まとめ
カスミサンショウウオの仲間は全国で見つかっていて,それほどめずらしい生き物ではないようだ。しかし,今までぼくは川原大池でしか見たことがなかったし,周囲でもこの生き物のことを知っている人はいなかった。去年と今年の観察結果からカスミサンショウウオが,かんたんに見つからない理由を考えてみた。
1 水中で幼生が見つかる時期は短く,1週間ていど。
2 幼生の行動範囲はせまい。
3 陸上に出ると目立たないところで生活するようになる。
4 おとなしくて,じっとしていることが多い。
インターネットで調べて分かったこと
1 カスミサンショウウオはきれいな水を好むので,環境をきれいにしておく必要がある。
2 水辺を人工的にコンクリートで固めてしまうと,生活できなくなる。
3 将来は野生における絶めつの危険も心配されている。
4 世界的にみても,日本にはサンショウウオ類が多く生息しており,貴重な研究対象になっている。
ぼくの意見
人は自分たちが便利なように環境を作り変えてしまう。それが,小さな生き物を絶めつさせることにもなっているので心配だ。カスミサンショウウオが見つかるということは,環境がきれいなしょうこだと思う。数が減ってきている生き物を家で育てるのは良くないことかもしれない。しかし,今まで多くの人が知らなかった生き物のことが分かった。だから,これからもカスミサンショウウオと自然をますます大切にしようと思った。来年の春も,またカスミサンショウウオの幼生に会えることを楽しみにしている。家にいるカスミサンショウウオは大切に育てようと思う。
体長3cm5mmくらいになった |
自由研究をしているときに,北海道穂別町立稲里小学校の皆さんとサンショウウオについてメール交換をしました。皆さんは「エゾサンショウウオのなぞ」で,第1回全国プレゼンテーションコンテストに出場し,優秀賞を受賞されました。活動のようすは「小学館の図鑑 NEO 両生類・はちゅう類」にも写真がのっています。美しい自然と,おいしいメロンに囲まれて僕たちはうらやましいです。いつかチャンスがあったら会いましょうね。
重くて中身がつまってます | ほっぺがとろけそうに甘いです | 北海道穂別町の場所です |
ほべつメロンのふるさとほべつ郷は,町の三方を日高山系・夕張山系の山々に囲まれた,自然豊かな町です。その深い森から生まれる清らかな水と,肥沃な土がおいしいメロンを育みます。メロンのおいしい食べ方は,収穫後4ないし6日くらい常温で追加熟成させて,食べる前に2ないし3時間ほど冷蔵庫で冷やすことだそうです。味は,ふだん僕たちが食べているメロンより,すっごーく甘くておいしかったです。 (^^)/
平成14年の夏休みに子供がまとめた「カスミサンショウウオの観察記録」のその後です。このページは子供からお父さんへバトンタッチして書いています。陸に上がった7匹のサンショウウオは順調にエサを食べていましたが,そのうち2匹が9月になってすぐに死んでしまいました。理由はよく分かりませんが,暑さに弱いそうなのでそれが原因かもしれません。冷房は使いませんでしたが,飼育容器の場所をできるだけ涼しいところに置くようにしていたのに残念です。
9月の中頃になると,今度は残った5匹のうち1匹が行方不明になってしまいました。どうやら庭先で飼育容器を掃除していたときに逃げ出してしまったようです。ところが平成15年の2月になってそのサンショウウオは戻ってきました。
以下の写真は飼育をはじめて1年たったすがたです。 (平成15年3月23日に撮影)
一番大きいものは体長6cmです。陸に上がったときから他より少し大きくて,エサを食べる量も多かったのでよく目立っていました。ふだんはじっとしていて,動きは他よりおそいのですが,エサを食べる時だけは迫力があります。体の横にたての線が入っていますが,これは肋条(ろくじょう)といって,このサンショウウオの仲間に特徴的なものです。
体長5cmになって戻ってきたカスミサンショウウオ。我が家の庭で,土の上に置いている植木鉢の下で偶然にみつけました。周辺はサンショウウオがいるような場所ではないので,5ヶ月まえに逃げたものに違いありません。今まで何を食べていたのか聞いてみたいですね。冬には雪もふったのに,寒さには強いことが分かりました。家で飼っていたものと大きく違っていたのは,冬眠していたと思われることです。ほとんど動かずにエサも食べないので,弱っているのだと思っていました。我が家に戻って10日めくらいで,気温が上がったせいか,動いてエサを食べるようになりました。
5匹のうちの2匹は小さいままで,陸に上がった頃と大きさはほとんど変わっていません。体が小さいせいか,1回に食べるエサの量は他より少ないのですが,エサにはよく食いついてくれます。体が小さいものには行動に特徴があって,動きが素早いこと,すぐ小石の隙間に隠れてしまうことです。
成長がおそいサンショウウオがいたのは不思議なのですが,お父さんの想像はこうです。これらはもともと大きくならない性質をもっていたのではないでしょうか。カスミサンショウウオやその仲間について調べてみると,これらは水中にいる間はよく「共食い」をするのだそうです。うちで飼っていたときはエサをたくさんやっていたので共食いはありませんでしたが,動くものにはすぐに反応して,かみつき合ったりするのを見かけました。共食いというと,とても残酷かもしれませんが,きびしい自然の中で卵からかえってすぐに食べられるものは自分の仲間だったということなのでしょう。そして,強いものだけが生き残っていくということを,昔からくり返してきたのだと思います。体が小さいものほど,仲間から食べられやすいことになります。
でも考えてみると,川原大池にはウシガエルやブラックバスや鳥など,カスミサンショウウオを食べる生き物がたくさんいます。生き残った強いものにも,いつもそうした危険が待っているのです。こうした生き物たちは,生きていくためにどうしても食べないと自分が死んでしまうから相手を食べるのです。いま食べなかったら,今度はいつ食べることができるか分からないというのが自然の世界です。