最近の講演資料1
第21回 九州・山口プラズマ研究会―プラズマ利用技術最前線−講演資料
平成17年11年17−18日
於、山口大学工学部 D講義棟D11室
大面積・均一化が可能なVHFプラズマ生成法の開発
村田 正義(APT,山口大学CRC)、福政 修(山口大学 工学部)
E−Mail apt@ngs2.cncm.ne.jp URL http://www1.cncm.ne.jp/~apt/
1.研究の背景(ニーズ、技術動向、課題)及び目的
Si系薄膜太陽電池の分野では、本格的な普及促進の実現を図るため、低コスト太陽電池の製造が可能な革新的高生産性のVHFプラズマCVD装置の開発が重要かつ急務となっている。(1)また、液晶TV等の分野では、国際的競争の激化により、更なる大画面化・高品質化・低コスト化が求められ、超大型基板を用いる第7世代(マザーガラス基板:1,800mmx2,100mm)〜第8世代(マザーガラス基板:2,200mmx2,600mm)に対応可能なプラズマCVD装置が求められている。(2)
上記産業分野では、低コスト化に不可欠な生産性の革新的向上及び更なる大画面化等を図るため、製造工程の中で最も重要な工程の一つを構成する「プラズマCVD装置」に、高密度で低電子温度のプラズマ生成が可能というメリットを有する「VHF帯域(30−300MHz)の周波数を用いるVHFプラズマ源」の採用が検討され、基礎実験段階では有望な結果が得られている。(3)、(4)、(5)しかしながら、基板面積がメートルサイズ級である「大面積基板を対象にしたVHFプラズマCVD装置」では、電極間に発生する定在波の影響により、膜厚分布±10%以内の均一製膜は極めて困難である。そのため、「大面積・均一の高速製膜が可能なVHFプラズマ生成法及び装置」の創出が切望されている。
我々は、このニーズに対応すべく、上記均一性の主たる阻害要因である定在波の影響を効果的に解消できる方法と装置の創出を目指して、独自に研究開発を実施中である。(6)、(7)
ここでは、我々が創出した「大面積・均一化が可能なVHFプラズマ生成法」の概要を紹介する。なお、この方法を複数定在波重畳法と呼ぶ。
2.創出した「複数定在波重畳法」の原理
創出した「複数定在波重畳法」の原理を図1、図2に示す。図1において、第1の高周波電源と第1の位相変調器を用いて、電極間に第1の定在波を発生させる。次に、第2の高周波電源と第2の位相変調器を用いて、電極間に第2の定在波を発生させる。
上記第1及び第2の定在波の腹の位置を波長の四分の一の間隔に設定し、かつ、その発生時間帯を異ならせて重畳させる。そうすると、図2に示すように、電極間の電力の強さは一定となる。電極間の電力とプラズマの強さは、一般的に比例関係にあるので、プラズマは均一に生成される。
3.装置の基本構成及び実用機応用の提案例
複数定在波重畳法装置の基本構成及び実用機応用の提案例を、それぞれ図3及び図4に示す。
4.今後の展開
従来のVHFプラズマ生成方法・装置では、大面積・均一化は困難視されているが、我々
はそれを容易に可能な画期的方法のアイデイアを創出し、装置基本構成を考案できた。今後は、原理の検証と、大面積・均一化の実証の為の研究を実施する計画である。
また、負イオン源装置及びUHFプラズマ源への応用を展開の予定である。
参考文献
(1)NEDO:2030年に向けた太陽光発電ロードマップ(2004年6月)
(2)節原裕一、J.Plasma Fusion Res.
Vol.81,No.2(2005),85-93
(3)T.Takagi etal:
Vacuum,Vol.51,No.4(1998),751-755
(4)野元克彦他:シャープ技報、第86号(2003年8月)、298-301
(5)山内康弘他:三菱重工技報、Vol.41,No.5(2004-9)、39-42
(6)村田、福政:第52回応用物理学関係連合講演会講演予稿集(2005)、184
(7)村田正義他:特開2005-123654、特開2005-123199など
![]() 図1.「複数定在波重畳法」の原理(1/2) |
![]() 図2.「複数定在波重畳法」の原理(2/2) |
![]() 図3.装置の基本構成例 |
![]() 図4.実用機応用の提案例 |