奉仕の理想探求語録 第44号
長崎東ロータリークラブ 雑誌委員会
受け継がれ感動を与えるプロジェクトがクラブを救う
(ロータリアン誌11月号より アラン・フラムキン)
これは、私たちの組織を去ることを決めた3人のよきロータリアンの物語です。
“オスカー”は35年に渉り小規模のロータリークラブの会員でしたが、
「ロータリーはかってのようではなくなった」という結論に至り、退会する事を決断
しました。
そのとき、新クラブ会長から電話があり、自分の年度にどんな役割を担いたいか、
と打診されたのでした。
彼は彼女に退会の申し出を告げるかわりに、高校生への指導プログラムをクラブで
始めることを提案しました。4年後、クラブのすべてのロータリアンが高校生の指導者に
なり、クラブも倍以上の規模になりました。
ロータリアン歴4年の“フィル”はロータリーは退屈だ、という結論を下しました。
しかし新クラブ会長には一つのアイディアがありました。
会長はそれぞれの会員が感謝祭の週末の4日間にホームレスの人をホストするように望んで
いたのです。“フィル”は参加することを決め、そして感謝祭の木曜日に彼の
「週末のゲスト」を地元の高校に喜んで迎えに行きました。
“フィル”は現在もロータリーに残っています。そして彼のクラブもこの年次プログラムが
始まってから3年の間に発展して行きました。“フィル”にとってロータリーは生き生きした
場所となりました。
“アイリーン”はロータリアンになってわずか2ヶ月で、彼女の親友でもあるクラブ会長に
退会を申し出ました。理由は彼女が大きな投資取引に忙しくなり、例会に出席する余裕が
なくなった、ということでした。例会は彼女の興味をよぶものではなかったのです。
クラブ会長は彼女の言い分に理解を示したうえで、最後の希望を“アイリーン”に伝えました。
クラブはロロータリアンが2人1組になり、養護施設にいる孤独な住人と「養子縁組」する
プロジェクトを始めており、その日このクラブ会長は住人のマーサという名前の女性と
会うことになっていて、同伴する人を捜していたのです。
“アイリーン”は誘いに応じ、そして会長と一緒に会ったマーサおばさんとすぐに意気投合
したのです。“アイリーン”は毎週マーサのもとに通うようになり、そのうちそれが毎日に
なっていったのです。
2年後マーサおばさんがこの世を去ったときには、クラブの全ロータリアンが彼女の葬儀に
出向きました。勿論“アイリーン”は現在でもロータリアンで、クラブの規模は過去4年間で
ほぼ3倍になりました。
会員達は、知的障害のある子供達に本を読んでやったり、月に一度困窮者のために食事提供所で
働いたり、地域が必要としていることを新たに見つけてそれに対応したりする事を求めている
のです。
彼らは手を携えて協力しあいながら人々の暮らしに影響を与えることが出来たとき、
はじめて、例会を楽しめるようになるのです。