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二代目襲名
written by jun16
風が吹き荒れる市街地に一人の女性を囲む見るからに悪党の集団。
「
キ〜〜〜!!
」
リーダーらしき人物が合図を出すと一斉に女性に飛びかかる。
危うし女性!だが女性は慌てはしない。目を瞑り精神を集中してカッと開き叫んだ。
「
不潔なアナタ達は!!しゃぼ〜んすぷれ〜ぃ!
」
するとどうだろうか、悪党が次々に倒されていく。
そして全ての悪党が倒れた。女性は倒れた悪党をビシッと指差し・・・・・
「
LCLでもかぶって反省しなさいぃ!
」
決った!そしてニッコリ微笑むとその場を去って行った。
その女性の名は・・・
伊吹マヤキュリ〜
頑張れマヤキュリ〜!ありがとうマヤキュリ〜!僕らのマヤキュリ〜!
「
カ〜〜〜〜〜ット!!OKええええええいっ!
」
スタジオに三〇どら監督の声が響く、ここは『美〇〇戦士葛城ム〜ン』の撮影現場、スタジオ『jun16 Factory 葛城工場』である。
「おつかれさまぁ〜、どうでしたか私の演技?」
マヤは汗をタオルで拭くと三笠〇ら監督にでき具合を聞いた。
「最高だよマヤちゃん、特に最後のほほ笑みは全国マヤキュリ〜ファンの心を
ぐわぁっ
と鷲掴みだよ」
「へえっありがとうございます〜」
満面の笑み、とても二十歳を過ぎたとは思えない身体。このギャップが全国マヤキュリ〜ファンの心を捕らえて離さない。
「〇笠どら監督ぅ〜来週の台本はまだですか〜?」
「え、ら、来週の台本ね。ま、まだできてないんだ」
三笠ど〇監督、スタッフ一同はマヤの言葉に緊張をし場が静かになった。
「どうしたんですか〜?」
静かなスタッフ、だがマヤはそんな事はわからない。そこへ一人の少女がやって来た。
「初めまして伊吹マヤキュリ〜さん。私、霧島マナです」
マナは笑顔で挨拶をするとマヤもそれに答え笑顔で挨拶をした。
「こんにちは、私を知っているなんて嬉しいわ〜」
「そんな事ないですよ。マヤキュリ〜は有名ですから、私頑張ります」
頑張ると言われてもマヤには何の事だかわからない。またスタッフに緊張が走る。
「?そう頑張ってね〜」
「はい伊吹マヤキュリ〜を継いで二代目水星、
霧島マナキュリ〜
を頑張ります」
「
えっ?
」
マヤは固まった、それを見たスタッフはコソコソとスタジオを抜け出して行く。
「に・だ・い・め?何の?・・・」
「マヤキュリ〜の後を私が継がせてもらう事になったんです。来週のお話、マヤキュリ〜
死
ぬんですよ」
「
えっ?
」
また固まった。マヤの後では三〇ど〇監督が足音を立てないようにスタジオから逃げ出そうとしている。
「
監督〜〜〜!
」
瀧の様に涙を流しながら〇笠〇ら監督に詰め寄るマヤ。
「な、何かなマヤちゃん」
「
どうして!どうして私が死ぬんですか〜?可愛いし、人気があるし、歌も歌えるし、NGは出さないし、それに葛城さんよりずうううううぅぅぅっと歳が若いんですよ。私より葛城さんを殺したらどうなんですか!
」
泣きながら恐ろしい事を言うマヤ。
「か、葛城さんを殺しちゃったら『美〇〇戦士葛城ム〜ン』が終わっちゃうでしょ。ここらへんで
くわっ!
と
かっ!
とした出来事を起こした方が面白いでしょ」
「う、うう私は面白くありませ〜ん!うえ〜〜ん!私が死ぬなんて〜!」
涙、鼻水がワンワン泣いて飛びまくり、目の前にいる三〇〇ら監督の服に怒涛の如く付く。
「あの〜〜私」
マナが気まずそうに二人の元にやって来た。
「あ、ああマナちゃん帰っていいよ。台詞を憶えておいてね」
「わかりました。お疲れ様です」
マナは二人に一礼すると走ってその場から逃げ出した。スタジオに残っているのは二人。
「だ、台本できているんじゃないですか!どうしてウソをついたんですか!」
「そ、それはねマヤちゃんがショックを受けないように・・・・・・ね」
「
ひどい!ひどいです!うえ〜〜〜〜〜ん!バカ〜〜〜!
」
バチン
「
あぎゃあ
」
マヤの泣きのビンタ、〇笠ど〇監督は飛んだ、壁まで飛んだ。そしてめりこんだ。
マヤの部屋、ベットにうずくまりマクラを濡らして泣いた。
「う、ううううえええええ〜〜んっっ・・・ひっくっひっく・・・・どうして、どうして私が・・・・・うわ〜〜〜ん」
夜を明かして泣いた。おかげでベットはびしょ濡れ。
ピーンポーン
泣きの余韻に浸っていると呼鈴がなった。聞こえているのだが出たくない。
ピーンポーン
(・・・・・・誰かしら?)
ピーンポーン
(・・・・・いないわよ)
泣いたので目を腫らしている、こんな顔では出たくない。
ピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーンピーンポーン
連続ピンポン、マヤは耳を塞いだ。
(うう、誰よ帰ってよ〜会いたくないの!)
ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン
今度はドアを叩く音に変わった。それでもマヤは出たくない。
(出たくないのよ!・・・あら?)
ドアを叩く音が止んだ。どうやら帰ったようである。
(良かった・・・)
ホッとするマヤ、そのまま泣き疲れてウトウトし始めた。
ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!ドゴン!
(な、何?何?何〜〜)
何かを打ちつける音、ドアが壊れそうである。
「
マヤ!居るんでしょ?開けなさい!
」
(先輩!)
聞き覚えのある声に速攻で玄関に行きドアを開けた。
「先輩!」
「はあはあはあ、マヤ・・・・居るんなら早く出なさい」
玄関に居たのはリツコ、なぜかバットを持って汗をかいている。
「せ、先輩どうしてバットを持っているんですか」
「これ?ちょうど素振りがしたかったのよ」
「は、はあ・・・・・・」
「上がらせてもらうわよ」
リツコは傘立てにバットを入れるとズカズカと部屋に入っていった。マヤはバットを見ながらドアを閉めた。外側のドアは変形していた。
「マヤ、酷い顔ね。顔を洗ってきなさい」
「・・・・はい」
マヤは元気無く答えると洗面台に向かった。
顔を洗って戻ってきた、二人はテーブルを挟むと向かい合って座った。
「聞いたわよ」
「う、うう酷すぎます。私、来週死ぬんですよ」
テーブルにうつ伏すとまた泣き出す。リツコはため息をついて呆れた。
(この子はよく涙があるわね。ダム以上ね)
「
うええええ〜〜〜〜ん
」
泣き出してから1分もしないうちにテーブルはびしょ濡れ、床に滴り落ちている。
「マヤ、現実を見つめなさい。もう決った事でしょう」
「・・・うう、でも私、聞かされていなかったんですよ」
「そうねそれは酷いけど、〇〇〇ら監督じゃあ無理よ。諦めなさい」
「
うわああああ〜〜〜ん
」
また瀧の様に泣き出した。リツコはタバコを取り出すと火をつける。
「う、うう・・・先輩・・・・・」
「何?」
「お家は禁煙なんですぅ」
「・・・そうわかったわ」
細かいマヤ、リツコは携帯灰皿に、一回吸っただけのまだ長い煙草を入れた。
(もったいない・・・・まだ吸えるのに)
悔しがるリツコ。マヤはまだ泣いている。
「ううう、ひっくひっく」
「マヤ、いい加減泣くのをやめなさい。可愛い顔が台無しよ」
リツコはハンカチを取り出し渡した。
「うう、すみませ〜〜ん、
ズビ〜〜〜〜〜!チ〜〜〜ン!!
」
涙を拭くと豪快に鼻を噛む。そして噛んだ面を内側に折りたたむとリツコに返す。
「・・・・・マ,マヤにあげるわよ」
当然いらないだろう。
「ありがとうございます〜〜ひ、ひっく」
まだまだ涙があふれてくる。
(・・・・・これじゃあ死ぬまで泣き続けるわね。
!
)
何か浮かんだようである。
「マヤ、来週でマヤキュリ〜は死んじゃうけど、再来週から私の助手としてでない?」
リツコは葛城ム〜ンを助けるMADな科学者として出演している。
「う、うう先輩の助手ですか?」
マヤは泣き腫らした顔を上げると、リツコの顔を見た。
「そうよ。助手が欲しいと思っていたところなの」
「
・・・・ううううう〜〜〜MADの助手なんかイヤです〜〜どうせ『今日の発明はこれよ!』そして失敗して頭チリヂリ、頬真っ黒になって『これは成功への第一歩よ』って笑うギャグキャラなんてイヤです〜〜マヤキュリ〜が良いです〜〜〜
」
またうつ伏して泣く、だがリツコのこめかみには怒りマークが浮き出ている。
「
そんな訳ないでしょう!イヤならいいわよ。来週死んで、一生泣いていなさい!
」
リツコは怒ると立ちあがり出て行こうとした。だがマヤに足を掴まれた。
「うう、先輩〜」
「離しなさい!私は台詞憶えなくちゃならないのよ」
「ごめんなさい〜先輩、私・・・助手をしますから〜」
そして・・・・
悪党軍団の前に敗れさる伊吹マヤキュリ〜。
「きゃああああ!・・・・・う、ううう私はもう・・・・・・・・・・でも私の・・・・・意志を・・・・継いでく・・・・れ・・・る・・・・・・・」
ほほ笑みながら生き絶えた。そこで伊吹マヤキュリ〜の体は泡となって天に昇った。悪党軍団はそれを何事かと見ているだけである。
キラ〜〜〜ン!!!
天に昇った泡に太陽の光が反射したのだろうか?光った。そして泡は地上に降りてくる。
シュワアアア〜〜〜〜!
降りた泡はまるで生き物の様に動くと人間の形を作っていく。
ピカ〜〜ン!
人間を形作ったところで、眩いくらいに光った。その光りに悪党軍団は目を遮る。
・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
・
しだいに光りが薄れていく。そして
「
愛と勇気の美少女戦士!霧島マナキュリ〜!LCLでもかぶって反省しなさい!!
」
ここに二代目水星霧島マナキュリ〜は誕生した。
「
しゃいんあくあ〜いりゅ〜じょ〜ん!!
」
悪党軍団一掃。そしてカメラに向かってウインク
「
悪い子はしゃぼんで綺麗にするわよ
」
そう言うとサッとその場を立ち去った。
新しい美少女戦士の名は
霧島マナキュリ〜
頑張れマナキュリ〜!ありがとうマナキュリ〜!僕らのマナキュリ〜!
「
カ〜〜〜〜〜ット!!OKええええええいっ!
」
スタジオに〇〇〇〇監督の声が響いた。
新旧の交代、マヤは終わった後、泣いた。そしてリツコの助手で次回から出る事が決った。
「
センパ〜〜イ!!今日の発明はこれですぅぅ〜
」
「もう失敗はご免よ」
「
大丈夫です!爆発しませんから〜〜
」
ドッガアアアアアアン!!!
「ごほごほ、爆発してるじゃないの」
「
これは成功への第一歩ですぅ〜
」
助手伊吹マヤは幸せであった。
jun16です。
霧島マナキュリー&伊吹マヤキュリーを見たら・・・・・これができちゃいました(^^;)
必殺技、決め台詞は掲示板でその質問をしまして、どらさんの答えをそのまま使用しています。
そしてどらさんを勝手に監督にしてしまいました、すいません<_>
(御チュウ意)
『美○○戦士葛城ムーン』と『美○○戦士葛城ム〜ン』は別の作品です。
このお話に出てくる『○○○○監督』は
他人の空似
(笑)である事と、『葛城ムーン』でマヤキュリーは死なないぜ!と言う事をご承知置きくださいませ。
などとチュウ釈をくわえつつ。
多分今後出てくる本物のマヤキュリーより大活躍!(笑)
な作品をjun16さんより頂きましたっ(^-^)/♪
ぅぅぅありがとうございました〜〜〜っ!
しかもワシまで出さしてもろて、なんとお礼を申し上げたらよいのやら
(- -;(_ _;(- -;(_ _;へこへこ
それにしても、やはりリっちゃんがよろしおすなぁ〜♪
いえね、わたくしミサトが主人公な話書いてるくせに、
リっちゃんの方が好き
なもんですから、しかも最近妄想が進行してまして、このお話を拝読している最中もずっと
ネコ耳がついた姿を想像
してしまってまして……(^-^;
いいと思いませんか?
ネコ耳をつけて、へしゃげたバットを持って玄関先に現れ、禁煙と言われて携帯灰皿にもったいないと思いつつタバコをねじ込んでるリっちゃん…………(遠い目)
あっ、マヤキュリ〜とマナキュリ〜の活躍も素敵ですね!(自分でも取ってつけたようだと思いますが本心)
惜しむらくは必殺技!
名前がへ〜は〜ムーンそのまんまであります……うううう、私の代わりに葛城ムーン用の名前を考えてくだされば嬉しさ倍増だったのですが〜〜(^-^;ゞ
じぶんでかんがえなさい
最後の爆発でアフロになったりしなかったのでしょうか?(汗)
それではここらで、こんなにも愉快で悲哀に溢れる(笑)お話を書いてくださいましたjun16さんに、ご感想をお送り頂く時間にしたいと思います!
jun16さんへのご感想はここにゃ〜〜っ♪
2000/01/30 v1.0