「城山憲法九条の会」結成二周年のつどい        
     
   2007年1月27日  カトリック城山教会(長崎市若草町)

      戦争放棄の9条はすごい
    高見大司教 結成2周年のつどいで講演 150人

 城山憲法九条の会は「結成二周年のつどい」を1月27日カトリック城山教会(若草町)で開き、高見三明・カトリック長崎大司教(県九条の会呼びかけ人)が「平和について」と題して講演しました。
 城山地域のカトリック信者や被爆者など、約150人が参加し、憲法九条と平和への思いを一つにしました。
 世話人広瀬方人さんが開会のあいさつをおこない、高見大司教は胎内被爆者でもあると紹介しました。
 高見大司教は講演の初めに、3月にアメリカの平和団体の招きで、アメリカの民主党議員と対話し、「9条を守りたい」と訴えてほしいと言われていることを紹介。「平和は関心を持っていなければ簡単に崩れてしまう」、「戦争を起こすのは人間だ。だから戦争を起こさない事が出来るのも人間、平和をつくるのも人間だ」、「聖職者は直接政治活動はしてはならない。しかし、政治的なことについて何か必要なことについて発言する自由はある。何故なら聖職者といえども、人間としてこの世に生活しています」と語りました。憲法前文を読み上げ「九条の戦争放棄はすごいこと。決して武器をもつべきではない」、これまで軍備で国民も平和も守れなかったことや、軍隊のないコスタリカのことも紹介し、憲法九条を守ることの大切さを強調しました。
 質疑討論で、大司教の講演に共感する意見や「11時2分に鐘を鳴らす運動をしたらどうか」の提案など、積極的な発言が相次ぎました。
 閉会のあいさつで同教会のマイケル・ヒルデン神父は、「日本国民の平和の思いを伝えてほしい」と高見大司教の渡米への期待を述べました。講演に先だって聖歌隊による「あなたの平和の」「命こそ宝」の合唱、最後に「ふるさと」を参加者全員で合唱しました。
 「九条の会」への新たな20人の賛同署名と賛同募金4万円余が寄せられました。
 マスコミも多く取材にきて、写真をつけた報道など、5紙が取り上げました。

     講演する高見三明長崎大司教



     城山教会での講演会



    城山憲法九条の会の活動の写真展示
 高見大司教の講演を聞いて
67才の男性
 私は血の気が多いので、北朝鮮が原爆の実験をやったと聞いて、日本もこれに備えて武装しなければならないと思っていた。しかし、大司教様の話を聞いて、キリスト者の生き方は、どんな相手であっても、あくまで相手の立場を大事にして、平和的に国際紛争を解決しなければならないと思った。
69才女性
 メディアのいうことを鵜呑みにしてはいけないことを教えられた。「あるある大事典」で「納豆」にはやせる効果があると宣伝されたがウソだった。メディアの宣伝に乗せられないように自分の頭でよく判断しなければならないということを教えられました。
75才の男性
 大司教様の話は具体的で分かりやすかった。1機100億円のジェット機をアメリかから買ったり、1隻600億円のイージス艦を4隻も持ったりして、国の防衛費にお金を使っているが、どんなに軍備を増強しても戦争になれば必ず国民の命が失われる。軍事では国民の命は守ることはできない。一方、軍事費にお金がいるので老人医療費などは値上げされている。心に平和の砦をつくって、紛争を話し合いで解決しなければならないことを教えられました。
70才の男性
 人間は心と肉体を持っている。聖職者は心の問題を扱えばいいと言うだけではすまない。戦争になれば必ず人が死ぬ。国民の命が失われると言う事態はどうしてもさけなければならないと大司教はおっしゃった。そして「過去の沖縄戦を見ても、国は国民の命を守らなかった。そればかりか。壕の中にいることを米兵に知られないようにするために、泣いている赤ん坊を親に殺させたり、自分たちが壕に避難するために沖縄県民たちを壕から追い出した事実がある。平和が脅かされるときには私たちが自分で平和を守らなければならない」と教えられた。