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教材名・時数・指導目標・言語活動 学習活動 評価規準

走れメロス
[書く]作品の魅力をまとめ,語り合おう
6時間(読⑤書①)
抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにすることができる。(知・技(1)エ)
登場人物の言動の意味などについて考えて,内容を解釈することができる。(思・判・表C(1)イ)
文章を読んで理解したことや考えたことを知識や経験と結び付け,自分の考えを広げたり深めたりすることができる。(思・判・表C(1)オ)
根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫することができる。(思・判・表B(1)ウ)
言葉がもつ価値を認識するとともに,読書を生活に役立て,我が国の言語文化を大切にして,思いや考えを伝え合おうとする。(学びに向かう力,人間性等)
詩歌や小説などを読み,引用して解説したり,考えたことなどを伝え合ったりする。(思・判・表C(2)イ)
多様な考えができる事柄について意見を述べるなど,自分の考えを書く。(思・判・表B(2)ア)
1-2
3-4
5-6
「目標」や「学習の見通しをもとう」で本教材のねらいを確認し,学習の見通しをもつ。
1 全文を通読する。
注意する語句新出漢字を調べる。
P213言葉
2 作品の設定と構成を押さえる。
人物時場所出来事などに着目して幾つかの場面に分け,作品の構成を確認する。(学習①)
3 場面の展開に即して人物像を読み取る。
冒頭から「メロス」が王城を出発する場面までで,「メロス」と「王」はどんな人物として描かれているかを考える。(学習②-1)
村から刑場に向かう途中で,「メロス」の考え方や心情は,どんな場面でどのように変化しているかを考える。(学習②-2)
刑場で「王」の人物像は何をきっかけにどう変化したかを考える。(学習②-3)
場面の展開と人物像の変化を結び付けて読み取らせるとよい。
P212「人物像に着目する」
P260「文学的な文章を読むために」
4 作品の魅力をまとめ,語り合う。(学習③)
自分が感じた作品の魅力を文章にまとめる。
まとめた文章を基に,作品の魅力をグループで語り合う。
P213「言葉を広げる」と関連させてもよい。
原作(詩『人質』シラー作)をあわせて読み,構成や表現の特徴について,共通点相違点を整理し,「走れメロス」の魅力を考える学習も考えられる。
P182「観点を明確にして文章を比較する」
5 5 学習を振り返る。
「メロス」の行動や考え方について,共感できたところできなかったところを,理由と共にまとめる。
何に着目して作品の魅力を捉えたかを考え,他の作品を読むときにも生かせそうな観点を挙げる。
【知・技】
抽象的な概念を表す語句の量を増すとともに,類義語と対義語,同音異義語や多義的な意味を表す語句などについて理解し,話や文章の中で使うことを通して,語感を磨き語彙を豊かにしている。((1)エ)
→作品中の漢語を和語に置き換えると,印象がどのように変わるかを考えている。
【思・判・表】
・「読むこと」において,登場人物の言動の意味などについて考えて,内容を解釈している。(C(1)イ)
→「メロス」や「王」の言動に着目して,人物の考え方や心情の変化を読み取っている。
・「読むこと」において,文章を読んで理解したことや考えたことを知識や経験と結び付け,自分の考えを広げたり深めたりしている。(C(1)オ)
→「メロス」の行動や考え方で共感できたところ・できなかったところを,自分の知識や経験と結び付けて考えている。
・「書くこと」において,根拠の適切さを考えて説明や具体例を加えたり,表現の効果を考えて描写したりするなど,自分の考えが伝わる文章になるように工夫している。(B(1)ウ)
→登場人物の人物像や表現のしかたなど,観点を明確にして作品の魅力を文章にまとめている。
【態】
粘り強く登場人物の言動の意味などについて考え,学習の見通しをもって作品の魅力を文章にまとめようとしている。
広がる読書 『走れメロス』太宰治/新潮文庫   『斜陽』太宰治/新潮文庫