6×30ファインダーを使った
「ten.11」の極軸セッティング


今回は真面目なキャラクターでいきますっ!(^^)
1.「てきとー」ではなく「適当」なセッティングを。


 本来、赤道儀による星野撮影において、ピリオディックモーションなどの機械的な追尾誤差はあるものの、結局のところ追尾精度は極軸のセッティング精度以上の追尾はできない。赤道儀に任せたノータッチの「お気軽撮影」を目指すのなら赤道儀のセッティングは使用するレンズに応じた「適当」な設置を行うことが肝要である。


2.極軸望遠鏡の導入は必然

 ガイド鏡をも使用しない「星空撮影架台・簡易赤道儀・ポータブル赤道儀」の類は星の動きを見ながらの極軸合わせ(+修正)は思慮の範疇にない。つまり撮影の成功如何は、最初に行う架台のセッティングによるところが全てで星空撮影架台・簡易赤道儀のような簡素なものであってもセッティングには最善を尽くすべきだと考える。


3.極軸望遠鏡としての必要な機能

(1)天の北極の中心と判別できるような導入視野パターンを持つこと。また、市販赤道儀の極軸望遠鏡は、天の北極からどのくらい離れているかが分かり易いように北極星の導入位置パターンや時角目盛りが組み込まれている。

(2)自作の赤道儀の場合、極軸(星空撮影架台・簡易赤道儀の場合は架台との直交度)と平行に調整が可能な軸合わせのための調整機構を持つこと。

(3)上記(1)のようなメーカー製の極軸望遠鏡は導入も簡単であるが、高価であるので安価な代替え品を検討したい。


 もしも、北極星野で印象的な配列を見つけることができたなら、視野中心が判り調整機構を持つ小型のファインダーを使っての北極星野での極軸セッティングが可能ではないかと考えた。6×30のファインダーなら3〜5千円で脚付きで販売されており、6倍の倍率は市販の赤道儀に組み込まれている極軸望遠鏡とほぼ同等の倍率である。この倍率であれば広角〜準望遠の写真レンズを使用するポータブル赤道儀の極軸のセッティングには十分であると判断した。(注:タカハシEM10は6倍、スカイメモRは4倍程度です。)


4.北極星野を見つめると見つかった事。。

 6.5度の視野を持つファインダーを使用する予定なので、星空シミュレーションソフトを使って6.5度の視野円で8等星までプリントアウトした。視野内にある星を明るい順番に等級を書き込むと、視野の外周に沿うような5〜6等星が3つある。ファインダー内の視野環と適度に離れており、視野内の最初の確認に使えそうである。


 これだけだと天の北極とポラリス(北極星)がどのくらい離れているのか正確には判りづらい。もう少し暗い星(7〜7.5等星)で天の北極やポラリス(北極星)に近い特徴的な並びの星を探すと....ありましたっ!「とんがりコーン」のような二等辺三角形。これは使えそうです。位置的にも天の北極ともバランスがいいです。(^^)


5.具体的なセッティング方法は?

(1)ファインダーの取付確認
 北極星を中心に導入し、ファインダーを180度回すことによって、極軸と極軸望遠鏡との平行を確認します。この時点で北極星が中心から外れるようであれば動いた分の半分の場所へ「ファインダーを」修正し、再度「架台ごと動かして」北極星を中心に導入してこの作業を繰り返します。完全に平行になると北極星は視野中心から動かなくなります。これで架台(極軸)と極軸望遠鏡のセットが終了です。

              

  ファインダーを裏側から見て、90度回したところです。ビクセンのファインダー脚のアリ溝で取り付けています。

              

   ファインダー脚のアリ溝は30mm角の真鍮ブロックに取り付けられています。結構、滑らかに回転しますよ。


(2)定番の方法で導入

 北斗七星とカシオペヤ座の向かい合う星を確認し、ファインダ十字線の一本を平行にし、十字線の中心から適度に離して北斗七星側に北極星を導入する。(ファインダーが逆像のため)

         


(3)位置の確認

  外側の3つの星を視野環との距離をバランス良く配置する。(これだけでも広角〜標準レンズには十分な精度。)


       


(4)北極星野で天の北極へ直接導入

 北極星近くの「とんがりコーン」二等辺三角形の配置を見つけ、底辺の2星と十字線の一本を平行にし、頂点の星を直交するもう一本の十字線の上に乗せる。底辺を二分割するように導入すればよい。





(5)位置の修正
 ふたたび、(2)へ戻り、北極星の位置を修正する。(4)と(2)を数度繰り返し、セッティングを終了する。


 このようなセッティングを行うと、「星空撮影架台・簡易赤道儀」として必要な精度でセッティングできますし、副次的な要素として「とんがりコーン」の二等辺三角形が見えればタカハシ赤道儀の古いセッティングパターン(1975-1985用)にも応用が利きます。ただ、口径20mm程度の極軸望遠鏡では見づらく、25mm程度の口径が必要かもしれません。(まだ確認していません。)6×30のファインダーでは楽に見えています。また、空の透明度が悪くて見づらいときには撮影自体もNGな訳で、こういった暗い星を見つけながら北極星野で直接天の北極へセットする方法は「あり」だと思いました。

 また、この方法で極軸をセッティングする事は一般的ではありませんが、みなさんも一度試してみて下さい。この方法は一度マスターしておくと応用が利きますし、なにか緊急的なトラブルが発生したときに使えるかもしれませんよ。(^^)

 今回のこのコンテンツは、ちょっとマニヤックでした。でも、当の本人はかなり真面目に書いているんですよ。良ければご感想をいただければ今後の励みになります。宜しくお願いします。m(__)m
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