神秘のエビ ヤマトヌマエビ  の部屋
 うちの水槽には、エビがいます。名前を「ヤマトヌマエビ」といいます。(学名 : Caridina japanica 呼称 : ヤマトヌマエビ
難しい事は書きませんが、このヤマトくんは淡水エビなんです。でも、卵から孵化したら海で9回ほど脱皮するそうです。川で生まれ、海で育ち、また川に戻って遡上します。

 なんとも不思議なエビさんなのですが、ひょんなことから飼う事になりました。

 このヤマトヌマエビの生態に詳しい方にお聞きした所、親エビはいきなり海水に入れても大丈夫だそうです。ただし、海水では脱皮出来ないので死んでしまうらしいです。卵から孵化した幼生(ゾエア:変態前の子供の事)は、塩分濃度のある環境でないと脱皮出来ず死んでしまうそうで、上流で孵化した後、川の流れに乗って海までながされて幼生の時期を過ごします。その後、変態を繰り返し、稚エビになり川を遡上し親エビになります。(両側回遊性)

 また、川に住む親エビの特徴として、親エビになったヤマトヌマエビはとにかく遡上します。河口から250kmも遡上した記録もあるらしく、少々のダムも登ってしまいます。人里離れた川の上流にいる事が多い上、その習性は「夜行性」で、昼間は水中の落ち葉や岩の間に隠れていることが多く、川に住む生物として一般の人が認知しづらい点も見逃せません。これらが神秘のエビと言われる所以でもあります。
ヤマトヌマエビのオスです。

 体長はメスよりも少し小さく、2〜3cmくらいです。(メスは3〜4cmくらい)

 体側の斑点がはっきりしており、、比較的に規則的に並んでいるのがオスの特徴です。

 また、メスの斑点は若干にじんでおり、斑点どうしがつながりかけている雰囲気があります。(このページ最初の写真、中央付近はメスです。)

 手足を使って、背中を掻いたり、髭の手入れをしたり、お腹のヒレをパタパタしたりと、とてもユーモラスな動きが見ていて飽きません。(^^)
 さて、このヤマトヌマエビ。暖かくなるとお腹のヒレに卵を抱く(抱卵と言います。)のですが、抱卵中のヤマトヌマエビは大変デリケートです。酸欠に弱いし、水質に敏感です。さらにストレスに弱いようで環境が変わると卵を落としてしまいます。(脱卵)
また、せっかく孵化した幼生達も1〜2日の間には汽水域(海と淡水の混ざり合う所)の環境を再現しないと死んでしまいます。塩分濃度は、海水を70%・淡水30%ほどがいいようです。

下の写真は、抱卵したメスのヤマトヌマエビ(その卵の数、1500個〜2000個とも言われる。)
 この幼生の飼育は、大変な困難を伴いましたが、3年ほど前に82匹の飼育に成功しました。一番難しかったのは幼生が食べるエサの選定でした。

その82匹も、今は寿命が尽きてご臨終しました。
寿命はだいたい3年〜4年でしょうか?
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 最近は、自宅の環境が整わず、抱卵しても孵化してもそのままにしています。
いつかまた幼生の育成をやりたいですね。

 以前、ヤマトヌマエビの育成は何度も何度も失敗しました。82匹の成功もたった一度だけなのでまぐれなのかもしれません。再現性のある方法を確立したいとも思っています。(成功したと言っても学術的には根拠がないので申し訳ないです。)

 なにより、こういったエビがまだあなたの住んでいる近くの川にいるかもしれません。うちのヤマトヌマエビくんらは全て川から採ってきたものですから。(^^)

ヤマトヌマエビ。  あなたも飼ってみませんか?(^^)