新しい上司

  昨日、同じ職場の職員が、お酒のにおいをさせながら無断で外出し、帰ってきた後、「年休は出されたんですか?」という僕の質問に、「いいんだよ」と言って、その後、無理矢理僕の腕を掴んで「君は腕が痛いんだからこの湿布を貼っていればいいんだ」と訳のわからないことを言って湿布を貼ってきた。

 ここで下手に反発すると、今の僕の体力から判断して”危険”と感じ、後で外出から帰ってきた課長に相談すると「彼は10年以上前からああなんだよね。いままでに所長や人事課には相談しているんだけどね・・・」とのこと。

 人事課は10年以上前からこのような状況を解決できないでいるのか?
 そう考えるとなんだか憤りを感じ、人事課に至急解決するようにメールで依頼した。
 すると、「あなたの実名を出して調査して良いか?」と言われたので、「本人に知られると身の危険を感じるが、本人以外であればよい」と答えた。

 なぜ、このような簡単なことがいままで改善されなかったのだろうか?

 理由は以外と簡単であった。
 この職場では、課長も含め、同じところに20年以上勤務している人が多く、その間に、職員の間で”情”が出てきてしまい、多少良くないことをしても「しょうがないあ」という気持ちが芽生えてしまっていることだ。
 それと、職員の勤務態勢に余裕があるため、”勤務時間”を活用して組合活動を熱心に行い、その結果、組合の力が増長し人事課も容易に指導することができないことも影響しているようだ。

 しかし、今年度、県税事務所の経験がなく本庁でバリバリ仕事をしていた方が所長として赴任した。
 そこで、懲りずに去年と同じ事を提案したところ、「君は人事規則で”お酒のにおいがしただけで職場からの退席命令が出せる”ということを知らなかったのか?もうすでに手は打った。これらからこんな問題は起きない」と言われた。
 また、「”昼当番”の職員は昼休みに食事は取らない」ことや「上司が得た業務に必要な知識の部下への提供や事務改善のために協議する場を設ける」ということについても、「当たり前のことであり、周知徹底させる。君も、頑張るのは良いが、決して無理するなよ」という回答を頂いた。

 彼は、僕の提案以外にも、すでに「職場では名札をつけること」も導入に向けて検討していて、恐縮ながら、彼からは「僕と自分と同じにおい」がした。

 自分が正しいと思ったことは決してあきらめないこと。
 今は誰にも認めてもらえないとしても、あきらめずに、その「正しいこと」に向かって努力し続けていれば、どんな状況になっても、そう、例えば「体力が衰えた状態」になっても、必ず、そのことを理解してくれる人は出てくる。
 後はそのチャンスを逃がさないことだ。

 何だか力が沸いてきた。

 少し遠回りをしてしまったが、これでようやく「県民サービスの向上」や「事務の効率化」について話し合う場ができそうだ。

 僕は、その時のために、この1年間でいくつかの具体的な案を作成しているので、それを提案してみよう。

 そして、それらのアイデアが、みんなに練られて、「本当に役に立つもの」に改善される瞬間を楽しみにしよう。

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