奉仕の理想探求語録    第 12号

            長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会

        

職業奉仕の神髄              (別府中央  鳴海淳郎)

 

ロータリーでは、会員の減少が目立ち、しきりに増強が唱えられていますが、その原因は

もとをただせばロータリーの信用が失われつつあるということです。

一方、この厳しい不況に直面して経営不振、あるいはリストラ、あるいは後継者がいなく

自主廃業を理由に退会する例も増えて来ているようです。

しかし、ロータリーは極めて不安定な社会、金融情勢の中で生まれたもので、現在のような

厳しい時世にこそ“ロータリーを感じるとき”であります。

「最もよく奉仕するもの、最も多く報われる」

このロータリーの標語の源となった、アーサー・F・シェルドンの発想は、1908年の

ある晩のこととされていますが、当時のシカゴは商道徳の地に落ちた暗黒の時代でした。

「4つのテスト」はハーバート・テーラーが考え出したことは広く知られています。

これは1930年代のことで、打ち続く大恐慌で多くの人々が職を失い、至る所で

会社は破産に瀕し、銀行でさえも安全でなかったという非常に困難な時代でした。

ハーバート・テーラーが素晴らしい年俸の会社を捨てて、倒産寸前のアルミニューム製品会社に

転職、そこで「4つのテスト」を作り、これを忠実に実行することにより、40万ドルの借金を

5年間で返済して、さらには100万ドル以上の株式配当を支払うことが出来るようになったと

いいます。

また、アメリカ一の靴屋になったジョン・ハンネーもその2針3針の奉仕によって、

お客を自分の店に引き寄せることが出来るようになるまで5,6年かかり、隣の店に倍する

大きさになるまで10数年を要しました。そしてアメリカ一の靴屋になったといわれています。

このように、ロータリーの奉仕はすぐには実を結ばず、着実な一歩一歩の積み重ねによるもの

で、日頃から自分の仕事にロータリーの心を打ち込んで励んでいれば、そこから得られる

充実感、安定感が地域社会の信用につながり、不況にも慌てることがないのです。

これが職業奉仕の神髄なのです。