから雪が積もっているかも。

 ふふ、いくら寒くても積もるわけないわよね。

 さあカーテンを開けて陽の光をいっぱい部屋に取り込むわよ。














FAMILY

雪合戦














 

 わおっ積もっているじゃない。まあ積もっているって言っても、ほんのわずか、1〜2センチみたいね。

「う、う〜〜ん・・・もう朝かい?」

「ええ、おはようシンジ」

「おはようアスカ、今朝は冷えるね」

 太陽の光でシンジが目を覚ましたわ。

「雪が積もっているわよ」

「雪?」

 シンジはアタシの言葉に驚いて窓から外を見たわ。

「うわ、本当だ積もっているね」

「ええ、今日はどうするの?」

 シンジは今日も仕事、でも雪が積もっているから車での通勤はできないわよ。

「もちろん行くよ」

「えっ?でも積もっているわよ。有休があるんだから休んだら?」

「ふふふ、こんな事もあろうかと、昨日のうちにスタッドレスに交換しておいたんだ」

「・・・」

 昨日ゴソゴソしていたのは、それだったのね。相変わらず車に関しては抜かりがないわね。

「わかったわ、すぐにご飯の用意をするわ」

「頼むよ」








 ご飯にお味噌汁、目玉焼きと、シンジ一人分だから素早くできるわよ。

「いただきます」

 最近のシンジは朝が早いから一人で食べているのよね。アタシはマナとレイと後で食べるわ。

「雪の日くらい休んだらいいのに」

「今は忙しいからね、休めないんだよ。余裕ができたらみんなで旅行にでも行こうね」

「ええ、その前に働きすぎて身体を壊さないようにね」

「うん」




 シンジを見送っても主婦の仕事は終わらないわ。これからアタシ達の朝ごはんを作るわよ。

 作るって言ってもご飯と味噌汁はできているから、目玉焼きやウインナーを焼いてデザートはヨーグルト。できたらマナとレイを起こしに行くわよ。

「マナ、レイ、朝よ。起きなさい」

「zzz〜〜」

「zzz〜〜」

 可愛い顔して寝ているわね。流石はアタシの娘達ね、このまま起こさないで寝顔を見ていたいわ。でも母親としてそんな事はしないわよ。

「起きなさ〜〜〜い!」

 アタシは、小さい身体に巻きつけていた毛布を剥ぎ取ったわ。起こしても起きない二人にはこれが一番ね。

「さ、寒〜〜〜い」

「寒いの・・・zzz」

「こらレイ、寒いのにまた寝るんじゃないの!ほら雪が積もっているわよ」

「本当!?」

 マナが雪と聞いて窓へ走って行ったわ。ふふ、子供は雪が好きなのね。

「本当だ〜〜積もってる〜〜ほらレイ、雪が積もっている。ご飯食べたら遊びに行こう〜」

「マナお姉ちゃんだけで行ってきて、私は眠るの・・・zzz」

「レイ、起きなさい。片付かないでしょう」

 アタシはまだ寝ぼけているレイの手を引いて台所へ向かったわ。






「ご飯、ご飯〜〜」

「ご飯・・・」

 雪で完全に起きたマナに、まだ寝ぼけているレイ、双子なのに対極的ね。

「「「いただきます」」」

 マナは早く遊びたいようね、急いで食べているわ。

「マナ、ゆっくり噛んで食べなさい」

「は〜〜い。もぐもぐ、もぐもぐ」

 ピンポ〜〜ン

 あら、朝から誰かしら?アタシは玄関に向かったわ。

「どちら様ですか?」

「クエックエ」

 この声は。

「ペンペンじゃない、朝からどうしたの?」

「クエクエ」

「遊びに来てくれたの、嬉しいわね。あがりなさい」

「クエッ」

 マナとレイの為に来てくれたのね。ペンペンは雪に強いから頼もしいわ。

「クエクエッ」

「わあペンペン〜〜いらっしゃ〜い」

「ペンペンおはよう」

 ペンペンの姿に2人は大喜びね。

「ペンペン、朝ごはんは食べたの?」

「クエエ」

「食べてないのね、今用意するから待っていなさい」

「クエッ!」

 ミサトが飼い主だから予想はついていたけどね。まったくペンペンが可哀想だわ。

 ピンポ〜〜ン

 また呼び鈴が鳴ったわ、今日は多いわね。

「マナが行ってくる〜〜」

 マナが走って玄関に行ったわ。









「おっは〜〜」

「おわっミサト」

 なんでミサトがこんな朝から来るのよ?

「ミサトお姉ちゃん、お仕事は?」

 アタシの疑問をレイが質問してくれたわ。

「お仕事は・・・雪だから無しよ!!」

「そんなわけあるわけないでしょうが!」

 思わずツッコンでしまったわ。

「冗談よ。雪だから有休取ったのよ」

 有休取ったのね、シンジも取ればいいのに・・・

「と、いうわけで、私のご飯もお願いね」

 ・・・呆れた。









「うい〜〜ごっちそうさん、美味しかったわよ」

「それはどうも。ミサト〜自分のご飯はどうでも良いけど、ペンペンのご飯はちゃんと用意しなさいよ」

「ごみんごみん、うっかり忘れちゃっていたのよ」

「まったく、呆れるわね」

「ミサトお姉ちゃん、遊ぼう」

「そうね、ご飯代としてマナとレイと遊んでちょうだい」

「はいはい、ご飯代くらい働きますか。マナ〜レイ〜庭で雪合戦をするわよ」

「「うん」」

「クエッ!」

 みんなが外にいる間に、家事を済ませてしまいましょう。






 洗い物を済ませて、次は洗濯。庭からは楽しい声が聞えるわ、盛り上がっているみたいね。ちょっと見に行ってみようかしら。

 見に行くと言っても、外は寒いから部屋の中からよ。ミサト一人対、マナ、レイ、ペンペンのようね。

「え〜〜い」

「当たらない」

「クエクエッ」

「ふっふっふ、そんなへなちょこな玉が、この美女ミサトさんに当たるとでも思っているのかしら?100万年早くってよ〜〜」

 マナ達、雪をぶつけれて雪まみれじゃない、お風呂も用意しておいた方がいいわね。





「ふんふんふ〜〜ん」

 お風呂は入れたし、その後の準備をしなきゃ。

「おかあさ〜〜ん」

 マナの声だわ、雪合戦は終わったのかしら?

「あらあら、濡れているじゃない」

「楽しかったの」

「クエ」

 レイもペンペンも雪で濡れているわ。

「久々に童心に戻って遊んだわ〜〜」

 アンタはいつでも童心でしょうが。

「お風呂用意してあるから、風邪引かないうちに入りなさい」

 お風呂はミサトに任せておいて、アタシは・・・








「あ〜〜気持ちよかった。麦酒ちょうだい」

「あるわけないでしょうがっ」

「ほっかほか〜〜」

「ぽかぽかなの」

「ちゃんと髪の毛、乾かすのよ」

「クエクエクエ〜〜」

「満足したのね」

 リビングには暖房とコタツをしているから寒さ対策はOKよ。

「これで温まりなさい」

 アタシ特製のぜんざいよ、これで体力回復しちゃうわよ。


 雪にマナちゃんレイちゃん、ペンペン、ついでにミサトさんは大喜び(笑)

 アスカちゃんは雪の日でも主婦をしなければいけないのですが、みんなの笑顔を見たら疲れが吹き飛びます。

 こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。


FAMILY 雪合戦