奉仕の理想探求語録 第33号
長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会
本田静六博士の偉業
(友2001−10号 岩槻東 金井要介)
ことし5月連休最後の日曜日に、家内と二人で埼玉県菖蒲町を訪ねました。
ご存知の方も多いと思いますが、我が国初の林学博士本多静六先生生誕の地です。
菖蒲町生涯学習文化センターには、その偉業を偲ぶため本多静六記念堂が設けられて
います。
博士の業績を示す多くの資料の中に、明治神宮が創建された折りに身に付けられた
烏帽子と木靴、それに愛用のシルクハットなども展示されています。また数々の
展示品のなかには「成功の秘訣12カ条」なる文がございました。
その内容はロータリーの社会奉仕、職業奉仕そのものなので、ここに紹介させて
いただきます。
それは、「すでに適当な学問を修め、良友を得た上は、それぞれ職業において
独立成功の域に進まなければならない。次の12カ条は私がこれまで実行して
きたところである。」という前文のあとに、次のように書かれておりました。
本多博士はドイツに留学後、母校の東京農科大学の助教授に迎えられています。
34歳で日比谷公園の設計、明治神宮外苑を手がけました。
日比谷公園では「首かけの銀杏」という逸話が残っています。その銀杏は当時、
日比谷見付にあったもので移植は不可能といわれていましたが、博士は「首にかけても
移植してみせる」とそれを実現させたそうです。
明治神宮外苑の建設にあたっても鎮守の森の思想を現代に存分に生かし、
神宮の森が出来たわけです。
また博士は「4分の1天引き貯金」で財を成し、後年埼玉県の育英資金として寄贈し、
現在にいたるも、多くの学生がその恩恵に浴しています。