灰かぶり あかねは、母親を無くし、愛情を受けぬまま十六歳になっていた。 父親は再婚し、継母はいたが、彼女は自分の娘たちばかりを可愛がり、 あかねにはメイド同然の暮らしをさせていた。 外国を飛び回る父親が、そんなあかねの暮らしを知る筈もなく、 あかねも、その暮らしを受け入れていた。 そんなある日、お城から舞踏会の招待状が届く。 この町に住む、すべての娘に王子と結婚するチャンスがうまれたのだ。 王子は十六歳。 先ごろ、修行の旅から戻り、ここで腰を落ち着けるらしい。 まだ見ぬ王子に、町の娘たちは、ああでもない、こうでもないと夢を見る。 「何でも、すごくお強い方らしいわよ。」 「あぁ。早くそのお顔を拝見したいわ。」 「お妃になれたら・・・。」 あかねは外で水を汲みながら、町娘たちの会話を聞く。 いいな。わたしも行ってみたい。 王子さま・・・会ってみたい。 女の子なら誰しも持つその夢。 しかも、今回の舞踏会は、町の娘という娘、すべてへの招待。 もしかしたら、わたしも連れていってもらえるかも。 ほのかな期待を胸に台所へ戻る。 「あかね。」 継母に呼ばれた。 「はい、何でしょうか。」 「今夜の舞踏会。」 「はい。」 「あの子たちお城に行くから、支度、早く手伝っておやり。」 「・・・はい。」 あかねは、両手いっぱいにドレスを抱えて、姉たちの部屋へ行く。 「こっちがいいかしら? やっぱりこっち? あかね、後ろのボタン、留めて。」 「はい。」 「この髪飾り、いまいちね。あかね、あっちの部屋に置いてるの、全部取ってきて。」 「はい、ただいま。」 あかねは、舞踏会のことを忘れたくて、慌しく支度をする姉2人の世話をする。 そうよね、こんな格好じゃ・・・姉さんたちみたいに、ドレス持ってないし。 煌びやかに飾りたてた姉たちと継母は、一緒に馬車へ乗り込む。 「留守番、よろしく。」 「いいつけた用事、済ませておくんだよ。」 「それじゃ。」 「いってらっしゃい、気をつけて。」 騒がしかった屋敷に急に静けさが戻った。 ひとり取り残されたあかねに寂しさが襲いかかる。 町の娘たちは皆、城へと向かっている。 町自体が静まり返っていて、たったひとり、この世界に取り残されたような気がして、 知らず知らずに涙が零れた。 「乱馬王子さまっ! 早くお支度をっ!」 「いいよ、このままで。」 「そんなこと言わずに、そんな薄汚れた稽古着など脱いで、こちらに御召しかえをっ!」 「・・・・・・。」 乱馬は正直飽き飽きしていた。 幼い頃より、城を出て、修行の旅と称して諸外国を渡り歩いていた日々。 十六歳の誕生日に城に戻ってくる約束で、いままで好き勝手にしてきたが、 約束どおり城に戻ってきた途端、結婚だと! たしかに、この城を守っていくのが王子としての役目だろうが、 自由奔放な暮らしをしてきた乱馬に、堅苦しい宮廷生活など性に合うわけもなく。 どうやって抜け出そうか・・・ 「お兄様、いい加減、覚悟をお決めになってください。」 乱馬の弟である王子が、諭しにやってきた。 彼もまた乱馬と共に修行の旅に出ていたし、兄弟であるがゆえ、わかりあえることも多かった。 乱馬は弟にひとつの提案をする。 「な、おまえさ、おれの身代わりにならないか?」 「何を言いだすのですかっ!」 「幸いおれたちは、この町の者に顔を知られていない。 おれだろうが、おまえだろうが、多分、ばれないと思うんだ。」 「どうして、そんなことを。」 「身分で、おれのことを選ぶ女に興味ねぇ。」 「・・・さすがはお兄様! わかりました。協力します。」 「頼んだぞ。」 舞踏会会場。 着飾った娘たちが次々とやってくる。 乱馬の身代わりになった弟王子は、玉座に座り、娘たちと謁見する。 娘たちは王子の元へと群がっていた。 遠巻きにその様子を窺う乱馬。 否が応でも娘たちの話が聞こえてくる。 「狙うは玉の輿よっ!」 「絶対に王子さまの妃になってやるわ。」 「裕福な暮らしのため、王子さまと御近付にならなくっちゃ。」 ちっ・・・ろくな女いねーな。 どいつもこいつも金と身分・・・・・結局無駄か。 いるわけねーよな、金も権力も、興味のねー女なんて・・・。 あかねは少し泣いて、元気を取り戻し、いいつけられている用事を片付ける。 籠いっぱいに入っているじゃがいもの皮を剥こうと、 それを手に取ろうとした時、唐突に中から閃光と煙が出てきた。 「な、何?」 煙が空気と馴染むと、そこに人影。 あかねは無意識に身構える。 「さ、あかねちゃん、舞踏会に行きましょ。」 優しい女の人の声に、肩の力が抜けた。 「・・・・・へ?」 「行きたいんでしょ? 舞踏会?」 「・・・う、うん・・・でもっ、ドレスもないし、やることいっぱいあるし。」 「大丈夫、だって、私は魔法使いだもの。」 そういうと魔法使いの女の人は、その手に持った杖を振りかざす。 目の前に、立派な馬車と御者が現れた。 「す、すごいっ。」 「こんなもんじゃないわよ。」 杖であかねの頭をとんっと一回突っつくと、 あかねの身体がピンク色の柔らかい霧に包まれる。 気がつくと、淡いピンク色の胸の部分が大きく開いたドレスを身にまとった姿になっていた。 水がめの水面にその顔を映す。 「わぁっ、魔法って顔まで変えられるんだ! 美人になってて嬉しい!」 「・・・お化粧をちょっとしただけなんだけど・・・。」 「え?」 「いえ、何でもないわ。これ、履いていきなさい。」 「これは・・・。」 「ガラスの靴よ。これだけは、魔法の力ではないの。私からあかねちゃんへのプレゼントね。」 「ありがとう。綺麗・・・。」 「さあ、急ぎなさい、魔法は十二時になると、とけてしまうから。」 「はい。」 あかねは輝く靴を履くと、馬車に乗り込む。 「楽しんでらっしゃいね。十二時前には戻るんですよ。」 「はい、いってきます。」 相変わらずに、王子に群がる娘たち。 「ふわぁぁっ・・・さすがに飽きたな。」 乱馬は裏庭の方へと出ていく。 ちょうど入れ違いに、あかねが会場に着く。 突然現れた、美しい少女に、会場は一瞬、静まる。 が、すぐにざわめきだす。 「どこぞのお姫さまかしら?」 「すごい美人だわ。」 「綺麗な方よね。」 そんな羨望の眼差しに気がつくこともなく、 あかねは着慣れないドレスが気になって仕方がない。 このドレス、ちょっと派手すぎなんじゃないかしら。 胸元、肌蹴すぎてるし。 ・・・あーあ、顔を変えたついでに、スタイルも変えてくれたらよかったのに・・・。 あかねは王子のいる玉座に近づいた。 が、たくさんの娘たちに囲まれている王子を遠目で見ただけ。 あの方が王子さま。 近づけそうもないし・・・ま、いっか。 そういうのが目的じゃなかったし。 優しそうなお方だけど、タイプじゃ・・・って、失礼よね。 わたしなんか、鼻にもかけてもらえないわ。 あかねは会場の隅の方へその身を移す。窓から外を見ると、裏庭に続く階段が見えた。 元々あまり賑やかな場所は好きではないあかねは、静かな裏庭へ自然と足が向く。 お城なんて、小さいころにお父さまと一緒に来たくらいよね。 まだあの頃は、お母さまと3人で暮らしてて・・・楽しかったな。 乱馬は裏庭を見渡せる、バルコニーの手すりに座っていた。 人影に気がつき、目を凝らす。 珍しいな、ここに人が来るなんて・・・ そう思いながら見た先に現れた少女に、乱馬はその瞳を奪われる。 か・・・かわいい・・・・・舞踏会に来たんだよな? やっぱりお妃になりたいのかな? 身分を目当てにやってきたのかな・・・。 だけど、どうしてここにきたんだろう。 性格、どうかな? ちこっと、確かめてみっか。 興味をそそられた乱馬は、あかねのそばに行くため、静かにその場から離れた。 あかねは乱馬のことなど気がつく訳もなく、裏庭の噴水の脇に座り、その水面を見つめる。 月明かりに照らされたその場所があかねのこころを癒していく。 継母や姉たちにいいように使われている・・・そんな風になんか考えたくない。 わたしが望んでやっているのだと、何度も自分に言い聞かせてきた。 だけど、本当は綺麗なドレスを着て、毎日ただ穏やかに暮らしていたいって、そう、思ってた。 素直に気持ちを受け止めることが出来たあかね。 とても、清々しいこころもち。 お城にきて、よかった。 これから、何があっても、きっと生きてゆける。 このままでいい、わたしはこれ以上を望まない。 「そろそろ帰ろうかな。」 あかねは立ち上がり、時計塔の時計を見ようと、 その顔をあげたとき、いきなり目の前に、見知らぬ少年が現れた。 「きゃっ!」 あかねは突然のことに驚き、その身を引くと、身体のバランスを崩し、後ろへ倒れる。 溜まった水の中に落ちようとする、その身体を、乱馬は慌てて引き寄せた。 ふたりは抱きあう。 乱馬は、その身体の軽さと柔らかさに鼓動が早まるのを感じた。 「ご、ごめんなさいっ。」 あかねは慌ててその身体を離す。 「い、いや、こっちこそ、驚かせちゃったから。」 乱馬はあかねの顔を見る。 あかねはその瞳を伏せたまま・・・。 ・・・やっぱり、かわいい。 乱馬は自分の感情が間違っていなかったことを確信した。 「大丈夫だった?」 「う、うん。」 「急に、ごめん。」 「ううん、わたしもぼーっとしてたから。」 あかねのぎこちない対応が、乱馬のこころを締め付ける。 顔を見ようともしない、その態度。 抱きあったとき、すぐに離れたその行動。 どこか、憂いを秘めたその表情に、乱馬は気持ちを持て余す。 なんて言えば、いいのかな? もっと、きみのこと、知りたいんだけど、おれのこと、興味ない? 「王子には会わないの?」 「う、うん。」 あかねは目の前にいる少年に、 言い知れぬ不思議な感情が芽生えてゆくのを感じていた。 今まで感じたことのない、その気持ち。 胸元の大きく開いたこのドレスが恥ずかしくって仕方がなかった。 だから、顔を見れずにいた。 本当は、その優しい瞳を見つめてみたい。 「どうして?」 「だって、王子さま、忙しそうだから。」 「妃になりたくないの?」 「・・・なりたくないって言ったら嘘になるけど、でも・・・。」 「でも?」 「気持ち・・・かな。」 乱馬は、目の前の少女のその純粋さに、そのこころの清らかさに、どんどん惹かれてゆく。 「身分とか、裕福な暮らしとか、しようと思わない?」 「・・・・・・一緒にいて幸せじゃなかったなら、だったらわたしはそんなのいらない。」 乱馬はあかねの身体を抱き寄せていた。 いつの間にか・・・本当、無意識のうちに・・・。 あかねは、ただ身体を固くし、乱馬の腕の力にその身を任せていた。 「いや?」 乱馬は恐る恐る聞いてみる。 あかねは俯いたまま、首を振った。 「・・・おれのこと、嫌い?」 あかねは強く首を振る。 「顔、あげてくれる?」 乱馬のその声に、あかねはゆっくりと、頬を染めながら顔をあげた。 「・・・恥ずかしかったの。」 「どうして?」 「だって、このドレス、すっごく派手だし。」 「そう? よく似合ってるよ?」 「え・・・。」 「よく、顔見せて。」 「・・・・・・。」 あかねは胸を締め付けられる。 今、いるのは、本当のわたしじゃない。 綺麗に見えるのは、わたしの顔じゃないから。 偽りのわたしになんかに、興味持たないで。 「わたしね、メイドみたいな暮らしをしてるの。」 きっと、身体を離される。 卑しい女と口、聞きたくなんかないって・・・。 だけど、このまま嘘の自分を見せ続ける訳にはいかない。 「そう。」 あっさりとした返事。 あれ? 「気にならない?」 「何が?」 「わたしのこと・・・。」 「気になるよ。すっごく、気になる。」 違う、そういう意味じゃなくって・・・って、わたしのこと、気になるの? 「どんな所でどんな風に暮らしていたとしても、関係ない。」 あかねは、乱馬の身体にその細い腕を回す。 「えっ、えぇっ。」 乱馬の胸に顔を埋めて、あかねは胸のうちを告げる。 「本当はね、今の暮らし嫌なの。本当はね、わたしも綺麗なドレス、着たいの。 ・・・今日舞踏会に来れたから。もう、夢みるのやめれる。 あなたに出逢えたから、きっとこころ、大きくもてる。」 「・・・・・・ついでに、胸、大きくなるといいな。」 「!! なによっ! 人が気にしてることをっ!」 あかねは少しむっとしてその顔をあげると、 乱馬はとっても優しい瞳で微笑みを投げかけていた。 なんて優しい瞳で笑ってくれる人なんだろう・・・。 話、ちゃんと聞いてくれるし・・・わたしのこと、受け入れてくれてる。 「ね、せっかくだから踊ろっか?」 「え・・・う、うん。」 乱馬は手をあかねの腰にあてる。 「・・・あ、あのね。」 「ん?」 「・・・ダンス、踊ったことないの。」 「大丈夫、教えてあげるから。」 そう言って、乱馬はあかねの身体を引き寄せる。 次の瞬間、あかねの唇に自分の唇を押し当てた。 あかねは乱馬の身体を突き放す。 「な、何をするのっ。」 「え・・・キスだけど?」 「キス?」 「いやだったかな?」 「・・・・・・恥ずかしくって・・・息出来なくなるって思って、苦しかった。」 「・・・したこと、なかった?」 「・・・おかしいのよね、みんな知っているのよね?」 あかねは、乱馬に背を向ける。 「知らないの。こういうこと、どうしていいのか・・・わからないの。 誰からも、受けたことがないから。だから・・・。」 乱馬はあかねの身体を後ろから抱きしめた。 「傷、つけた。ごめん。」 「ううん、そんなことない。」 「・・・キスはね、好きだって、大切にしたいって思った相手とするんだ。」 「うん。」 「・・・・・・もっかい、していい?」 「・・・・・・。」 乱馬はあかねの身体を自分に向ける。 あかねは黙って顔を上げ、乱馬を見つめた。 「瞳、閉じて。」 あかねは瞳を閉じる。 乱馬が再びキスを交わそうと、唇を近づけたとき、時計塔が、十二時の鐘を鳴らし始めた。 あかねは、はっとする。 「ご、ごめんなさい、わたし、帰らなきゃっ。」 「え、まだ、これからなのに。」 「・・・優しくしてくれてありがとう。 もう、二度とは会えないから・・・今宵のことはどうか忘れて」 「ちょ、ちょっと待って、きみの名はっ!」 「さようなら。」 「おれの、おれの名は乱馬だ。」 「・・・さよなら、乱馬・・・。」 あかねは裏庭から玄関に続く階段を駆け下りてゆく。 乱馬はその後を当然のごとく、追う。 もう少し、もう少しでその腕を掴めそう・・・。 乱馬が腕を伸ばしたとき、あかねの片方の足から靴が脱げた。 「あっ!」 その靴に引っかかり、乱馬はバランスを崩しそうになる。 あかねはその様子を気にしながらも、そのまま一気に走り抜けた・・・。 静寂。 残ったのは輝くガラスの靴と、満たされない想い。 乱馬は少女の忘れた靴を眺める。 勝手に帰りやがって・・・ おれの妃にするつもりだったのに・・・ 名も言わず忘れてくれだと! 忘れられるもんかっ!! 初めて好きになったおまえのこと、簡単に忘れてたまるか! 絶対に、見つけてやる。 「楽しかった。」 家へ帰る道でひとりそう呟いたあかねは、胸を抉られるような想いにかられる。 すべては夢。 だけど、そう割り切ろうとする、あかねのこころは、あまりにも乱馬に惹かれていた。 初めて芽生えた感情を持て余していたわたしを、乱馬は優しく受け止めてくれた。 ちゃんと受け入れてくれた。見てくれた。 ・・・忘れたくなんかない。 家へ辿り着いたあかねは、継母たちが戻ってくるまでの暫くの間、 手元に残った片方の靴を眺める。 胸にある乱馬へのその感情を抑えるため、ただ頬を濡らしながら・・・。 翌朝、町は王子のお妃選びの話題でもちきりだった。 王子の御眼鏡に適った娘がいたらしく、 城の使者がその娘の残した靴を持ち、娘のいる家を回っていた。 当然の如く、あかねのいる屋敷にもやって来る。 「この靴に足のあう娘が、王子の妃として城へ迎えられます。」 姉たちは騒ぎながら、その靴に足を入れる。 当然合うはずもないのだが。 「残念ですが、こちらにもいないようですね。」 そういって使者が立ち去ろうとしたとき、あかねが、ほうきを手に現れた。 使者は、乱馬だった。 あかねの姿を見てはっとする。 汚い身なりをしてはいるが、その内から出る、天性の輝き。 昨日の、少女だ。 乱馬は確信しながらも、あかねの前に立つ。 「この靴、履いてみて。」 行く手を立ちふさがれたあかねは顔をあげた。 あかねの顔が赤くなる。 「え、あの。」 「履いてみてくれる?」 「う、うん。」 あかねは、輝くガラスの靴にその足を入れた。 ぴったりと合う。 もう片方の靴も取り出して、履いてみせた。 継母と姉たちは驚き、騒ぎ立てたが、乱馬とあかねには周りの声など聞こえなかった。 昨日の夜のことを思い出し、ふたりは見つめ合い、頬を染める。 「乱馬、どうして?」 「探してた。どうしても、もう一度逢いたかった。」 「・・・・・・。」 「おれの名を知っているってことは間違いなく、きみは昨日の。」 「あかね、と言うの。」 「・・・あかね、城に行こう。」 「え?」 事態の飲み込めないあかねは戸惑う。 と、そこへ昨日見た王子が現れた。 「お兄様! ついに見つけられたのですね!!」 「ん、ああ。おまえのおかげだ。」 「よかった、さ、馬車に乗ってください。」 「え・・えぇっ!! 乱馬って王子さまだったの?」 「ごめん、黙ってて。」 あかねはますます戸惑いの表情を浮かべる。 「・・・わたし。」 「どうかした?」 「わたしなんかとじゃ、つりあわない。」 「なんで。」 「だって、身分が違うし・・・顔だって、昨日は魔法で変えていたから。」 「そんなの、関係ない。それに、今の方がかわいいよ。」 「えっ。」 普段、かわいい なんて言われたことのないあかねに恥ずかしさが込上げる。 周りがあかねの美しさを妬み、褒められたことがないだけで、 気がついていないのは本人ばかりだった。 「身分や育ちなんか関係ない。おれが好きになったのは、 おれがこころ惹かれたのは、あかね自身だから。」 「でも。」 「あかねだって、おれが王子だと知らずに好いてくれたんだろ?」 「・・・・・・うん。」 「それと同じことさ。」 乱馬の真っ直ぐなこころが、あかねの純粋で美しいこころに響く。 「おれは、あかねが好きだ。」 「わたしも、乱馬が好き。」 あかねは、乱馬の唇に自分の唇をつける。 「!!」 「・・・好きな相手にするのよね?」 乱馬は黙って、あかねともう一度キスを交わす。 そして乱馬はあかねを妃として迎えた。 決して贅沢を望まぬ乱馬とあかねは多くの民に慕われる。 国はますます繁栄し、ふたりは末永く幸せに暮らしていった。 =おしまい= 呟 事 10000hit、感謝っ! という気持ちを元に作り出した・・・のはよいのだが、 相変わらずの偏り様に、このサイトの未来を考える人が・・・って私以外いないですね(汗) 原作全く無視くらいの歪みよう。 灰かぶりなのに、灰かぶってないし、3回舞踏会行ってないし、 だいたい、王子が2人って・・・(おぃおぃっ) 魔法とガラスの靴と12時くらいしか・・・残りませんでした。 一応言っておきますが、灰かぶりはこんな話じゃありません(汗) しかも、シンデレラと混じってるし・・・。魔法が出てくるのはシンデレラですが 灰かぶりは、鳥がドレスを運んできてくれてたような・・・。 うろ覚え・・・そうです、グリムとペローが混ざってます(大汗) やっぱり、乱馬くんとあかねちゃん以外に名前もなく・・・接触もなく・・・ 魔法使いのイメージがかすみおねーちゃんみたいってことだけ、一応補足で(汗) 次回20000hitなんかしちゃったら・・・また書くのかな、この手の物を・・・ 嫌がられなければよいが・・・ 最後に感謝。 10000hit!ありがとうございました♪ ひょう