VITAL BURNER 乱馬 「先、行くわよ。」 冷たい視線。胸に突き刺さる。 だけど、捕まえられた身体は動かせない。 いつものことだけど、このままいけば壊れてしまうかも。 わかってるからこそ、余計に動かない身体がはがゆい。 「待てよ。」 掴まれた腕を振りほどいて、走って後を追いかけて、 ほしいもの、ちゃんと手にして、伝えたい言葉、口に出せれば。 「なによ。」 少しむくれた、その表情に感じる優越感。 やきもちだとわかっているから、おれはここにいれる。 きつく睨まれても、掴んだ手をはねのけられても、離したくなどないから、 ちゃんと瞳を見て、ちゃんとみつめて・・・。 後を追ってきた女たちに再び捕まる。 むっとした顔だけ残して、おれの身体をすりぬけ、再び走り出す。 「まだ話は・・・。」 声を出すけど、全く無視して、あっという間に視界から消えていなくなった。 「・・・・・・。」 何度くりかえせば気が済むんだ? 自問自答のはじまり。 先の見えない、先を見せない、未来を焦る。 慌てて後を追うけど、なかなか追いつけない。 まるで自分の気持ちを見てるようで嫌になる。 だけど、何度ふりだしに戻っても、何度だってやり直せばいい。 ちゃんと本当のこと、いつかわかりあえればそれでいいのだから。 「逃げんなよ。」 ようやく追いついて、腕を掴む。 「逃げてなんか・・・大体、乱馬が。」 「朝からこんな馬鹿げたことで、喧嘩すんのやなんだよ。」 「・・・馬鹿げたって、乱馬にとってはそうかもしれないけど。」 「あかねにとっては、馬鹿げたことじゃないのか?」 「そ、それは・・・。」 「おれは、そう思ってるから。」 「え・・・。」 変えたいのなら、変わればいい。 自分で動かなきゃ、結局なにも始まらない。なにも終わらない。 先に進みたいなら、ほんの少し足を動かせばいい。 望む未来がほしいのなら、ほんの少し手を伸ばせばいい。 見つめたまま、時は過ぎる。 感 想 あかねちゃん方向の前に書いてたもんなんですが、色々考えてあかねちゃんの方をのっけてたんです。 で、これは・・・もういいかって思ってたんですが、せっかくだしってことで。 書いたものは書いたものだから・・・とか、心境の変化というか。 ひょう