銀色の馬





 遠い昔。ひとりの騎士がいた。
彼は、勇敢で強く、若くして、方々で催される武術の試合では必ず優勝するほど、
武術に長けていて、だけどそれを鼻にかけることもなく、
それどころか、優しい性格で、周りの人たちから慕われていた。
なんの非もなかった。ただ、家が貧しいことを除いては・・・。

 武術の試合に赴くのも、腕試ししたい他に、そこで勝つともらえる賞金のためでもあった。
そうして稼いだ賞金で、暮らしをたてていた。

「乱馬。」
「今日も抜け出してきたのか?」
「えへへ。」

 そんな彼にも、他人に自慢できることが、ふたつあり、
ひとつは、近くの領主の娘であるあかねと、いい仲であること。
ただ、あかねの親・・・といっても、実の親ではないのだが、
領主はお金持ちにも関わらず、もっともっとお金持ちになりたいと思うほど、
ひどいけちで、そんな領主が、乱馬とあかねの仲を許すはずがなく、
そんなふたりの仲は当然秘密だった。
いつもこっそりとあかねは家を抜け出し、
乱馬は森の中にある家から誰も知らない小道を抜け、
ちょうど両家の中ほどにある原っぱで会っていた。

「こんな窮屈な思いするくらいなら、貧しいままでもよかったね。」
「だったら、帰ってくるか?」
「・・・ううん。冗談よ。言ってみただけ。」

 乱馬とあかねは幼馴染で、少し前まであかねは乱馬の隣の家に住んでいた。
あかねの家も乱馬と同じように貧しく、日々の生活に困るほど。
そんな時、近くに住む領主があかねを養女に迎えたいと申し出た。
あかねの父親は猛反対したが、あかねは家族のこと、生活のことを考え、
その申し出を受けたのだった。

「おれ、もうちょっと頑張るから。」
「え?」
「・・・・・・。」
「無理はしないでね?」
「ああ。」

 もう少し生活が豊かになったら、そうしたら領主にちゃんと、
あかねとのことを頼みにいこうと、そう乱馬はこころに決めていた。


 そして、もうひとつの自慢は、銀色の毛を持つ馬を持っていること。
乱馬の家に代々伝わっているその馬は体中が銀色に輝いていて、
見る人すべてが目を見張らずにはいられないほど美しく、
どんな馬と競争しても必ず勝つほど足が速かった。
世界中の金持ちや騎士たちがその馬をほしがるほどにうわさは広がっていた。
しかし乱馬はどんなにお金を積まれても決して他人に譲ろうとはせず、
大切に飼い、馬も乱馬の言うことがわかるかのようによくなついていた。

「そんじゃ、また明日な。」
「うん、またね。同じ時間にここで。絶対よ。」
「ああ。」

 乱馬は馬に乗り、いつもの小道を通って家へ帰っていった。



 あかねが家へと戻ると養父である領主が顔を真っ赤にしてひどく怒っている様子。

「お義父さま、どうかなさったのですか?」
「どうもこうもあるか。お前はなぜ、あのような貧乏人と仲良くしておるのだ?」

 どうやら誰かがふたりで会っていることを領主につげ口したらしい。

「え? 乱馬のことですか? 乱馬はわたしとは幼馴染で。」
「お前はもう、昔のお前ではないのだ。お前の父はこの私だ。今後一切、あの男には近づいてはならん!」
「そんな。」
「お前にはもっとふさわしい、お金持ちの男を用意してやる。」
「わたしは。」
「口答えは許さぬ。」
「・・・・・・はい、お義父さま。」

 そう答えたあかねだったが、翌日もこっそりと家を抜け出し、乱馬と会った。

「・・・どうしたんだ? その格好?」
「え?」
「髪の毛に葉っぱは絡まってるし・・・ドレスの裾は泥だらけだし。」
「ううん、なんでもないの。」
「・・・おめー、領主になんか言われたんだろ?」

 乱馬はあかねの髪に絡まる木の葉を取りながら聞いた。

「えっ・・・どうしてそれを?」
「ああ、昨日な、おめーんとこから使いが来て、あかねに手出すなって。」
「そんな。」
「もちろん、追い返したけど・・・ここ来て大丈夫か?」
「う・・うん。」
「・・・もう、会えねぇかもな。」
「・・・乱馬。」

 あかねは乱馬の胸にしがみつく。

「こうしてるときだけなの。わたしがわたしでいられるのは。
 あの家はとっても窮屈で・・・お義父さまはわたしよりもお金が大切なの。」
「あかね・・・。」
「とても大事にしてくれてるのはわかってる。でも。」
「おめーにその気があるんなら、おじさんに言って、連れ戻したっていいんだぜ?」
「お父さんには言わないで。余計な心配かけたくないの。うまくやってるって言ってくれればいいから。」
「・・・・・・。」
「ごめんね、乱馬。なんか、愚痴っぽくなっちゃって。食べさせてもらってるのに、贅沢よね。」
「・・・・・・。」
「ね、ちょっとだけ、馬に乗せてもらってもいい?」
「え、ああ。」
「それじゃあ、あの丘まで連れていってくれる?」
「喜んで。」

 乱馬はあかねの手をとると、馬に乗り、走りだした。


 そのまま、乱馬はあかねを連れ、丘に登ったところで引き返し、領主の元へ行く決心をした。


「おれは、金は持たねぇ。それでも一応貴族の出だ。腕っぷしには自信あるし。
 今までいろんなとこで戦ったが、負けたことはねぇんだ。
 だから、一生あかねを守っていける自信はある。
 おれとあかねの結婚、許してはもらえねぇか?」

 突然のことに領主もあかねもぽかんと口をあけた。
が、我に返った領主は大笑いしだす。

「なにを言い出すのかと思えば、娘と結婚したいだと?
 突然現れたと思えば笑わせるな。」
「おれは別に笑い話をしに来たんじゃねぇ。」
「銀色の馬を買ってくれとでも言うのならば考えてやってもいいが。
 悪いが私は忙しいのだ。貧乏人の相手をしている暇はない。」
「お、おい。」
「帰ってくれ、そして二度と来るな。」

 領主はばたんっと力任せに扉を閉めその場を出て行ってしまった。

「・・・駄目だったか。」
「乱馬。」
「・・・悪かったな、力になれずで。」
「ううん・・・嬉しい。」

 あかねは乱馬に抱きつき、そして、こっそり唇を重ねた。



 夕食時になり、あかねが食卓につくと、さっきのことを思い返しているのか、
領主はまだ怒っていた。

「どういうことだ? あれほどあの男と会うなと言ったのに。」
「ごめんなさい、お義父さま。」
「お前は私の言うことを守れぬというのか?」
「お義父さま、どうかお許しください。わたしも乱馬のこと、好きなのです。
 乱馬と結婚したいと思っているのです。」
「ああ、なんということだ。お前は私を裏切るのか?
 何のため、お前を養女として迎えたと思っておるのだ?
 お前はこの国で一番美しい娘。
 お前の美しさをもってすれば、どんな男とでも結婚することができるだろう。
 だからこそ、私はお前を娘にしたのだ。この国一番の金持ちと結婚させるためにな。
 お前のために全財産を投げ打つ男と結婚させるためにな。」
「そんな・・・。」
「そのために、お前の家族には裕福な暮らしをさせてやっておるのだ。
 それを無駄にさせるのか?」
「・・・・・・。」
「もしお前が出て行くと言うのなら、今までお前の家族に施した金すべて、返してもらう。
 それでもいいのなら、出ていくがいい。お前のせいで家族が再び路頭に迷うのだ。
 親不孝な娘になるのだ。」
「わかりました。お義父さま。すべてはお義父さまのいいように。」
「それでよい。」
「・・・・・・。」
「よいな? 二度とあの男に会ってはならぬ。お前はもうじき、この国一番の金持ちと結婚するのだ。
 不穏なうわさなどたっては困る。」
「結婚?」
「そうだ。もう少ししたら、ここにやってくるだろう。」
「・・・・・・。」

 それからしばらくして、あかねの結婚相手だと言う男が領主の元へやって来た。
その男というのは、頭の真っ白な年寄り。しかし、この国一番の金持ちだった。

「はじめまして、あかねちゃんだね?」
「・・・・・・。」
「すみませんね、娘はどうやら疲れておるようで。ささ、お前はもう部屋へ戻りなさい。」
「・・・・・・。」

 あかねはショックで声も出ず、のろのろと立ち上がると部屋を出て、扉に耳をあてた。

「うわさには聞いとったが、これほど美しい娘さんとは。」
「そうでしょう? 自慢の娘なんですよ。」
「あんなに若く美しい娘さんが妻になってくれるのなら、これまで貯めてきた全財産、
 あんたにお渡ししてもおつりがくるというもの。」
「そう言っていただけると、これまで育ててきた甲斐があるというものです。
 それでは、この話、進めさせてもらいますね。」

 そこまで話を聞くとあかねは急いで部屋に戻り、ベッドに顔を埋めて声を殺して泣いた。



 乱馬がこのことを知ったのは、二日後。近くで開催された武道の大会から帰ってきたところだった。

「え? 領主が馬を? どうして?」

 領主のところの使いが乱馬の持つ銀色の馬を貸してほしいと言ってきた。

「はい、実は・・・明日、あかねさまの結婚式でして。」
「け、結婚式?」
「はい。それで、あかねさまを銀色の馬に乗せて、教会へお連れしたいと。」
「あかねが結婚・・・そうか。」
「領主さまが花嫁を一番いい馬に乗せたいと、そう言うのです。
 乱馬さまがあかねさまのことを慕っておられること、
 また、あかねさまもそうであることを私は以前からよく知っております。
 しかし、今更どうすることもできません。
 招待状はすでに出され、宴の準備も整っておいでです。
 本来なら、このような図々しい頼みごとできぬことよくわかっておるのですが。」
「いや、おまえが気にすることはない。それよりも、あかねの相手というのはどんな男なんだ?」
「この国一番のお金持ちではあるのですが、ご老人なのです。」
「え・・・なんだって・・・あの領主・・・どこまであかねを苦しめれば気が済むんだ。」
「あかねさまを養女に迎えたのも、こういうときの為だったのでしょう。」
「おじさん、ショックで倒れなきゃいいけど。」
「それが、話を聞いた途端、床に伏せられたようです。」
「だろうな。誰が聞いたって・・・。」

 乱馬はあかねのことを想うと、切なくて胸が痛んだ。
あからさまに金のため利用されるあかね。
そんなつもりで養女になったわけでもないだろう。
おじさんもそんなつもりで養女にやったわけじゃない。

「わかった。馬を貸そう。今日中にはあかねのところへ連れていくから。」
「あ、ありがとうございます。」

 使いが帰って行った後、馬小屋へ行き、銀色の馬を撫でながら考える。

 やっぱり・・・連れ出して逃げるってわけにはいかねぇだろうな。
そうなったら、おじさんたちに迷惑かかるし・・・第一あかねを食わせていけるかどうか。
多少の蓄えはあるけど、今みたいな生活をさせることは出来ない。

 第一にあかねはどう考えているんだろうか?
もし、あかねがおれのこと選んでくれて、貧しくても構わないと言ってくれるのなら、
おれは喜んであかねの手をとろう。



「ら、乱馬くん・・・。」
「え?」

 あかねの元へ行こうと思い、馬に跨ったところに、あかねの父親がよろよろしながらやってきた。

「おじさん、大丈夫なのか?」
「ああ・・・私のことよりも、あかねを。」
「大変なことになったな。」
「連れてどこか遠くへ逃げてくれ。」
「は? な、なに言い出すんだ、突然。」
「昔っから、あかねは乱馬くんにと決めていたんだ。乱馬くんの隣にいてほしいんだよ。」
「おじさん・・・。」
「この家のことなら心配しなくていいと、そうあかねに伝えてくれ。
 あかねが幸せになってくれれば、それでいいんだ。」
「わかった。ちゃんと伝える。」
「頼んだぞ、乱馬くん。」
「ああ。」

 おじさんの決心を無駄にはできない。
逸る胸に任せて、馬を走らせた。





「あかね。」
「乱馬。」

 たずねたとき、あかねの瞳は潤んでいた。どうやらひどく泣いたらしい。

「おめーを連れてく。」
「え。」
「おじさんが許してくれた。」
「お父さんが・・・。」
「家のことは心配すんなって、伝言だ。」
「・・・・・・。」
「準備で慌しい今の隙になら逃げられるはずだ。」
「乱馬。」
「さ、早く。」

 差し出す手をあかねは掴もうとしない。

「ん? どうした?」
「わたし、行けない。」
「え。」
「行けないの・・・。」

 どうして? そんなになるまで、泣くほど嫌じゃなかったのか?

「おれとじゃ嫌か?」
「ううん。違う。」

 あかねは大きく首を振る。

「だったら、なんだ? おじさんのことか?」
「・・・・・・。」
「あかねが幸せになることを願ってるんだ。そんなおじさんの想いを無駄にすんのか?」
「そうじゃないの。」
「だったらなんだ?」
「・・・・・・。」

 あかねは俯いてしまった。

「・・・そうか。なんだかんだいっても、貧乏には戻りたくないってことか。」
「・・・・・・。」
「おれ、確かにこんな馬鹿みたいな金持ちじゃねぇ・・・けど、
 あかねとなら頑張れるかなって思ってた。」
「乱馬。」
「けど、それはあかねがいいって言ったらの話だ。
 おれはあかねの気持ちを無視するわけにはいかねぇ。
 おめーの生きる道だ。自分で選べばいい。」
「・・・ごめんなさい。」
「・・・・・・。」

 結局つながれることのなかった手を引っ込める。

「馬、置いてくから。」
「え。」
「領主に頼まれたんだ。あかねを一番いい馬に乗せたいから、貸してくれって。」
「そう。」
「・・・それじゃ、さよならだ。」
「乱馬。」

 あかねは身体を寄せてきたが、すっと身を引く。

「元気でな。」

 後ろを振り返ることなく、乱馬はその場を後にした。

 本当はわかってた。あかねが本心で言っていないことを。
それでも、おれにはどうすることも出来ないから、あかねを突き放した。

 歩きながら、涙で頬が濡れていくのを感じても、それを拭うことすら出来ない。
己の無力さを感じ、全身の力は入らなかった。
それでもどうにかこうにか家にたどりつきはしたものの、なにもする気になどならず、
そのまま、眠れないだろうとわかってはいたが、ベッドに倒れこんだ。






 その頃、領主の屋敷では結婚式を明日に控え、多くの客が集まってきていた。
婿が老人なのだから、お祝いに集まる客人も老人であったため、
開かれた前祝の宴会が終わった頃には、皆くたくたに疲れ果ててしまった。
けれども、結婚式を行う教会までは遠いので、夜明け前に叩き起こされ、
皆ぶつくさ文句を言いながらも用意をし、おのおのがそれぞれの馬に乗る。
領主と婿である老人が先頭にたち、そのあとに客たちが続いた。
あかねは宴会の間中、一度も部屋を出なかったが、
とうとう連れ出され、仕方なく、乱馬の貸してくれた銀色の馬に乗ると、一番後ろにつく。

 乱馬の手を握ればよかったと、後悔したけど、それも今更。
自分で決めたことなのだからと、覚悟を決めた。
それでも、涙で視界はぼやけた。

 領主の屋敷を出て、教会へ行く森の道は細くて狭く、並んで行くことは困難で、
ずらずらと長い行列を作り、その道をたどっていく。
森の中を随分進んできた辺りで、ほとんどの客は馬に揺られ居眠りをしていた。
その時だった。
あかねが乗っていた銀色の馬だけが、更に細い脇道にそれ、走りだした。
そこはいつも乱馬が通っていた道だった。

「え?」

 今まで静々と歩いていたのに突然走り出した馬にあかねは戸惑う。

「ちょ、ちょっとどこに? 戻って、ねぇ?」

 乱馬と違い、馬の扱いに慣れていないため、どうすることもできない。
その上、どんどん速度は増していく。

 ・・・もしかして乱馬のところに行ってくれるのかもしれない。
だとしたら・・・わたしは乱馬と一緒に暮らしたい。
お父さんには申し訳ないけど、これ以上、想いを偽ることはできない。

 振り落とされないように、しっかりとしがみついた。



 夜明けと同時に、銀色の馬は乱馬の家の前にたどり着き、一声大きくいなないた。

「この声は・・・。」

 今頃はあかねを乗せて教会へ向かっているはずなのにどうして?

 横になっていた乱馬は不思議に思い、ベッドから降り、外に出た。
するとそこには、銀色の馬とその馬に必死にしがみついているあかねの姿があった。

「あかね? どうしてここに?」
「・・・乱馬。やっぱり、乱馬のところに来れたのね。」

 あかねはゆっくりと馬を降りる。

「今日、結婚式じゃなかったのか?」
「・・・この子が、途中でわたしをここに。」
「え。」

 乱馬が銀色の馬を見ると、誇らしげな瞳でふたりを見つめていた。

「・・・昨日は悪かったな。わざとあんなこと言って。」
「ううん、乱馬の気持ち、わかってたから。」
「そうか。」
「うん。」

 乱馬はあかねを抱き寄せる。

「ああ、こんなに汚れて・・・裾はぼろぼろじゃねぇか。」
「え・・・あ、本当だ。」
「怪我はしてないか?」
「うん。大丈夫。」
「・・・そういや、誰も気づいてねぇのか? おめーがいなくなったこと。」
「うん。でも、そろそろ皆教会にたどり着く頃だから・・・。」
「だったら、すぐにでも・・・。」

「それなら、準備は整ってるよ、乱馬くん。」
「え?」

 声のする方を見ると、あかねの父がいた。

「お父さん。」
「馬のいななきがしたものだから、様子を見に来たら、
 あかねが乱馬くんと一緒にいるのが見えたもんだから。」
「このふたりが、結婚するのですか?」

 牧師の姿がそこにあった。

「ええ、そうです。さあ、早いところ、邪魔の入る前に済ませてください。」
「わかりました。それでは・・・。」



 その頃、ようやくあかねがいないことに気がついた領主たちの一行。
当然、大騒ぎになっていた。

「これはどうしたというのだ。」
「それが、一番後ろにいたはずの花嫁がいなくなっていたのです。」
「一緒に出発してきたはずなのですが。」
「もしかすると、あの銀色の馬が花嫁を乗せたまま持ち主の元へ帰ったのではないでしょうか?」
「おお、そうだ。そうに違いない。急いで、持ち主のいる森へ向かうのだ。」

 一同は急いで、乱馬の家のある森へと引き返す。
ようやく着いたときには、ふたりが牧師の前で誓いのくちづけを交わしたところだった。

 領主は真っ青になり、へたへたとその場に座り込む。
これでは、どう騒ぎたてても、事態を変えることはできない。
神に誓いをたててしまったのだから。

「結婚、おめでとう。」

 と、しぶしぶ言うしかなく、それを受け、
乱馬とあかねは手を取り合い、皆に向かって深々とお辞儀をして返した。









                       =おしまい=






呟 事

ええ、またですか?  すみません・・・またです。
ようは気持ち。
私の気持ち。
いいとか悪いとかそんなん関係ないです。
ただの気持ちの動きですから。

そんな感じで、この話。元があるやらないやら。意外と忠実・・・いやどうだろう。
元はこれまたフランスのおとぎばなしから。
知ってる方はいらっしゃるのかどうなのか(知ってらしたらそれはそれで)。
銀色の馬 というタイトルで、大体書いたような、こんな感じの物語です。
ストーリー的にはわかりやすい・・・ありがちな感じではなかろうかと思います。
記念として成り立つもんなのでしょうか、どうなんでしょうねってやっぱり思いつつ。
                           ひょう でした。

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