1.ネットワークの便利さ(なぜスタンドアロンではいけない?) 2.どういう構成にするのか? 3.実際の配線 4.ネット設定の壺 5.ネットの運用について 6.インターネットに接続し、Eメールを使える様にするには パソコンの低価格化が進み、企業でも一人1台、ホビーユーザーでも2,3台所有しているという状況は決して少なくないと思います。 現在のPCは一昔前のミニコン並の性能を持つようになり、低価格化なPCを使って分散処理しても何ら問題がありません。 当然、複数台あるのですからネットワークを組める訳ですが、それではなぜネットワークを組むのでしょうか。 また、ネットワークを組むことで何ができるのか考えてみましょう。 今回はパソコン10台以下のWindowsを使った小規模ネットワークを想定して考察したいと思います。 1).ネットワークの便利さ(なぜスタンドアロンではいけないのか?) ネットワークを組む最大の利点は限られた資源の共有化です。 具体的にはプリンタの共有、通信モデムの共有、ハードディスクの共有など各デバイスの共有化です。 これにより1台1台のPCに専用のデバイスを用意する必要がなくなり、全体として設備面でのコストを押さえることが出来る訳です。 (プリンタなど四六時中使っているわけないですよね!) 特にプリンタ出力は切り換え器などを使う必要もなく、自分が使っているPCから直接印刷するイメージでプリント出力出来るので大変便利です。 それではPCが複数台ある環境でなぜ スタンドアロンではいけないのか・・・・ 使っていけないということはないのですが、無駄・ムラが発生し易くなります。 上で述べたように各PCに専用のデバイスをPCの数だけ用意するのは大変無駄なことです。(コスト削減) そして、職場の中や、自分が所有するパソコン間でデータをフロッピーディスクなどのメディアでやりとりするのは結構手間がかかり面倒なものです。 データの数が少なかったり、メディアに収まるうちはまだよいのですが 大量のデータのコピーや、データファイルのサイズが大きくなったりすると、これらをツールを使って圧縮したり、分割したりして処理するしかありません。 当然時間がかかってしまいます。(時間の無駄) そして、一番困るのがデータの重複という問題です。(情報のムラ) スタンドアロンの環境では、複数のマシン間でデータなどのコピーを何度も繰り返すと複数のマシン間で同一データが存在する場合があり、最新データの管理が難しくなります。 これが仕事で使っていると、まちがって古いタイムスタンプのデータでも使ったりしたら、企業としての信用問題にまで発展しかねません。<BR> 特に仕事で使うデータあれば、少々コストがかかってもデータサーバーを設け、一カ所で一元管理すべきです。(勿論、クライアントマシンにはデータを保存しないことが大前提ですが。) 2).どういう構成にするのか? 家庭内で趣味の範囲で使われる場合は ピアーツーピアーのLANで良いでしょう。 しかし、仕事で使う場合は、例え、OSがWindows98(95)だけであってもサーバ用、クライアント用とはっきり使い分けた サーバー、クライアント型のネットワークにするべきです。 これはネットワークに接続されたPCの位置づけをはっきりしておくことで無用なトラブルを避ける為の最低限の手段です。(1.で書いたデータの重複など)できればサーバマシンだけでも安定性のあるWindowsNT4.0 Workstaion (2000Professional、XP Professional) を使った方がいいでしょう。 少し話はそれますが、皆さんはWindows98、98SE(95)とWindowsNT(2000)をそれぞれマルチタスクで動作させた場合、どれくらいの差が出るか御存じでしょうか? 両方使った経験がある方は充分お判りと思いますが、Windows98(95)での マルチタスクは、はっきり言って実用レベルではありません。 試しにWord、Exceそれぞれでデータを読み込んだ状態にし、フロッピーディスクをフォーマットして見てください。 そしてこの状態でWordかExcelの編集作業をしてみて下さい。 スムーズに動作しますか? ビックリするくらいガクガクして動かないでしょう! これがWindowsNT(2000)では何のつかえもなくスムースに処理されます。 勿論、メモリを沢山積んでおくことが前提ですが・・・・ 小規模のネットワークではコストの問題もあり、たくさんのサーバーをたてるわけにはいきません。 どうしても限られたマシンで複数のサービスを実施しなければなりませんから、上に述べているマルチタスクの動作状態が重要になる訳です。 つまり複数のNET(LAN)接続ユーザーからデータファイルの呼び出し・書き込み、印刷要求が同時に発生した場合、Windows98(95)サーバーでは要求に応えられない状態が発生し易く、サーバーとしての運用に不安を残すことになります。 これがサーバマシンにWindowsNT Workstaion(2000 Professional)を使いたい理由の1つです。 そしてもう1つ、重要な項目としてデータのセキュリティの問題があげられます。 これも個人で使っている場合は、まったく問題にならないのですが、多数の人が共有サーバーを使う場合など、見られたくないデータ、アクセスされたくないデータなどがあると思います。 ファイルサーバーにWindows NT(2000)を使うと、データファイルの1つ1つまで権限を設定することができます。(共有フォルダがあるドライブがNTFSでなければいけませんが) データファイルに権限をかけることで、不用意に、または故意にデータを削除されることも防げます。 プライベート用ではまったく問題ありませんが・・・・・ 3).実際の配線 ネットワークに参加するためには、まずハード的にネットに接続しなければいけませんから、 ネットワークカード(NIC) とイーサネットケーブルが必要です。 2台だけならばNICとクロスケーブルで即席のネットワークができあがります。 3台以上であればNICとイーサネットケーブル(ストレートケーブル)そして各パソコンからの信号を中継するネットワークハブが必要になります。 ネットワークカードはなるべくPCIスロットに刺すタイプを選びましょう。 (ISAスロットタイプは割り込み設定などが大変です。) このタイプはかなり低価格で販売されていますので自分の好きなものを選びましょう。 ネットワークカードを取り付けたあと、正しく動作しているかデバイスマネージャーで確認しておきます。(黄色の!マークがついていなければ正常に動作しています。) ![]() 仕様は10BASE-Tあるいは100BASE-Tとなりますが、その差は\1,000程度なので財布に余裕があれば10BASE-T/100BASE-Tを選んでおきましょう。 店頭で販売されているイーサネットケーブルはほとんどがカテゴリー5仕様ですから、特に何も考えることなくストレートケーブルであることと、長さを確かめて購入すると良いでしょう。 ネットワークハブは、 100BASE-T仕様のスイッチングハブ が、かなり低価格(\8,000程度)で販売されていますのでそれを使いましょう。 4).ネット設定の壺 Windowsのネットワークを2,3台の小規模でやるならネットワークプロトコルは設定が簡単なNetBEUIを選びましょう。 ![]() Windows95では、デフォルトではLANカードを増設した時点でTCP/IPとIPX/SPXが組み込まれます。 Macとの接続がなければIPX/SPXは削除しておきましょう。 TCP/IPをそのまま使ってもよいのですが、設定がやや面倒になります。 IPアドレスの割り当て、サブネットマスクの設定と、理解していないと接続がうまくできません。 NetBEUIの場合は"ワークグループ"名を同じにするだけで、お互い通信できるようになりますので簡単です。 ![]() この場合、お互いのマシンに"Microsoftネットワーク共有サービス" をいれておかないと、相手のマシンから自分のマシンが見えませんので注意が必要です。 (NT4.0, 2000は自動的に設定されますので不要です) ![]() プロトコルをNetBEUIだけにした場合、インターネットへ接続できません。 ですから、SOHOなどでネットワークを組む場合、ファイルサーバー・プリントサーバーはNetBEUIのみ、ワークマシンはTCP/IPとの併用とした方が、もし、仮に外部からの不正アクセスがあったとしても、データの安全性はTCP/IPのみ時より高くなります。 もっとも不正アクセスの場合、DDos攻撃などの踏み台されることが多いので、IPルータとファイアーウォールソフトで防御するしかないのですが・・・。 TCP/IPを選んだ場合、このままではIPアドレスが自動割り当てになっていてお互いに通信することができません。 この状態はDHCPサービスがあって初めて有効ですから、IPアドレスを手動で設定する必要があります。 IPアドレスはプライベートアドレスを使います。 (例; 192.168.0.1〜253 サブネットマスク; 255.255.255.0) ホストマシンは192.168.0.1、他のマシンは番号が重ならないように割り当てます。 サブネットマスクはすべて同じです。 ![]() ただし、ネットワークの中にインターネットへダイヤルアップなどでインターネット共有設定をしているマシンがあれば、このマシンのDHCPサービスが働いていますので他のワークマシンは”IPアドレスを自動的に取得”のままにしておきます。 5).ネットの運用について 家族で複数のパソコンを所有している場合、LANで各PCを接続しておけば1台のPCでインターネットに接続することができます。 一台毎にモデムやTAを準備する必要はありません。 これはインターネットへの接続がダイヤルアップ、ISDN、ADSL、CATVであっても同じことです。 まず、メインなるPC(インターネット回線に接続するパソコン)を決める必要があります。 この場合、外部からの接続線と一番近くて動作が安定してPCが良いです。 インターネットの共有接続の他に、プリンタの共有、ファイルの共有がありますが、それぞれ具体的な設定方法を記述したいと思います。 ここではLAN(Local Area Network)がピアーツーピアー(接続されているいずれのPCが対等な位置にいる接続形態と考えて下さい)で接続されていると仮定して話を進めていきます。 a)ファイル共有 先にファイルサーバーとして運用するPCを決めておきます。 出来ることならファイルサーバーのハードディスクは、OSのインストールされるパーティッションとアプリケーション及びデータファイルが保存されるパーティッションとは別々にしておいた方が無難です。 これはWindowsが起動しなくなった場合、最悪再インストールということになり、同時にフォーマットしなければならないこともあり、データも当然の様になくなってしまうからです。(ドライブのIOエラーとか発生すると、外部からの呼び出しさえ出来なくなりフォーマットするしかなくなります。 私は一度これで痛い目にあいました。) ハードディスクの不良がOSのインストールされたドライブで発生すると致命的です。 ファイルサーバーとして運用するPCはCドライブにOS、Dドライブをデータ領域にしましょう。 こうすることでデータ保管の安全性はずっと向上します。(外付けドライブを使う手もあります。) それでは共有するデータ領域を設定してみましょう。 DドライブにDATACOMというフォルダを作成します。 エクスプローラでこのフォルダーを選択し、右クリック→プロパティを押します。 ”共有”と出ていればそこをクリックします。 ダイヤログボックスが出てくる思いますが、ここで新規共有名を設定します。 ![]() アクセスの種類をフルアクセスにし、適用を押します。 そうすると、フォルダDatacomの下に手の形をした共有マークが付きます。 これでファイルサーバーは設定出来ました。 (95、98、Meでダイアログボックスに"共有"が出ない場合、MicroSoft共有サービスがインストールされていませんので、デスクトップ画面からネットワークコンピューターを右クリックし、プロパティを実行して共有サービスを追加しましょう。) WindowsNT、2000、XPの場合、これとは別にファイル、フォルダのアクセス権限を設定する必要があります。 そしてそれ以前に、このサーバーとなるPCにアクセスできるようにユーザー登録を済ませておきます。 「コントロールパネル」→「ユーザーとパスワード」で共有フォルダにアクセスするユーザーを登録します。 (PCを直接管理する人以外はユーザーとして登録しておきましょう。) 各ワークマシンのエクスプローラーでネットワークドライブの設定を行います。 ネットワークドライブの割り当てを開き、空いたドライブを選んでパス名を「\\ファイルサーバーの機械名\Datacom」とします。 これでローカルドライブと同じように使うことが出来ます。 b)プリンター共有 「設定」→「プリンター」→右クリック→共有を選び共有名を設定します。 パスは\\「PCの機械名」\プリンタ名(例:\\PROTON\PRN) パスワードは特に設定する必要はないでしょう。 サーバーにプリントスプールされるデータは、一時的にOSのインストールされたドライブに入りますので、ハードディスクのパーティッションサイズは余裕を持って設定しておきましょう。 これとは別にPCを必要としないプリンタサーバーも安価で販売されていますので、それを使っても良いでしょう。 c)インターネット接続共有 Windows98SEからICS(=Internet Connection Sharing) という機能を使ってインターネットへの接続が1つのIPアドレスで出来るようになりました。 従って、アナログモデム、ISDN、CATV、ADSLなどのインターネット回線接続しているPCを共有することで、LANに接続されたPCから直接インターネットへ接続出来るようになります。 (98SEの標準インストールではインストールされない為、コントロールパネルにある「アプリケーションの追加と削除」で追加する必要があります。 プロキシサーバーソフトを使っても同様のことができます。 あと、流行のブロードバンドルーターと呼ばれる製品を使っても共有が可能です。 この場合、パケットフィルタなどの簡易ファイアーウォール機能が付いていますので、ICSとプロキシサーバで共有するよりは、簡単で安全に設定することが出来ます。 ただし、ユーザ毎にインターネットやメールの使用制限などを細かく設定する必要がある場合はプロキシサーバが適しています。 (代表的なソフトとしてWinGateがあります。) 6).インターネットに接続し、Eメールを使える様にするには 契約したプロバイダから複数のメールアドレスをもらうことはできますが、殆どが有料であり追加料金を支払うことになります。 仕事に使うのであればそれで良いのでしょうが、プライベートではよく知られているフリーのメールをうまく使いましょう。 (無料であるかわりにダイレクトメールが送られてきますが・・・) MicroSoft Outlook Expressは複数のメールアドレス(アカウント)を設定することが出来ます。 ツールバーから「ツール」→「アカウント」を選び、「メール」のタブで追加ボタンを押して新しいアドレスを追加します。 ユーザーID、メールアドレス、パスワード、POPサーバとSMTPサーバの設定5つをまちがわなければ確実に接続できます。 インターネットの共有をプロキシサーバで行っている場合は、メールの設定はプロキシサーバで決められた通りする必要があります。 (プロキシサーバのヘルプをよく読んでおいてください。) ICS、ルーターで共有の場合は、通常通りの設定方法です。 |