ちょっとだけやらしいかも・・・ってほどでもないかも・・・でも・・・。 ・・・なので、純精神的じゃなきゃやだって方は・・・これより >>>退散 だったらあっちに置きゃーいいじゃんって、話なのではありますが、 私の中では精神的(私の中では)なので、こっちに置きました。 安 眠 「・・・うーん。」 今晩に限って、何故なのか、なかなか寝付けなかった。 胸がもやもやしていて、落ち着かない感じ。 時計を見たら一時近く。 布団に入って・・・二時間が過ぎていた。 「う・・・ん。」 ごろごろと寝返りをうってばかり。 その度にベッドがぎしぎし軋んで、その音がしんとした部屋に響く。 目を開けてると、自然に閉じていくけど、決してそのまま、眠りに落ちることはない。 意を決して、上半身を起こした。 「ふぅ。」 なんで、眠れないのかな・・・。 早く寝なきゃ、明日起きれないかもしれないし、授業中に眠ってしまうかもしれない。 そう思うことが、気持ちに焦りをあたえてることはわかってる。 だから、さっきから、 一日くらい眠らなくったって大丈夫って、暗示みたいに言い聞かせてる。 もう一度、頭を枕に沈める。 ・・・うーん。 ・・・・・・やっぱり眠れない。 どうしようかなって考えながら、ベッドを降りた。 ひたひた歩いた廊下の先にある、ふすまをそーっと開く。 その隙間から見える、寝姿。 ・・・どきどきしすぎて、足が震えてきた。 落ち着くように何度も深呼吸して息を整え、胸の鼓動をおさえる。 通れるくらいに開き、さっと中に入って、すっと閉めた。 手に持ってきた枕をぎゅっと握りしめたまま、寝ている乱馬の横に静かに座る。 こっちに背を向けてて顔は見えないけど、 でも、肩が自然に動いてて、よく眠ってるってことは確認できた。 しばらく、そのまま、背中を見つめる。 変わらない空気の動き。 乱馬は枕を抱きしめるようにして眠っていて、 上に掛けるはずの布団は蹴っ飛ばされ、足元にくたっとしていた。 今の季節、季候がいいって言っても、これじゃ風邪引いちゃうよ。 そう思って、捲し上げ、横たわった身体に掛ける。 もちろん、その背中の隣に、枕を置いて、一緒にその中に入った。 いくら乱馬が横を向いて寝ているといっても、 シングルサイズの布団にふたりで寝るのは窮屈で、背中同士が触れ合う ・・・とは言っても、乱馬の背中は広くて大きいから、 こっちの身体のほとんどは、そこにくっついていた。 ・・・さすがにばれちゃうかな。 こんなに近くで、こんなことしてたら、 いくらよく眠ってるって言っても、気付かれちゃうよね。 怒られるのは、やだな・・・。 だけど、ここ・・・あったかくて、離れたくない。 相反する気持ちを持て余しながらも、意識は集中する。 背中から伝わる乱馬の呼吸は、さっきから変わらない・・・。 そういえば乱馬って、寝起き悪いっていうか、いつも時間ぎりぎりまで寝てるみたいだし・・・。 「すー・・・すー・・・。」 どうやら気付いていないようで、ぴくりとも余計に動く様子はない。 でも、このままこうして眠ってしまったら、 朝になって、乱馬の向こうで眠ってるおじさまに見つかって、 おねえちゃんたちが騒いで、お父さんが嬉し泣きして・・・・・・。 そして、乱馬は・・・ きっと全力で否定して言い訳して、でも、誰も聞かなくて、信じなくて、 それでも否定し続けて・・・ それで、責められるんだろうな。 馬鹿みたいなことするんじゃねぇ・・・って。 そうなったら、きっと今、想って感じてる、この気持ちもこの熱も、 全部冷めて、なくなってしまう。 痛くなるってわかってるのに、なにやってるんだろ・・・。 ・・・やっぱり、部屋に戻ろう。 布団から出ようとして、乱馬の背中を離れた途端、 その長い腕に、動かしていた身体を抱き寄せられていた。 お・・・起きた? いつの間にか、こっちを向いていた乱馬の息使いが、 腕の中にいて距離が近づいた分、余計に聞こえる。 動揺し、うるさいくらいに鳴り響く、自分の胸の鼓動をどうにかおさえながら、 乱馬の寝息に耳を傾けた。 「すー・・・すー・・・。」 背中に刻まれ続ける乱馬の胸の音も、寝息と一緒で落ち着いて聞こえている。 ひょっとして・・・枕と勘違いしてる? さっきまで、枕を抱きしめて眠ってた姿が、頭をよぎる。 寝返りを打った乱馬は、そのまま枕と間違えて・・・・・・。 そうだとしたって、どうしよう・・・。 このままじゃ、さっき考えてたことが現実になってしまう・・・。 だけど、この腕の中は、思ってたとおり、居心地がよくて、 気持ちとは裏腹に、ゆっくりと目は閉じていく。 喧嘩、したくなんかないのに・・・。 そこで、意識は途絶えた。 「あかね。」 誰かに呼ばれてる。だけど、目が開かない。 「起きねぇと、遅刻するぞ。」 「・・・う・・・ん。」 半ば無理矢理に目を開けたら、そこに乱馬の顔があった。 「おはよ。」 「・・・おは、よ。」 ぼやけた視界・・・。 同じように ぼやけてる思考・・・。 どうして、乱馬がいるんだっけ・・・。 えっと、確か、夜中に・・・・・・。 ゆっくりまばたきを何度か繰り返し、今、いる状況を回らない頭で考える。 身体を起こしたら、寝ていた布団を取り囲むように、みんながいた。 「どうか、したの?」 「・・・あかね、乱馬くんに連れ込まれたんだよね?」 お父さんが、そう言う。 「・・・え?」 え? 身の周りを見たら、乱馬の布団の上に座っていた。 ・・・そうだった。 乱馬の部屋に入り込んで、乱馬の隣で寝てたんだ・・・。 気がつかれる前に部屋に戻ろうって、そう思ってたのに。 「ち、違うの、これはっ。」 「乱馬くんも大胆よね。隣におじさんがいるっていうのに。」 「そうじゃないの、乱馬じゃなくって、わたしが。」 話そうとしてるところで、乱馬がずいっと出てきて、その背中に言葉を遮られた。 「乱馬?」 「・・・だったら、どうした。」 「あら、すんなり認めるのね。」 「・・・・・・。」 結局、そのまま、時間がないからってことで、あやふやになってしまって、 訳がわからないまま、乱馬と学校に向かっていた。 ようやく差し込んできた光が、夜中の出来事を照らし、鮮明にそれを思い出させる。 「あ、あの、乱馬。」 「んー?」 先を歩く乱馬は振り返ることなく、返事をする。 「あの・・・ごめんなさい。」 「・・・・・・。」 居た堪れなくて出てきた言葉だけど、前を行く乱馬には伝わってはいないみたい。 やっぱり、どう考えたって、怒ってるよね・・・。 事が事だし、これを機に、お父さんたちが今まで以上に動くのも想像できるし。 それが、乱馬の負担になってしまうことくらい、わかってたのに。 「・・・寝ぼけてたわけじゃ、ないから。」 「・・・・・・え?」 乱馬からの突然の告白に、身体が熱くなる。 え・・・それって・・・。 じゃあ、離れようとしてたのを止めた、あの行為は、 枕と間違えてたわけじゃなかったんだ。 ちゃんと、わかってて、抱きしめてくれてたんだ。 「怒ってない?」 「ああ。」 そっか、よかったって、ほっとした気持ちになったのも、束の間。 ・・・ってことは、乱馬、起きてたってことよね・・・。 だとしたら、一体いつから? 「いつから、気付いてたの?」 「・・・・・・最初から。」 「え・・・。」 そう小さくいい残して走り去る、照れた背中を、 こっちも同じように赤くなっていく頬を手で覆いながら、ただ黙って見送った。 =おしまい= 隠 的 呟 言 ・・・・・・なんだこりゃー・・・と、首を傾げるのはごもっとも。 私自身ですら、なんでまたこんなの・・・って思いますし。 どのへんが精神的なのさって話でもありますし・・・。 眠れない夜というのは、あまり私は経験したことないのですが、 それでもたまーに情緒不安定というか、将来に対する漠然とした不安というか、 大きすぎるほどの もやもやしたもの に、やられそうになる時があります。 そういうよくわからない気持ちの時に、一緒にいれる人がいると、 落ち着くような、心地好いような・・・・・・って、また自分的感覚が・・・またかよ(汗) そういった感じで今回のも書いてしまったのでありました。 わざわざお探しくだった方がいたとしたならば・・・ここでお礼と謝罪。 ありがとうでした・・・そしてごめんなさい。 ひょう