星の手帖社

「10分で完成!
組立天体望遠鏡」


を作ってみました。
 2006年11月号の月刊「星ナビ!」(アスキー社)の7ページを見た瞬間、ビビッ!っとくるものを感じました。見出しは「エッ!4センチが1,580円!?」というものでしたがビビッときたのは見出しではなく、対物レンズに光学ガラス製1群2枚アクロマートを使用しているという部分でした。

 このコンテンツでは、組み立てに際し、ten.が実際に作ってみた手順や画像を紹介したいと思います。
 ten.は小学5年生の頃、シングルレンズで望遠鏡を作った事がありますが、色収差のため口径50mmの物を25mm程度に絞らねばなりませんでした。接眼レンズはメーカー製のMH12.5mmを少ない小遣いを一生懸命に貯めて購入し、月やスバルはそれなりに楽しめました。

 その後、アクロマートレンズの天体望遠鏡で星や月を見たときの衝撃的な像にビックリする事になるのですが、自作用のアクロマートレンズを購入しようと調べたところ当時の値段で42mmのアクロマートレンズの値段が¥1,600円でした。

 今、考えてみると「小学生にしては」相当な苦労をしてレンズの入手をして鏡筒の工作をしたのだなぁ....と思い出していますが、自らが作った望遠鏡が見せてくれる月や星の「生(なま)の光」は終生忘れる事のない貴重な体験をしたのだなぁと今更ながら感じています。


 あれから約○○年。少年はおぢさんとなり、メーカー製の望遠鏡を見る事が多くなりましたが(他人の物です)、いまの少年らが入手できる望遠鏡は安いといっても1万円程度。とてもお小遣いを貯めて買える金額ではないと思います。また、組み立てたり自分で作る事がなければ内部の構造も知る事もなく、親が買い与えたものなら単なる「おもちゃの一種」として埃をかぶるのが目に見えています。

 そこへ発売された「10分で出来る組立天体望遠鏡」!


 覗いてキレイ、軽くて小さくて作って楽しい望遠鏡に、少年らへの「宇宙への窓」を開けてくれたような気がします。



    A. 梱包

  

 厚さ3cm程度の段ボールの中に望遠鏡の部品が入っています。鏡筒は縦割りされていますので口径4センチと言っても組立前ならば半分の厚さで梱包されていますね。


 まずは梱包されている部品を確認しまします。特にレンズ類の特徴は把握しておいた方がよろしいです。対物レンズ1枚+接眼レンズ3枚です。対物レンズは光学ガラス製のアクロマートレンズです。コバ(レンズの側面)の厚みは約6mmで、貼り合わせレンズのため一本の筋が入っています。付属の説明書をよ〜く見ましょうね。幅の狭い方が外に向く面で幅の広い方が鏡筒の内側に向く面ですよ。

  黒い輪ゴムみたいなのは「対物Oリング」


 3枚の接眼レンズは平凹レンズ、両凸レンズ、平凸レンズです。梱包されているビニール袋の上から「そぉ〜」っと触ってみると判ります。せっかく3群3枚構成の接眼レンズですから組み立てる前にじっくりと観察しておきましょ(笑)。接眼レンズ用の部品には視野環も含まれます。対物レンズOリングも付属しています。

 レンズ類の他は鏡筒2、接眼筒2、鏡筒押さえ(C)、ナット押さえ(D)、目当て(G)、(1/4w)三脚ナット(J)などなど、部品点数も多めですが、それぞれにキチンとした役割がありますので、説明書を見ながら特徴を押さえておきましょう。


  

    鏡筒とリング類。(そのほかにも接眼筒があります。)


    B.実際の組立て



 組立ては、「1.接眼筒 2.対物レンズ 3.鏡筒 4.外装 」の順番で作ります


  1.接眼筒


 接眼筒(F)を準備します。レンズ類をはめ込む溝を確認しておきましょう。

  

 まず、一番手前の溝に「平凸レンズ(K)」を平らな方を外側に向けて入れます。次に平凹レンズ(M)と両凸レンズ(L)を合わせて凸レンズを合わせるように二番目の溝に入れます。レンズの向きは間違いないですか?下の画像は付属の冊子(P.2)に記載されているものです。

 

 最後に視野環を溝に入れます。画像はこのような感じです。

  


 レンズと視野環がセットされたらもう一つの接眼筒(E)と合体します。合わせ面には小さな突起と穴が空いていますのでズレて合体する事はありません。安心してね。(^^)


  
 あとは「目当て(G)」を目当ての内側にある溝と接眼筒の突起を合わせてはめ込み、接眼筒の完成です。はめ込むときには少々力がいりますが、奥までしっかりとはめ込んでくださいね。




  2.対物レンズ

 「対物レンズ(N)」の周りに「対物Oリング(I)」をはめ込みます。Oリングには少しのグリースが塗布されているようです。対物レンズの面に触らないように注意してくださいね。

 

 アクロマートレンズです。凸レンズと凹レンズの貼り合わせです。鏡筒へはこのような向きで取り付けます。(右の画像)



  3.鏡筒へセット

対物レンズ+対物Oリングを鏡筒の先にはめ込みます。

  レンズの溝を確認しましょう。


 この時、対物レンズの向きを間違えないようにしましょう。次は忘れないうちに「三脚ット(J)」を三脚座に入れておきます。これを入れずに組み立てるとあとが大変だよ。むふふ(^m^)。


  

 先に組み立てた接眼筒をネジを合わせてはめ込みます。これでもう一つの鏡筒を合体させるのですが、もういちど対物レンズの向きや三脚ナットが入っているかを確認しましょうね。


    

 いよいよ合体。接眼筒とおなじように突起と穴を合わせて合体し、三脚座の丸溝に「ナット押さえ(D)」をはめ込みます。


 そして最後の仕上げ、「鏡筒押さえ(C)」を鏡筒の両端にしっかりと奥まではめ込みます。


  

 この「鏡筒押さえ(C)」のおかげで縦割りされた鏡筒の強度が確立します。逆に、はめ込んでしまうと取るのが難しいです。

 強度UPのためのリングをはめ込む前には部品を入れ忘れていないか、レンズの方向が逆ではないかの確認を何度も言ったのはそのためなのです。


  4.遮光テープ

 黒く細長いテープ「遮光テープ(P)」を貼ります。鏡筒のわずかな隙間から入ってくる光を防ぐために付いています。長さをよく見て3枚とも貼りましょう。



  5.飾る


 後に白い「のり付きシール(O)」を鏡筒に貼って完成ですが、組立説明書には「シールは水に強いユポ紙で、マジックやボールペン、鉛筆などで文字やイラストが描けます。おしゃれなマイテレスコープに仕上げてください。」と書かれています。実は鏡筒に貼り付けてから描くのは結構難しいものなので貼る前に描いておいた方がいいかも。

  

 「店主:ten.」の直筆サイン入りおりじなる鏡筒のできあがりっ♪ いやぁ〜良い景色です。




    C. ちょいと覗いてみる。



 それでは、できあがったばかりのファーストライト!です。照準を合わせると思うように導入できますよ。色収差も少なく景色がクリヤーに見えます。


  
 照準の先に明るい景色が広がります。もちろん逆像ですよ。天体望遠鏡ですから。取扱説明書のガイドブックにも「もっとも、宇宙には上下もないので、倒立像でも不自由はありません。」....とサラッ!っと書いています。(P.2)

  

 いかがでしょう?組立の作業も簡単ですが、リブ構造や遮光環・三脚座が付いた鏡筒、3群3枚の接眼筒はヘリコイド式でピント合わせもし易い、素晴らしい望遠鏡です。

 ten.自身、¥1,580円は絶対に安いと思っています。たくさんの子供さんが初めて使う望遠鏡にうってつけコマーシャルします。(もちろん、星の手帖からは何もいただいていません。笑)

 あ、そうそう。忘れないうちに注文の方法をお教えしますね。この書籍、「星の手帖社」から発売されていますが、書店で注文する物ではなくネットで注文です。

    喫茶『ten.』リンクに入っている「天文ハウスTOMITA」での注文も出来るそうです。(2006.11.17確認)


詳しくはこちらから。 → アストロアーツのオンラインショップへどうぞ。

あ、直接行けるURLを貼り付けておきましょうかね。(^^)

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 これだけコマーシャルしたら、星の手帖やアストロアーツから何か貰わなきゃならんなぁ。。。。(;^^)って、何も出ないのか。。。。仕方なし。星空の好きな子供さんらを増やした事に貢献したと言う事で納得しちゃいましょ〜〜!
(なんて崇高な事をした気分の私。笑)





 あなたがこの望遠鏡を使って見る景色は、きっと、地球の外からきた生(なま)の光です。

 今夜の月と明日の月は全く違った表情をしています。さあ!それを確認してみようっ♪





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