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ネコ耳科学者るなリっちゃん

 
written by jun16 




 カチカチカチ

 ネルフの研究室、別名MAD館にキーを叩く音が響く。

 カチカチカチカチ

 キーボードを打っているのは金髪をかけた眼鏡、いや眼鏡をかけた金髪。

 赤木リツコ。

「ふう〜〜」

 長い時間モニターを見つめていたのだろうか?その手をとめると眼鏡を外し、目頭を押さえる。

 チラッと時計を見ると午前二時、リツコは驚いた。ずっと研究室にこもりっきりだと時間の感覚がわからない。

「また徹夜しちゃったわね」

 席を立つとコーヒーを入れ一息つける。彼女はもう三日も徹夜しているのだ。

 コキコキ

 疲れた首を回すとこっていたのか骨が鳴る。当年(ピ〜)歳、彼女式の四捨五入で20歳

「今日も会えなかったわね・・・・」

 机に飾ってある愛猫の写真を手に取りため息をついた。ほとんどネルフにいるリツコ、猫は祖母に預けているので心配は無い。だが心配なのはリツコの方である。

うっ!う、うう・・・・」

 リツコの発作が始まった。胸に手をあて苦しいのか、片膝を床に付き額には脂汗。

「うぐっ!ま、また来たのね・・・・・・・・」

 苦しくても愛猫の写真は離さない、息遣いを荒くしながら席に座ると、引出しから薬を取り出す。







あああああああああああああっ!私の可愛い子猫ちゃ〜〜〜〜〜〜〜〜ん!

 引出しから取り出した薬とは子猫の縫いぐるみ、それも可愛く笑っている白猫、それがリツコの薬。

ああ〜この毛並み〜〜〜〜〜!

 砕けたニヤケ顔で頬擦りを始める。リツコは一定期間猫を触らないと発作が起きてしまう。だがネルフにいる時間が長いので愛猫に触る事はほぼ不可能に近い。そこで天才的な頭で考えた。

 そして出た答えが縫いぐるみの子猫を持参しておく。それで全てが解決した。

 ちなみになぜ引き出しに入れているのかというと、飾っておいたらマヤが『可愛い〜〜♪』と言って持っていってしまうから、隠しているのである。

はあはあはあはあはあ・・・・落ちついたわ・・・・・・・」

 頬擦りして頬が赤くなっている。満足、発作がおさまった証拠である。そしてまた引き出しになおす。

「・・・・でも、アナタを抱きたいわ〜〜」

 再び写真に眼をやる。やはり縫いぐるみより本物が良い。

「さあて早く終わらして、頬擦りしに行かなくちゃね」

 腕を捲くり休憩は終わり、またモニターに向かってキーを打ち始める。

 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ

 尋常ではない早さ、だがスピードは落ちている。徹夜を三日も続ければ当然である。リツコの瞼は重くなりついには眠ってしまった。

「zzzzzzzzzzz」

「zzzzzzzzzz」

「zzzz・・・・・」



























「・・・・・ん?どうやら寝ちゃったみたいね」

 机にうつ伏して寝ていたのに気づき苦笑する。そして眠気を覚ますために自分専用の洗面台へ顔を洗いに行く。

 鏡の前にて・・・

「?あら?」

 いつもと違った感じがした。それはシワが増えた・・・・違う。

「きゃ・・・・・・きゃああああああああああああああああああああ

 洗面台にリツコの叫び声が響く、一体?

耳が生えてる〜〜〜〜〜〜〜♪

 そうリツコの金髪にひょこんとネコミミがついていたのだ。それもオモチャではなく本物。

動かせるわ〜〜〜〜♪

 ピクピク動かしたり、閉じたり開いたりと喜びにトリップする、夢とは思っていない。

「さあて顔を洗わないと」

 眼鏡に手をやる・・・・・・

「きゃ・・・・・・きゃああああああああああああああああああああ

 また洗面台にリツコの叫び声が響く、一体?

猫の手よ〜〜〜〜♪

 そうリツコの腕は普通の人間の腕だが、手首から先は猫の手に変わっていた。

本物!本物の肉球〜〜〜〜♪

 プニプニと柔らかく弾力のある肉球に頬擦りして快感の顔。

「長い間研究に研究を重ねても作りきれなかった肉球が私の手に〜〜〜〜〜」

 ついつい喜びの舞いを踊ってしまう。

 パチ!

「?」

 洗面台で小躍りをしていると何かお尻に感触があった、ぶつかったようである。

「ま、まさか!

 恐る恐る振り返りお尻を見た。

尻尾よ〜〜〜〜〜〜〜♪

 そうリツコのお尻には尻尾が生えていた。それもなぜかスカートに穴が開いていてそこから生えていたのだ。

ええい、クネクネ〜〜〜〜♪

 自由自在に操れ、もうムチ状態。眠気を忘れると洗面台で三時間は楽しいんでいた。







「はあはあはあはあ・・・・・・堪能したわ」

 額には汗、顔は満面の笑み、ネルフに入ってからこんな楽しい事は忘れていた。

「それにしてもなぜ、こんな素晴らしい事になったのかしら?」

 自分の体の一部が猫に変わっていたら、普通の人は卒倒するだろうがリツコには素晴らしい事である。

「でもまだ、表面だけの素晴らしさかもしれないわ」

 研究室に戻り、猫の手で器用にキーをたたき始める。

 カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカ

 

 

 結果が出たようである。

「99.89%猫に変わっているわ・・・・・・・これこそ私が求めていた夢!

 爪をニョキっと出すと髪をかきあげる。クシはいらない。

「・・・・でも後0.11%がどうしても見つからないわ」

 プニプニ

 肉球を触りながら考えるが、答えがでない。

「ふう〜〜まあいいわ。これからの研究が決ったわ」

 コーヒーをコップに注ぐと口に持っていく。

熱っ!

 ガッチャ〜〜〜ン

 あまりの熱さにコップを落としてしまった。

!!!こ、これよ後0.11%は!!!

 舌を焼けどしながら、叫ぶリツコ。

 

猫舌よ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪♪

 こうしてリツコの補完は完了した。



 

 jun16です。

 柏崎夢乃さんのプリチーでビュウテホー『るなリっちゃん』を見たら、描いてしまいました。

 タイトルは思い浮かばず、拝借しました。

 それではご一緒に、合言葉は『るなリっちゃん』は猫舌になって満足ぅ〜〜〜〜♪

 

 にくきゅううううう!

 ううううう嬉しいと言うか嬉しすぎと言うか!
 jun16さんの手によってここに新たなネコ耳伝説が誕生しましたー!(笑)

 そして、拝見したら疑問がこびりついて離れないー!(笑)

 ネコを触らないと起きる発作ってなんですのん

 ううう……悩みすぎて寝不足になって眠って起きたらネコになっていそうだ(-_-;
 ってそうだ! なんでネコになったのかも永遠の謎なんでしょうかー!?(汗)
 寝てる間にリっちゃんを改造する勇気と技術を兼ね備えた人物がネルフに居るのか……はっ、まさか!


 実はMAGIの箱がぐいいいんと持ちあがると中には部屋があって……そこに隠れ住んでいたばーさんが
 (どこかでそんなネタ見たことあるなぁ(^^;)


 さあ、愉快なお話しをくださったjun16さんへ『僕も猫舌なんですけど0.11%はネコだったんですね!』とヨタってみませんか?

 jun16さんへのご感想はこ〜ちらな〜のです〜〜♪

 
2000/01/21 v1.0