カスミサンショウウオの観察記録 2

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陸に上がる前の変化
幼生の体の長さが3cm5mmくらいになってくると,陸に上がる前の変化が出てくる。

  1. エラが少し短くなって,時々水面の近くに頭をもっていく。
  2. それから1週間くらいで,エラのほとんどがなくなる。同時に,頭の形が丸くなってくる。
  3. この時期は,エサを食べる量が前より少なくなる。

エラが短くなり始めて,1週間から10日くらいで陸に上がるようになる。

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陸に上がった時の変化
エラがほとんどなくなってきた頃,とつぜん陸に上がる時期が来る。

  1. 陸に上がって,しばらくの間はじっとしてほとんど動かない。
  2. それから何時間かたつと,体の色は黒っぽく光っていて,エラはなくなっている。
  3. 体の大きさは少し小さくなっていて,目がとび出している。
  4. 水そうのガラスの壁などに体をくっつけて登れるようになる。
  5. 陸に上がって1週間くらいは,エサをまったく食べない。
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上陸後の容器
陸上でも水分は大切なので,容器の底に3センチくらい水を入れる。そして小石で陸を作る。水や小石は一週間おきに交かんする。カスミサンショウウオは,いつも小石のすき間にいて,表面に出てくることはない。エサは週に2回か3回やることにした。エサの時間は石をのけて,一匹ずつに赤虫を食べさせる。食べたあとは,また石のすき間にもぐって行く。

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水中時代 (幼生) 陸上時代 (幼体)
幼生 幼体
  • 体はうす茶色で小さな黒いはん点がある。
  • 外にとび出した目立つエラがある。
  • 尾に大きな水かきがついている。
  • 前足の指は4本,後足の指は5本ある。
  • 足や尾の一部がなくなっても後でもとにもどる。
  • 体全体が黒っぽくなる。
  • 頭が丸くなり,目がとび出している。
  • 尾についていた水かきが小さくなった。
  • 足が太くなった。
  • 水そうの壁を登れるようになる。
足で水底をゆっくりはいまわる。尾を使ってす早く泳ぐ。 石のすき間でじっとしているが,す早く動いたりジャンプもできる。


日付 水温 おもな変化
4/14 18 幼生をみつけて,し育を始める。この時すでに体の大きさに差が見られた。
4/15 18 幼生が一匹死んでいた。理由はわからない。
4/21 19 金魚のエサをよく食べる。活発に動いて,幼生どうしでかみついたりしている。
4/29 21 少し大きくなって,足の指がよく見えるようになった。
5/ 5 24 足の先が1本ちぎれているものがいたので,別の容器に移して育てるようにした。
5/12 25 体が小さい幼生のうち2匹は,他のものにくらべてエサの食べ方が少ない。
5/19 23 足の先がちぎれていた幼生は,ほとんど足がもと通りになったので始めの容器にもどす。
5/26 24 食べ物を金魚のエサから赤虫に変える。どんなものを食べるか実験してみる。
6/ 2 26 体の大きな幼生のうち1匹のエラが小さくなりはじめる。
6/ 9 27 エラがだいぶ小さくなってきたので,陸に上がれるように容器の中に石を積み上げる。
6/12 27 1匹めが上陸。水中のときより体が少し小さくなっている。水中用と陸用の容器を準備する。
6/16 26 2匹めが上陸。上陸後も時どき水に入ることがある。陸上ではまだ赤虫を食べない。
6/23 26 1週間の間に4匹が上陸した。先に上陸した2匹は赤虫を食べるようになった。
6/30 25 陸上では小石の間に入っておとなしい。エサの食べ方は水中のときより少ない。
7/ 7 25 1週間の間に2匹が上陸した。上陸後はどれも1週間くらいはエサを食べないようだ。
7/14 25 陸上にいるうちの2匹は赤虫をまったく食べないので体がとても小さくなっている。
7/16 25 陸上で赤虫をまったく食べなかった1匹が死んだ。
7/21 25 赤虫をよく食べるものは胴体が太くなっている。
7/25 25 水中にいた最後の1匹が上陸した。
7/28 24 カスミサンショウウオは暑さに弱いそうなので,し育容器を1階のすずしい所にうつす。
7/30 25 陸上で赤虫をまったく食べなかった2匹めが死んだ。現在の数は7匹。
8/ 4 27 水中ではかみつき合っていたが,陸上ではじっとして重なり合ったりしている。
8/11 26 体の大きいものは他のものより2倍くらい赤虫を食べる。
8/18 27 7匹とも元気で赤虫を食べている。
8/26 27 7匹とも元気に大きくなっている。


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