やばい長崎弁

「あまるな!」と同じく今はめったに聞くことがなくなった長崎弁がある。
「叫ぶ」とか「わめく」という意味の長崎弁で「おめく」という。
「そんなにわめくな!」
 ⇒ 「そんがんおめくな!」 または、「そがんおめきなさんな!」
このような場合は、まだなんともないのだが、例えば、
「あの夕日に向かってみんなで叫ぼう!」
というのを、長崎では
 ⇒ 「あの夕日に向かってみんなでおめこうや!」
だんだんわかってきましたか?

「大声で叫べ!
⇒「大声でおめけ!」
「叫ぼう!」
⇒「おめこー!」
ね、やばいでしょ!でもみんな、平気な顔で言ってるんですよ。

皿うどんにはソース

長崎の人に、「皿うどんに何をかけて食べるか?」と聞くと、多分9割以上の人が
ソース(ウスターソース)と言う。
ちなみに、わずかながらと言う人もいる。

なぜ、皿うどんにソースなのか?
諸説あるようだが、どれもはっきりしない。
ちゃんぽんと違って、皿うどんには結構砂糖が入っていて甘いので、ソースをかけ
て、ごはんのおかずになるような味にして食べる。

長崎の人は、家に人が集まると、皿うどんを(出前で)取ってもてなす習慣がある。
大皿の4〜5人前の皿うどんを、皆で取り分けて食べるのが長崎流のもてなしとされ
ている。

出前の「ちゃんぽん屋さん」が、出前の皿うどんと一緒に必ず「びん入りソース」を置
いて行くので、何の不思議もなく皿うどんにかけて食る。
ちなみにこのソースのびんは、大体がリポ〇〇ンDのびんなのです。
(ちゃんぽん屋さんは仕事柄結構リポ〇〇ンDを飲まないといけないようだ。)

もうひとつ、「ちゃんぽん屋」とは、町内に必ず1軒はありそうな「ちゃんぽん・皿うど
ん」をメインににした中華食堂のこと。でも「皿うどん屋」とは言わない。

カステラの役割

長崎のお土産で有名なカステラ。地元の人たちは、ほとんど自分で買って食べた
ことがない。
口に入るときは、いただき物のカステラである。

長崎でのカステラは、とても便利がいい贈答品。ビジネスでも、近所付き合いでも
謝罪のとき、ちょっとお願いをというとき、必ずさげていくのはカステラなのです。

見た目地味なこのお菓子を謝罪の時に携えていくと、長崎では、誠意のしるしみた
いな役割をしてくれる。
もらった側も、なぜか「カステラ提げて来たからしょうがない」と許したり、引き受けた
りしてしまう。
これが例えば、いちごのショートケーキだったら・・・。「申し訳ございません!」の言葉
に似つかわしくないのです。
四角四面で飾り気のない地味な色の外観。贈る側の「誠意を見せたい」という意図を
あらわしているのです。

カステラの特徴は、大きさで皆が値段がわかるところ。通常「誠意を示す」ときは2斤
もしくはそれ以上、軽いお願い事やお礼の気持ちは1斤でもいいとなっている。

また、このしきたりは未だに「福〇屋」か「文〇堂」のカステラでないといけないとさ
れているよう

(1斤とか、2斤とかは、カステラのサイズをあらわしています)

刺身醤油って?

長崎の和食の店や割烹・お鮨屋さんではだいたい、醤油びんが三つ置いてある。
一つ目が醤油、二つ目はさしみ醤油、三つ目がポン酢。
ちゃんとみんな使い分けていて、入れ物を見ただけで分からない時はお店の人に
聞いている。陶器の入れ物にシールが貼ってあっても格好悪いから、表示がない
ことに文句をつける人もいない

さて、この「さしみ醤油」なるもの他所では余り馴染みがないらしい。長崎生まれの
長崎育ちの私などは、「さしみ醤油」以外の醤油はほとんど使わない。調理の過程
で「薄口醤油」「濃口醤油」を使うことはあっても、食卓の上では「さしみ醤油」一本。
しかも、私は魚がダメだから刺身は食べない。で、とんかつや目玉焼きなどにかけ
ている。

友人のフジイくんは、関東に在住してたことがあり、友人がやってくると必ず、「さし
み醤油」は大丈夫ですか?と聞いている。関東の人には甘ったるくて、口に合わ
ないらしい。

どうもこの醤油は、山口県あたりを境に西の方だけで使われているらしい。しかも
生産地は九州はもとより新潟あたりで作られているのも多いみたいだ。

卓袱(しっぽく)料理


長崎の料理で有名な卓袱料理。どんな料理?と聞かれても「和・中・洋折衷の長
崎オリジナル料理」と説明するしかない。詳しくは、食べてみてください。
私たち長崎在住の人間も、そう度々食するものではないのですが、結婚式や宴会
で出るので知っているというぐらいです。

この卓袱料理で長崎に来られた方が驚くのは、最初と最後ではないでしょうか?
最初にお吸い物だけが出てきます。このお吸い物を「お鰭(ひれ)」といい、みなさ
んで「お鰭」を食べてから食事(宴会)開始というわけです。
「お鰭」には一碗ごとに鯛の尾が入っていて、「人数分の鯛を使ってもてなします」とい
うことです。(尾ひれは1匹から1枚しかとれませんから。)

最後は、「梅碗」という「しるこ」の碗がでます。
食事の時はともかく、婚礼や宴会を卓袱料理でおこなっても、最後は「しるこ」です。
腹いっぱいビールと日本酒を飲んだ後に、どんなに酔っていても、ごはんとお漬物が出て、
そして「おしるこ」なのです。

ちなみに「卓袱」とは円卓のことです。

ながーい結婚式


久しぶりに結婚式に呼ばれた。それも島原まで。
島原の結婚式は長いと聞いていたので覚悟はしていたが、とにかく激しかった。
島原では、結婚式に限らず宴会では、帰りに料理を詰めて持って還るのが慣わし
らしい。だから宴会の料理は必ず残るぐらいの量が出るそうだ。

今回の結婚式でもお開きになると持ち帰り用の器がでてきて、皆一心に料理を詰
めていた。
私も後れをとらず・・・。私の場合は、ずっとお酒を飲まされつづけ、飲んでいるか写
真をとっているかのどちらかで、箸を持っていたのは、最初の15分だけだった。
私に限らず島原の人たちは、宴会場ではとにかく飲んで、食べ物は帰ってから、
のようだ。