2004.5.5(水)皆既月食を見てきました。
サブタイトル: 「番組の途中ですが、一部地域を除いて番組を終了させていただきます。」
ten.的、皆既月食(月没帯食)観望記
前日、仕事を終え、夕食を取り風呂に入って翌朝未明の皆既月食観望のための機材を車に積み終えたのが22:30。「おおっ!こんな時間だ。。。」とそそくさと布団に入り午前3時まで睡眠をとる。なんとか3時に起床し車に飛び乗りました。
2001年1月10日未明以来の皆既月食。このときは冬型の気圧配置に加え、強風で観望場所を探し回り、結局大瀬戸のダムあたりで観望した記憶があります。
今回は仕事があるため月没直後に自宅に戻れるように近場の長崎市唐八景を選びました。ここは広場も広く東側も開けているため、あわよくば話題のブラッドフィールド彗星も撮影出来るかも?と思っていました。
実際、起床して車に飛び乗ったはいいものの、湿度が高めで「こりゃあ、夜露に悩まされそうだ....。」と思ったら予感が的中(^^;地平線低いところの透明度はかなり厳しいものがありました。(T-T)
既に唐八景には友人の「M原くん」が来ており、彼の機材は組み上がりつつありました。私も、愛機「P−2z」を組み立てました。実はこれは皆既月食撮影用ではなく、円形写野アストロカメラ「ひのさわさんちのアストロカメラHB120T+135mmレンズ」の組み合わせで、皆既前の闇夜に近い時間帯(食分60%程度、薄明直前04:20)のブラッドフィールド彗星を狙います。
(まあ、ten.の撮影は「てきとー(爆)」ですから....)
2001.1.10 の月食(DENさん撮像)
肝心の月食は「双眼鏡」で楽しみます。(持参機材は10×70と7×50です。)まずは10×70を三脚に固定して欠け始めた月を眺めます。7×50は、しばらく待機です。(この理由は後ほどわかります。;^^)
唐八景公園は、連休と言う事もあって結構にぎやかでした。途中からバイクで来た若いカップルさんらが「だいぶ欠けてきたね...」と話しながら歩いてきたので、「月食を見に来たんですか?」と声を掛けたところビンゴでした。(^^)「あら、じゃあその双眼鏡でじっくり見ていかんね。」と双眼鏡を覗いてもらったところ、喜んでくれた様子でした。(そう思っているのはten.だけだったりして....(^^;))
そうしているうちに撮影時刻の4:20です。フィルムを吸引するエアポンプのスイッチを入れブラッドフィールド彗星の撮影開始です。でも、この時間帯にも車が来るんですね。(^^)露出始めて3分もしていると車が通ります。
# ああ、でも気にしません。(^^)「てきとー」ですから。
「じゃ、また露出しよう。」と撮影開始すると、2分くらいで車がまた来ました。「車が来てばかりで大丈夫と?」と聞くM原くんに「ま、こんな事はよくある事だし、気にしないのよ。(^^)」と4コマ程撮影して撮影は終了した。月食の食分は80%を超えている。東の空は少し明るくなってきた。
4h24m撮像
双眼鏡で眺めると、なんだか普通の満月の時とちがって「妙に立体感がある」。皆既月食の度に思うのだけど、双眼鏡に限らず普段とは違う「立体感」を覚えるのは「赤銅色(しゃくどうしょく)のグラデーション」のせいだろうか?漆黒の空間にぽっかりと浮かぶ赤銅色の球体。普段見る事の出来ない色だし、スケッチしようと思ってもten.には再現しかねる色だと思う。(^^;
おおっ!忘れていたっ!皆既月食は撮影していない!(ってか、予定どおり。^^;爆)今回は、デジタルカメラで「てきとー撮影」のつもり。ten.のデジカメは38mmレンズ相当の単焦点モデル。当然そのまま撮影しても豆粒のような月が撮れるだけである。
はい。そうです。双眼鏡の見口に押し当ててやってみました。(^^)デジカメアダプターもありません。当然!手持ちです。「ああっ!ブレたっ!」「うしっ!ナイス!」と手ぶれを楽しみながらのてきとー撮影です。
その間にも、若いカップルには双眼鏡で楽しんでもらっています。さらにデジカメ付き携帯電話をお借りして、「記念に」と、お手軽撮像しました。(^^)(これって結構喜んでもらえるのですよね。^^)
手振れを楽しむ見事な余裕 (^^;爆!
4h31m撮像
赤銅色が見えていますね。
早いものでそろそろ皆既食の時間帯(皆既食は 4h51.8mから)です。この時間帯になると、ten.の機材もM原くんの機材も夜露でぐっちょり。「これは見えていないな。」と思い、双眼鏡の対物レンズを覗いてみたら案の定、夜露で曇っていました。
ここで!待機している7×50の登場です。
(多分、夜露でレンズが曇ると思っていたので待機させていたのでした。^^)
# く、暗くてみづらい....(^^; 心眼で見て下さい。4h39m撮像
薄明も進み、東だけでなく空全体がずいぶんと明るくなってきました。反面、月は皆既のまま、どんどんと山の端に近づいています。
双眼鏡の視野の中には手前の山も入ってきて遠方の月と手前の緑の景色を楽しめるようになってきました。
「皆既のまま沈む」って、なんだかもったいないような気がするのですが、これはこれで実にいい感じです。
薄明の青、皆既中の赤銅色、山の緑と贅沢な色づかいですよ。
肉眼で見ると本当に立体感に溢れていて、しばし見とれていました。
4h58m撮像
大気の減光で、だんだんと見えなくなっていく皆既中の月。
空は晴れているのに、弱々しい輪郭が西空低い場所で消えて見えなくなっていく。
4h59m撮像
まだ完全に沈んでいないであろうその場所には「何かがある」くらいの弱々しい光。
分厚い大気の向こうには赤銅色の神秘的な光の月があるはず。
.....そして、地球上の夜の地域では「月が夢の続きを見せている」はずだ。
5h01m撮像
最期のコマ。
夢は覚めて、太陽の光と機材の片づけが現実の世界へと呼び戻す。
また見たいね。うんまた見よう。
望遠鏡で見る事もなく、双眼鏡と肉眼で楽しんだ皆既月食。
天気に恵まれてよかった。楽しんでデジカメで撮像し、ブラッドフィールド彗星を撮影したフィルムを現像するのも楽しみ。(果たして今回はどんな失敗をしているのかも楽しみ(爆)。
今年のGWを締めくくるイイ時間でした。
# さあてっ!次はニート彗星だっ!燃えるぜっ!(^^)/
2004.5.5記