☆鹿児島視察☆
期間 : 1997年9月13日(土)〜14日(日)
参加者 : ヤマグチ夫妻・まつもと夫妻
成果 : 鹿児島はけっこう近い、と把握。
9月12日(金)の夜。ヤマグチ家に電話が入った。
「はぁい。ヤマグチです。」→ ヤマグチ妻はいつ電話しても眠そうな声を出す。
「あ、まつもと。おるね?」
ヤマグチ夫登場。
「ヤマグチさん、明日鹿児島行くけどどうする?おい達は一泊するよ。」
「おぉ、よかなぁ。ばってんが明後日は仕事さ。」
「じゃやめとくね?」
「ところが明日は暇かっさ。」
「じゃ行くね?」
「ん〜。ひでとに相談すっけん、ちょっと待っとかんね。」
〜しばらくして〜
「どがんすっと?」
「行く!ひでとはフォークリフトの講習のあるとかゆーとったけん来れんげな。」
というわけで、ヤマグチ夫妻とまつもと夫妻あわせて4人で出発することとなった。「おい達今から帰らんばけん、わい達長崎まで送っていけ。」と言いだしゃしないだろーなーとちょっとだけ不安を感じつつ眠りに就くまつもと夫であった。
9月13日(土)
約束の時間に30分遅れて目覚めたまつもと夫妻。しかしまつもと少しも慌てず、おもむろに歯を磨くのであった。きっちり30分遅れの8時にヤマグチ家到着。全員早起きが苦手なため、会話にいまいちキレがない。しかし、徐々に盛りあがってくるのであった。
「ヤマグチさん、ルートはどうする?高速カッ飛ばすね?」
「んにゃ。フェリーば使おうで。口之津から天草の鬼池、で、天草縦断して牛深からフェリー乗り継いで鹿児島の蔵之元に着く。そいで、国道走れば着く。だいたいがほら(地図を見せて指さす)こっちが近かろーが。」
一同「おお、確かに!」
「そやろが、100万倍近かぞ。当社比やけどな。」
というわけで、フェリーを乗り継ぐことになったのである。
というわけで、フェリーを乗り継ぐことになったのであったのであるが、天草は思いのほか広かったのだ。縦断するのに結構時間がかかった。牛深のフェリー乗り場にミニミニ水族館みたいなのがあったので遊んだりしていた。私は回遊している鯛にあやうく小指をかじられるところだった。「ちくしょう、おれがちょっと注文すればおまえなんかすぐ活き造りなんだぞ。」と凄んでみせても水の中の奴には通じないのだった。
そうこうするうちに30分。鹿児島は蔵の元着。どこぞの道の駅で写真など撮ったりした。地元の漁師沖田豊蔵さん(64)が今朝あげた鯖、って感じのえらく活きのよさそうな鯖が売られていた。きっと一本は沖田家の朝食に供されたのであろうと思う。
しばらく走ってラーメンを食った。新宿の桂花ラーメンを思い出させるラーメンだったなぁ。帰りしなにも別の店でラーメン食べたけど、キャベツの千切りがどどんと入ってるのが鹿児島のラーメンの特徴らしい。
ぼちぼち都会になってくる。ヤマグチ夫が本屋に行きたがる。
「本屋のあったら車止めてくれろ」
「なん買うとや?」
「時刻表さ」
「・・・・なに?」
「ひょっとしてあんたら帰りの手段考えとらんやったっや!?」
「だけん時刻表買うて考えるとやっか」
ううむ、ヤマグチセンパイおそるべし。さすがは緑会長崎支部長までのぼりつめたエリートだけのことはある。
〜しばらくして〜
「う〜ん、西鹿児島駅を6時か」などとヤマグチ夫が悩んでいる時電話が鳴った。
「はい、もしもしヤマグチです」
「おぉ今鹿児島さ」 (車内爆笑)
「帰りやろ、そいば今考えよっとさ」 (車内爆笑)
「わいさ、今から鹿児島来んや?」 (車内爆笑)
「だめや。そいやったら鳥栖でどうや?」 (車内爆笑)
電話の相手はひでとである。そういや昔こいつらに鳥栖まで迎えに来てもらったっけな。あの時長崎行きの電車はもうなかったからしょうがなかったんだよな。友達っていいな。などと感慨にふけっていると電話は終わったらしい。
「決定!西鹿児島駅に6時!」
ダンコたる口調で宣言が行われた。しかし、すでに3時である。鹿児島視察は突然慌ただしい旅と化したのであった。
で、鹿児島市街地へ。すでに4時。ヤマグチ夫は駅を見かけるたびに「もうかえろっかな」と言っている。顔は笑ってるようだが、かなり追いつめられているらしい。このまま帰ってはあまりに馬鹿すぎるので、写真ぐらい撮ろうということになった。
鹿児島水族館の脇を抜けて港の方へ。桜島が見える。初めて見る桜島。晴れたり降ったり忙しい天気だったからだろう、雲がかかっている。しかし火山灰が降ってくることを考えれば100万倍マシだ(当社比)。
写真も撮ったし、思い残すことも今は無し。ヤマグチ夫婦との別れが徐々に近づいてくるのだった。しかしよく道知ってるなこの男は。ひょっとしてヤマグチセンパイ既に亡く、ここにいるのはヤマグチさんになりすました地理に詳しい宇宙人?・・・・地理に詳しいのが特徴じゃ怖くないな。などと妄想を膨らませていると、あら不思議、西鹿児島駅が目の前に現れた。誰が言うともなくとりあえず記念写真、という雰囲気になった。
ヤマグチさんはさっき帰りのキップを買いに行った。みどりの窓口から出てきた顔が笑っている。
「長崎までひとり2万かかるげな」さわやかな笑顔だ。
「キップも買うたし、あとは土産かな」ということで衆議は一決し、駅内の土産物屋をうろうろ。いろいろと土産を買い込むヤマグチ夫妻。微笑ましい光景だ。しかし、鳥栖駅での乗換時間が2分しかないということを僕は知ってる。走れるのか?
そして、改札口にて。
「それじゃ。お世話になりました」(ヤマグチ妻)
「いやいや、気をつけて帰って下さい」(まつもと夫)
「今度鹿児島に来る時はもう少し日程に余裕持って来てね。いろ
いろ観光に連れていってあげるから」(まつもと妻)
「うん、またお世話になりに来ます。その時はよろしく」(ヤマグチ夫)
「いつでもどうぞ」(まつもと夫婦)
と、なんだかわけのわからない別れの挨拶は終わり、我々はここから別々の道に進むのであった。
「・・・・結局あの人達は何しにきたんだろうなぁ」
「でも、ちゃんと帰れるとかな?長崎についてさ、駅からどがんして帰るとやろね。11時くらいやろ」
「まー、そん時は長崎におる訳やし、どがんかするやろ」
「そーね」
なんてな話しを駅の駐車場でしていたら電話がかかってきた。
「もしもーし、まつもとです」
「・・・・そのまま歩け。おまえ達は監視されている」
電話の主はすぐにわかった。まったく暇な奴がいたもんだ。駅の2階の窓を見てみると、いた。手を振っている。
「ほんとに暇なんだなぁ」、しみじみしてしまった。