不安で、悔しくて

  今朝もひびの入った肋骨が痛かったが、パートナーに手伝ってもらいながら何とか起きることができ、そして「少しでも自分の体が良くなりますように」と祈る時間も取れた。

 その後も、パートナーに手伝ってもらいながら着替えていたのだが、脇の痛みは増し、その痛みで、これまでなんとか一人でやってきたことさえ思うようにできなくなった のが辛かった。
 「ALSという病気で、左手は余り使えず偏頭痛にだって悩まされているのに、脇が痛くて右手も使えない。このままだと右手の筋肉も無くなってしまうのではないか?」

 不安で、悔しくて、そして「思うように手伝ってもらえない」という苛立ちから、思わず、パートナーに対し「そうじゃないだろ!」と怒鳴ってしまった。

 家族は一気にどんよりとした空気に包まれた。

 長男は「もうご飯食べない」と泣き出す。
 僕も息苦しくなるほど脇の痛みが増した。

 休むのも勇気。
 そう思いようにして、せっかく苦労して履いた靴下を脱ぐことにした。

 しばらく何もせずに椅子に座っていると、脇の痛みが治まってきた。
 すると、急に「パートナーに申し訳なかった」という気持ちが込み上げてきた。

  そして、それは、「僕はやっぱり仏(絶対的幸福の境涯)ではない」ということを改めて感じた瞬間でもあった。

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