今日の僕

 

  学会の座談会に初めて参加した。
 最初、みんなで学会の応援歌を歌い始めたため、いきなり抵抗感を覚えた。
 その後、みんなに今年一年の感想を話してもらうことになった。
 一人一人の時間が長く、首がきつくなったこともあり「もう帰ろうかな」と思っていたが、ふと気がつくと、この座談会をとりまとめている地区部長が一つ一つ真剣に話を聞いている姿が目に付いた。

 仏教の”法華経”は庶民のための宗教であることを思い出した。

 ここにいる人は、僕も含め、いろんな苦労を背負っている人もおり、そのはけ口がない人もいるだろう。
 そして、地区部長は「ここで話をすることによってすっきりした気持ちになってもらおう」と思って、一人一人の話を真剣に聞いていたのかもしれない。

 そう思えた瞬間から、不思議なことに、僕もみんなの話を目を細めながら聞くことができるようになった。
 そして、そこには、僕の話を目を細めながら聞いてくれる”みんな”がいた。

 「”今日の僕”は、間違いなく”昨日の僕”よりは成長した」と確信した時であった。

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