チ ー プ な 工 作 室





ten.@自作中です。

Kenko のクローズアップレンズを使用した天体望遠鏡&ファインダーをご紹介いたします。
クローズアップレンズ(AC)がアクロマートレンズを使用している事を、既にご存じの方は
多いのですが、比較的に簡単に作ることが出来ましたので今更ながらですがUP致します。

このレンズには、ACとMCがあり、当然、アクロマートレンズのACを使用することにな
ります。(MCは単レンズでマルチコート。)

カメラレンズの先端にねじ込むタイプですから、サイズもいろいろとあります。
(φ49o〜φ62o 価格\3.2k〜\4k程。)
No.2〜No.5の4種類が有りますが、これはレンズの焦点距離を表すもので、
「焦点距離=1000o/no.X」となります。
 クローズアップレンズNo.2=焦点距離 500o
 クローズアップレンズNo.3=焦点距離 330o
 クローズアップレンズNo.4=焦点距離 250o
 クローズアップレンズNo.5=焦点距離 200o        です。

張り合わせのアクロマートレンズが、セル付き&フィルターネジ付きで簡単に入手できると
思うと....(ten.は垂涎ものです。^^;)

フィルター枠に入ったレンズの枠外径ですが、だいたいフィルターネジ径+2oとなってい
るようです。(φ52oレンズの外径はφ54oでした)

天体望遠鏡&ファインダーに仕上げるには....
★用意するもの★
1.塩化ビニールパイプ(外径60o、内径56o、長さはレンズに合わせて)
2.塩化ビニールパイプ(外径60o、内径56o、長さ50oを三個)
3.塩化ビニールパイプ(外径60o、内径58o、長さ20o程。)
4.塩化ビニールパイプ(外径48o、内径44o、長さ100〜120o)
5.ケント紙(B5のもので十分。6〜10枚程度)
6.「31.7oアイピース」(←お好みのもの。ten.はNikon製フィールドスコープ用を使用。)
7.Kenko 製クローズアップレンズACφ52o No.X(←お好みのもの。)
8.  ※(出来れば)ステップアップリング(φ52o→φ58o) \800

工具(?)カッターナイフ、定規、フエキノリ、模型用鋸切り、接着剤、宛名用タックシール

 さて、出来上がりの図を材料だけで想像できる貴方は、かなりの自作派でしょうね〜
「早く見てみたい」「作り方教えて」という奇特なお方は、果たしていらっしゃるのでしょ
うか?ten.のファインダーをどこかで見ることが出来ると思いますが.....


それでは、作ってみましょう。
作例は、Kenko クローズアップレンズAC No.4とNikon フィールドスコープ用アイピース
を使用しました。
対物レンズ(No.4)焦点距離 250o÷接眼レンズ焦点距離21o=11.9倍
となり、口径52o、11.9倍、見かけ視界60度、実視界 5度のファインダーに仕上がります。

★対物レンズ側
対物レンズの外径はφ54o、鏡筒にする塩ビパイプの内径は56oと内径と外径の差が 2oあ
ります。この 2oを埋めるのは上記の3.のパイプです。鏡筒用塩ビパイプの内径はφ56oで
すから、3.のパイプを外径φ56oにすれば良いわけです。
○のパイプを縦に切ってCにちゃいましょう。
60π≒188.49o、 56π≒175.92oとなりますね。つまりその円周の差:約12.57o分だ
け「C←ここの部分」を取れば良いわけです。 12.57oなんて厳密な数字じゃなく13o位で
いいんですよ。この「C環」を鏡筒の内側に接着剤で貼り付けるとレンズ枠と鏡筒のすき間
は埋まってしまいますね。あとちょっと残るすき間は「タックシール」などを鏡筒側の内側
へ3カ所位に分けて貼り付けるとレンズ枠も「スゥ〜」っと入るでしょう。(^^)

鏡筒(対物側)とアイピースホルダー(ケント紙紙巻)

んで、「スゥ〜」っと中まで入り込んで取れなくなってしまわないようにしなくてはなりませんが、
ここで選択するのは...「接着剤で固めてしまう」or「何らかの方法で入り込まないようにする。」
です。

ten.は、接着剤で固めてしまうと使い回しが出来ないと思ってしまう【貧乏性】なので、
ステップアップリング「φ52o→φ58o」(\800.-)をレンズの前枠にねじ込みました。
こうすると鏡筒内に入り込まないレンズ枠になり、ステップアップリングの外径も鏡筒外径も
「φ60o」と同じになり、かえって都合が良くなりました。
(安くあげたい人は\800-がもったいない。^^;)

ここで鏡筒長ですが、「対物レンズの焦点距離−50o」程度で良いと思います。ten.の場
合、250o−50o=200oとなりますが、切りすぎて190oになってしまいました。
まぁこのあたりはドローチューブでごまかせるので、「適当に」いきましょう。(^^;;;;)
左から、
            ・クローズアップレンズNo.4
            ・鏡筒用塩ビパイプ(ドロチューブ側から見た)
            ・アイピースホルダー(ケント紙で巻いた。)
            ・ドロチューブ用塩ビパイプ(アイピースホルダー奥)
            ・Nikonフィールドスコープ用アイピース



  ★ドローチューブの内側は、タックシールを3点に貼り摺動する際のガタを取っています。
   C環の構造が分かって頂けるでしょうか?




  ★ドロチューブ部分・アイピースホルダー部分

幅30oに切ったケント紙を巻いて作っていきます。アイピースのスリーブを基準に巻いていくので
すが、一枚貼っては乾かし、貼っては乾かして少しづつ太くしていきます。(電子レンジで10秒〜
20秒間「チン!」する荒技もあります。)
ここに使う接着剤は昔なつかし「フエキ糊」がいいでしょう(乾きが遅いので失敗が少ないのだ)。
ドローチューブ用の塩ビパイプの内径に近づいたら、数日間しっかり乾かします。(乾燥して縮むから)
数日後、最後の一枚を貼ってよく乾かしたら、幅10oのケント紙を貼ってドローチューブ用塩ビパイプ
の外径と同じにします。
最後にアイピースホルダーの「コバ」を紙やすりなどで磨ってきれいにします。





    現 在 の 姿 (2001.11.15現在)




  ここまで出来れば、残りの作業は少ないです。


    残りの作業
    

      ・アイピースホルダーにリブを付ける(ドロチューブ内に入り込まないようにするため)
      ・フードを作る(めんどくさい人は、φ58oカメラレンズ用のフードでも可。)
      ・鏡筒内に「遮光環」を取り付ける(無くても結構見える  ^^;)
      ・カメラ三脚取り付けが出来るようにする(こいつが一番難しい。)
      ・美的感覚を疑われないように、鏡筒を塗る(又は、カッティングシートを貼る)

 と、まぁ....思いつくままにつらつらと書いてきましたが、かなり安価に出来上がりました。
実際には対物レンズと接眼レンズ代がほとんどです。
  クローズアップレンズは実売価格 3k\でしたし(とみたさんありがとう!)、塩ビパイプは拾い物
だし、本当に安価に良いものが出来ますです。もうひとつレンズを買ってfl = 500oの鏡筒を
作ろうかと思うくらいです。

       塩化ビニールパイプ                       0円
       Kenko クロ−ズアップレンズNo.4         約3000円
       ステップアップリング(52o→58o)           800円
       Nikon フィールドスコープ用アイピース(×20倍用) 5200円
       フエキノリ                           150円

                                     合計9150円

 レンズ代がほとんどで、中でも、接眼レンズは手持ちのものが使えますから、死蔵している
24.5oサイズの接眼レンズを復活させても良いでしょう。その際、最初から24.5oサイズ
で製作せず、31.7oアメリカンサイズで作り、市販の31.7o→24.5oアダプターを揃え
ると将来的にも使いやすくなると思います。
 ten.が最初に作った40oファインダーは、2インチ→36.4ネジアダプターに紙を巻きました。
これだとBORGのヘリコイドが使用できたり、高橋のアイピースホルダーが使用できます。
(値段も重量も「重い」 ^^;;)

手作りの望遠鏡(ファインダー)で見る星空は、色が付いていたり、光軸不良だったり、迷光
が多かったりと性能的には不満を漏らすことがあるでしょう。しかし、きっと市販の望遠鏡には
ない星空が貴方を魅了するでしょう。


                   お し ま い



               おぉ〜い、オチが無いぞぉ〜....(っと誰かの声が聞こえる。  ^^;)


   Dさん、見え味はいかがですか?


                  「像はハードですな....。」

                  「タイルのチェックですか?」


(すみません、手持ちの撮像です ^^;)
星を見ようよ(^^)/に戻るBACK