奉仕の理想探求語録 第 4号
長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会
あなたの心に触れたのは誰ですか
?(2000年国際協議会講演集より リチャード D キング)
私は、
私は今でも、その一人が私のオフィスに座って私をロータリーの例会に招待した様子が
目に浮かびます。この人は、地区ガバナーとなり、彼を知る全ての人々から大変愛され、
尊敬されました。彼は、私の人生を変えました。
私の心に触れました。この人が私をロータリーに入れたのです。
それからほんの
GSE
チームのリーダーとしてここに来て、シャワーや水、べッド、便座にもしばしば事欠きながら、
3、4週間旅行していました。私は非常に疲れていました。ただ風呂に入って、一晩ぐっすり眠ることだけを欲していました。
ロータリー・クラブは真夜中頃に会を終え、クラブの会長が私にこう言いました。
「リックさん、今晩あなたのためにすばらしく名誉なことを用意しましたよ。
あなたは、
94歳のヒンズー教徒と一晩過ごすんです。」ああ、これで風呂も水道も便座もない、と思いましたが、すごく疲れていたので、少なくともいくらか睡眠がとれる、と考えました。
深夜の
12時半、私のホストは私を自分の居間に連れてゆき、床の真ん中に腰を下ろしました。ジャーナリストでもありました。伝説的な自国の歴史に関わった
20世紀の大物たちについて、また新しいインドの民主主義について、ヒンズー教とその寛容の哲学について、永遠のもの、
すなわち、希望、愛、友情、知恵、彼の夢、将来の抱負について語りました。
夜のふけるのもかまわず、語り続けました。
人生について、自由について、ロータリーについて、平和について、人間の魂の最も深い感情に
ついて。最後に彼は腰を上げ、居間の隅にあるヒンズー教の小さな祭壇の所に行きました。
小さな色槌せた紙切れを取ると、もどってきて、私の前に立ちました。
「リックさん、この詩は、私の人生と私の国についての私の夢を反映するものです。」
94
歳ですよ!「これは、あなたの国、米国の偉大な詩人、ロバート・フロストが、ジョン・ケネディー大統領
就任式で詠んだものです。」
老人は読み始めました。私は腕時計を見ました。朝
5時でしたが、もう疲れは感じませんでした。私の魂が刷新されたのです。そして、私は、この小さな白髪の老人を引き寄せ、私の胸に
抱きしめずにはおられませんでした。心の底から、私はこの老人に愛情を感じました。
彼の人生が私の人生に交わるという奇跡、私にあのような大きな賜物を与えた奇跡とは
何だったのでしょう。この奇跡はロータリーでした。彼はロータリアンであり、幸運にも、
私もそうでした。一人目は私をロータリーに入れ、二人目は、ロータリーを私に入れました。
この二人の人物は私の心に触れたのです。