子どもとの時間

  今日、久しぶりに夫婦で子ども達を保育園まで迎えに行った。

 そして、保育園に着くと、手慣れた”お母さん”が子ども達を呼びに行き、”お父さん”は玄関の外でみんなが出てくるのを待つことにした。

 すると、娘が僕の存在に気付き、手招きをしていたので、一度玄関まで入って、保育士の方に挨拶をした。

 家に帰って食事をした後、珍しいことに、長男が「お父さんとお風呂に入る」と言ってきた。
 そこで、体をお母さんに洗ってもらった後、2人で湯船の中に入った。
 僕は、小さい頃から湯船で遊ぶための”小技”を知っているのだが、手に力が入らないため、足をバタバタさせて「嵐だ〜」と言うのが精一杯だった。
 しかし、先に上がった長男が、お母さんに「あ〜楽しかった」と言っているのが聞こえた。
 「???あれのどこが楽しかったんだ???」
一人残った風呂場の中で、しばし考え込んでしまった。

 時刻はもう21時近く。
「今日は、お父さんもいっしょに布団へ行こう!」と、妙に上機嫌な僕がいる。

 布団に行くと、娘はあっという間に就寝。
 しかし、その一方で、長男はなかなか寝ようとしない。
 そこで、布団に引きずり込んで、お父さんとおでこを合わせてこんな会話をした。

「今日、保育園で何があった?」
「う〜んとね・・・○○君にいじめられたの」

和やかな空気が一瞬にして緊張した空気に変わった。

「それで、どうしたの?」
「先生に言ったのに何もしてくれなかったの」

 なんと言うことだろう。保育園でも”いじめ”があるなんて・・・。それを先生が注意もしない。「よ〜し、明日、保育園に行って抗議してやる!」と、半ば本気で考えていた。

「心配しなくて良いよ。明日、お父さんが先生に”いじめをする子を叱ってください”ってお願いしてくるからね」
「でもね、その後、仲直りして一緒に遊んだの」

「良かったね〜」
 僕が言うべきセリフを、寝ながら聞いていた?お母さんに先に言われてしまった。
 あの寝息は演技だったのだろうか?

「でもね、△△君にもいじめられたの」
「・・・・・」

 こんな会話をしていたが、しばらくすると、おでこを通じて寝息が聞こえてきた。

 そして、僕は、みんなが寝たのを確認すると、ソ〜と寝室を出ていった。

 何もなかった一日だったけど、何かあったようなウキウキ感があった。

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