エコロジーな星見用ランタンを作りました。


ten.的、安価でエコな星見用LEDランタン製作記(100円均一SHOPのランタン改造)
 星見をしていると、撮影のDATAや星図の確認などちょっとした灯りが欲しい事があります。リンク先の「星の道具箱」(長崎の草野氏)は光度調整のボリュームが付いた素敵なLEDライトを工作しており、スタパーや星見に行った際にはその有用性と使いやすさに羨ましい気持ちがタンマリです。

 しか〜し!ten.は電子工作どころか電気工作にはとんと疎くて、せいぜい乾電池と豆電球繋ぐ程度。それならそれで出来る範囲で作ってみようと重い腰を立ち上がらせたのでした。

 もちろん、ten.が作るのですから¥1,200円程度と大変に安価です(ten.にとっては非常に高価)。このコンテンツは、いつものように「てきとー」な自作記事ですので、厳密な電流計算お望みな方は市販のモノをご利用下さい(笑)
 まずは「てきとー」なランタンをGETしに100円均一のお店へ行きます。するとあるにはあるけど105円ではなく210円でした。(後日談ですが、ランタンを210円でGETした後に、N草野氏から「あぁ、これなら●●で105円で売っているよ。」と愕然とする言葉が....(泣))

 GETしたランタンの形は構造的にten.が考えている造りに一番近いものです。ここで星見用のランタンとしてten.が必要とする項目を確認しておきましょう。



1.星見や撮影の邪魔にならないように水平以上の漏れ光を極力カットするものであること。

2.できれば使用しているテーブルの狭い範囲を照らすものであること。

3.危険防止のため、ガスカートリッジやガソリンではなく乾電池を使用するものであること。

4.エコロジーの観点から電力消費が少ないこと。(LED化を前提とするもの)




 「1.星見や撮影に邪魔にならないような漏れ光をカットした構造」とは、「光害対策の照明」のようにフルカットオフといった考え方で良いと思います。光源が眼に入らぬように傘の中に光源があるような構造が必要です。市販のLEDランタンを探してみると指向性の強いLEDを下から照射し、円錐状の反射板を用いて周囲に配光するタイプのものがあります。円錐状の反射板の角度を自分の好きな角度で作ることが出来れば、「2.テーブルの範囲を照らすもの」の項目もクリヤーできそうです。


 まずはランタンを分解してみます。どこまで分解できるのかがカギになりますからねぇ。

  


 土台、反射材(底)中央部の散光アクリル柱、傘(不透明で豆電球の光を散乱させる役割)、透明ケース(ホヤ?)、そしてプラスティックの取っ手です。この「取っ手」もちょっと工夫されていてロープなどを通した時に左右に揺れにくいような段差があり、手に持ったときも滑りにくいし、端っこにあるロープ掛け用のフックも実用的です。


  


 底のフタを開けると電池ボックスが現れます。単三乾電池4本仕様ですが、「サイキット社」LED豆電球は1.0V〜3.5Vで光りますから、実際に使用するのは2本分です。なのでここは配線を入れ替えます。数個のランタンを作っていて気づいたのは210円ランタンの配線がまちまちなんです。プラス電極が豆電球のソケットの真ん中へ配線されているのを確認しましょう。中にはマイナスの電極がソケットの真ん中へ結線されている個体も存在するんですよ。(このあたりは流石に中国製、いや大量生産、いや豆電球の使用が前提になっていると言った方がよろしいかと。)LEDは電流の方向を間違えると光りませんからね。(;^^)


  



 「3.乾電池を使用するものであること」「4.LEDの使用によって消費電力を抑える」という目的もこのLED豆電球を使用することによって低電圧の電池でも明るく光るし電池の本数も抑えることができますので地球に優しいエコロジーなランタンになります。(サイキットさん、素晴らしいLED豆電球を作ってくださってありがとうございます。これからも頑張ってください。応援します。)



               


 その配線をプラスマイナスを確認しながら単三乾電池2本用へ改造し、LED電球を取り付けてみました。寿命が尽きて使わなくなったニッケル水素充電池(1.2V)を2本入れて点灯させてみたところです。よかったよかった、無事に光りましたよ。(電気工作は苦手なので、実は冷や汗ものなんです(;^^)

 このLED、照射角度15°と狭いので「パッと見」暗く感じますが、直接眼に照射すると非常にまぶしいです。(良い子は真似しないようにいたしましょう。)

  



 さて、いよいよ本体への改造です。下から照射する光を眼に入らないように下方向へ反射する円錐状の反射パネルを作って透明ケース内へ取り付けます。

 透明ケース内部の底にはちょっとした段差があり、ここへ円錐状の反射板を接着すれば良さそうです。段差の部分を測ってみるとφ60mmです。直径63mm〜64mmの円盤を作って円錐状に仕上げればいいのかな。。。。

              


 必要な小道具は、「コンパスカッター」と「装飾テープ(アルミ蒸着ポリエステルテープ)」と「ケント紙」
そして「事務用ノリ」です。

  

 ケント紙に装飾テープを貼り付けて目的の大きさの円(直径63mm)の大きさで切り出します。

  

 必要な分だけ切り取って円盤を円錐に仕上げます。これで反射板が完成(^^)
次は豆電球を散光するために取り付けられているプラスティックの円柱を少し短くします。

  

 散乱光を防ぐため、円柱の外側と内側にも装飾テープを施します。ケント紙に貼り付けて材料の長さに合わせて巻きつけたり、中へ挿入したり....地道な改良が案外と効果的なんです。(;^^)

  

  


 これで、ほぼ出来上がりました。あとはランタンの傘の内側部分にも装飾テープを貼り付けると傘にあたった光が散乱せず、キチンと下方へ照射する状態になります。





 いかがでしょう?

 改造後の物とノーマルの物を比較して、予想される光路を書き加えてみました。ランタンから照射される光はほぼ見事に上方への光路を絶たれています。




というわけで、暗がりで点灯してみました。

 ノーマル豆電球ランタン(遮光改造)と、LEDのランタン(同改造)のものを自宅の電気を消して点灯してみました。ランタンの傘よりも上から見たときには全く眩しさを感じませんし、照射された光は見事に下方を照らしています。


  



 これならまあまあ使えるでしょう!なんと言っても、後ろのフスマへの光がランタンの傘よりも高い所では認識できません。LEDの方は「ちょっと明るいかな?」と思いましたが、周りに撮影者が居るときには適宜の箱入れたり、ランタンの周りに物を置いたりすれば良い訳で、これなら大丈夫だと確信しました。

 一番心配されたのは、装飾テープがアルミニウムの蒸着ということで透過する光があるのではないかという事でしたが、使ってみると案外透過しておらず、反射材としてきちんと機能していたので安心しました。

 今回の工作は、市販の安価なランタン簡単な紙工作で比較的短時間で自作出来るので興味のある方は頑張ってみて下さいね。

 ちなみにLED豆電球を発売している「サイキット社」には、ちょっと高価になりますが電極のプラスマイナスが関係しない「無極性LED豆電球」も発売されており、電圧も1.0V〜3.5Vとten.が使用したものとほぼ同等です。双方のLED豆電球は売り切れ必至の人気商品となっているようで、同サイトの小まめなチェックが入手への早道です。



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