令和3年度 長崎県校長会活動方針


1.基本方針

 長崎県校長会は,昭和39年の結成以来,本県の小中学校教育の充実・発展のため,真摯な研究と実践を重ねるとともに教育諸条件の整備に努め,多大な成果を上げてきている。
急激に変化する時代の中にあって,Society 5.0 時代が到来しつつあり,社会の在り方そのものが,これまでとは「非連続」と言えるほど劇的に変わる状況が生じつつある。また,中教審答申においても,社会の変化が加速度を増し,複雑で予測困難となってきていると指摘しているが,新型コロナウイルス感染症の世界的な感染拡大により,その指摘が現実のものとなっている。
 「予測困難な時代」であり,新型感染症により一層先行き不透明となる中,一人一人の児童生徒が,様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となることができるよう,学校教育には,新学習指導要領が目指す資質・能力の育成が一層強く求められている。
令和3年1月,中教審は,「令和の日本型学校教育の構築を目指して」の中で,我が国の学校教育の蓄積である,知・徳・体を一体で育む「日本型学校教育」の良さを受け継ぎ,更に発展させ,2020年代を通じて実現を目指す学校教育を「令和の日本型学校教育」と名付け,学校における「働き方改革」と「GIGAスクール構想」を推進しながら,新学習指導要領を着実に実施することが必要であると答申した。
 本県校長会においても,社会の変化と時代背景を踏まえ,「働き方改革」と「会員数動向」等の視点から,「校長会研究大会の開催方法」「専門部活動の在り方」「各種刊行物」等,「校長会事業」を見直し,校長の学校経営に専念できる環境づくりを推進している。
 各学校にあっては,令和の時代の始まりとともに,「新学習指導要領の全面実施」「学校における働き方改革」「GIGAスクール構想」「コロナ禍の教育活動」という,学校教育にとって重要な取組が大きく進展する中,新しい時代の学校教育を実現していくことが必要である。
そのため校長は,明確な経営ビジョンとリーダーシップのもと,「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標を学校と社会が共有し,「連携と分担」による教育活動の充実を図り,全職員による主体的・協働的な取組により,創意と活力に満ちた学校づくりに努め,県民の負託に応える小中学校教育の推進を期したい。


2.研究主題


「自ら未来を拓き ともに生き よりよい社会を創る日本人の育成を目指す

                    小・中学校教育の推進」

〜 新学習指導要領を踏まえた「生きる力」を育む学校経営 〜

3.活動の重点

(1)生命を尊重する教育の推進

  生命に対する畏敬の念を身に付けさせるため,心の教育や生命尊重に関する教育を全ての教育活動の根底に位置づけ,家庭や地域社会を含めて組織的に推進する。
 @ 道徳教育を始め,諸活動を展開するにあたっては,生命尊重の精神に根ざし,思いやりの心,自然や崇高なものに対する畏敬の念,社会規範や道徳性など,豊かな人間性を身に付け,たくましく生きる心身の調和の取れた児童生徒の育成に努める。
 A児童生徒理解を一層深め,いじめや不登校など生徒指導上の諸課題について,教職員が情報を共有し,指導体制の確立のもと対応する。特に,命を軽視する問題については,関係機関と連携するなど,機を逸せず対応するよう努める。

(2)「社会に開かれた教育課程」の実現と,「カリキュラム・マネジメント」の推進

 「よりよい学校教育を通じてよりよい社会を創る」という目標を学校と社会が共有し,児童生徒一人一人に,未来の創り手となるために必要な資質や能力を確実に身に付けることができるよ  う,学校では「社会に開かれた教育課程」の実現を重視し,教育課程を軸に学校教育の改善・充実の好循環を生み出す「カリキュラム・マネジメント」を推進するよう努める。
@ 児童生徒に育むべき資質・能力を学校と地域が共有し,地域の教育力を学校教育に取り込むなど,開かれた教育活動を展開するとともに,地域全体で将来を担う子供の育成に努める。

A 明確な学校経営ビジョンのもと,教育内容の質の向上に向けて,教育課程を編成・実施・評価・改善を図る一連のPDCAサイクルを確立し,家庭・地域と連携・協働して,子供の学びや育ちを支える魅力ある学校づくりに努める。

(3)学習指導要領等の趣旨と時代背景を踏まえた資質・能力の育成

@ 「GIGAスクール構想」の加速により,児童生徒「一人1台端末」の教育環境が実現し,その活用により,質の高い教育的効果が期待できる。 そのため,学校にあっては,ICTを効果的に活用し,児童生徒の個別最適な学びと協働的な学びを実現できるよう,教師一人一人の指導力の向上に努める。また,確かな学力の定着のため,県教育委員会の「新学力向上のための三つの提案」を各学校の学力向上プランに取り入れ,実践的研究の充実に努める。

A 「生きる力」の3つの柱となる,「生きて働く知識・技能の習得」「未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力等」「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性等の涵養」という資質・能力の育成に努める。

B 「夢・憧れ・志」を持たせ,ふるさとを愛し郷土を担うキャリア教育の視点に立った進路指導の充実に努める。

C 積極的な体力向上に取り組み,生涯にわたる健康(食育)教育の推進に努める。

D インターネットや携帯電話・スマートフォンなどによるトラブルを防止するため,保護者や関係機関と連携し,情報モラル・ルールの指導を強化し,規範意識の向上を図る。また,児童生徒のデジタル機器の使用については,「遊びから学び」へと有効活用できるよう努める。

E 教職員自らが人間尊重の精神に立脚し,差別と偏見のない社会の実現と平和を希求する児童生徒を育むための人権・平和教育の充実を始め,特別支援教育に対する正しい理解と認識を深め,一人一人の教育的ニーズに応えることができるよう努める。

F感染症や災害の発生等の緊急事態にあっても,必要な教育活動を継続させるため,「新しい生活様式」を踏まえ,健やかに学習できる衛生環境の整備や安心して学べる環境づくりを推進する。また,児童生徒に自らの安全を守るための能力を身に付けさせるため,安全・防災教育の充実に努める。

G 国際社会全体に関わる貧困や紛争,感染症や環境問題の解決など,「持続可能な開発目標」(SDGs)等を踏まえ,「持続可能な開発のための教育」(ESD)を推進し,子供一人一人が自らの課題として考え,持続可能な社会づくりにつなげていく力を育むよう努める。

H グローバル化に対応できる人材の育成を目指し,外国語教育を充実するとともに,豊かな教養やコミュニケーション能力,課題解決能力,異文化理解の精神を育む教育の充実に努める。

(4)教職員の処遇改善及び少人数学級の実現と学校における働き方改革の推進

 義務教育費国庫負担制度並びに学校教育の水準の維持向上のための「人材確保法」の堅持,教職員を始め管理職員の職責に見合う適正な処遇,新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ,安全・安心な教育環境と児童生徒の学びを保障するための少人数学級の実現やICT教育環境の整備等,要望活動に努める。
 また,「学校における働き方改革」を推進し,業務の適正化を通じて教員が子供と向き合う時間を確保するとともに,教員一人一人が持っている力を高め,発揮できる職場環境づくりに努める。

(5)教職員の資質・能力の向上と研究・組織活動の充実

教職員一人一人に豊かな人間性・社会性を育み,教育公務員としての自覚を高めさせ,「服務規律の徹底」と「不祥事の根絶」を期し,児童生徒,保護者,県民の期待と信頼向上に努める。
また,専門職としての誇りと自信を育み,学校経営,教科指導,生徒指導などの専門的な力量を高める校内研修の充実に努めるとともに,校長会研究大会等の成果を学校経営に具現化し,教育委員会や全国・九州地区校長会,関係機関・団体との連携を一層密にし,長崎県校長会活動の更なる活性化と,それぞれの市町の教育課題に即応する各支部校長会活動の充実に努める。


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長崎県校長会
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