2回目の”集い”

  ドライブに出かけて、みんなが乗っている車を見ていると、「本当に人間って多種多様だなあ」ということを痛感する。

 「俺は絶対高級車しか乗らない」という人もいれば、経済面を考慮して軽自動車に乗ったり会社の車を利用している人もいる。
 また、高級車思考の人の中でも、「やっぱクラウンでしょ」という人もいれば「いやいやBMWこそ一番」という人もいる。
 そして「クラウン」という車種まで共通した考えを持っている人たちであっても、色まで一緒の価値観を持った人に出会えることは非常に希である。

 また、そのような多種多様な価値観も、ずっと固定されている訳ではなく、時間とともに変わっていく。

 例えば、独身時代にBMWをこよなく愛していた人が、結婚を機に経済面のことを最優先に考えて”アルト”に乗り換え、家族が増えると、社内の空間を第一に考えるようになり、その結果、ワゴン車に買い換える場合だってある。

 だから、人と一緒に何かをするときには、まず「いろんな価値観の人がいる」ということを前提に、「その価値観は固定されたものではなく、日々変わっていくものである」ということを念頭に置いておく必要がある。

 実は昨日、「第2回ALS支援の会の集い」を開催したところ、40人を越える人が参加してくれ、25人の方が、「”会員”として今後の活動を手伝っていきたい」と言ってくれた。

 この”集い”の開催に当たっては、第1回目の”集い”の事務局を担当していた人たちが「1回やるだけで大変だったし、忙しいので、当分”集い”はやりたくない」という理由で手伝ってくれなかったが、僕には「この病気の進行は早いので、出来るだけ早く2回目を開きたい」という思いが強かったことから、途中まで1人で準備をし「こんな状態では3回目はとても開けない」と思っていただけに、25人もの人が「今後、何らかの形で手伝いたい」と言ってくれたことは、心の底から、「うれしい。ありがとう!」と叫びたくなるような心境だった。

 しかし、その一方で、25名の方の「手伝いたい」という思いの中には、”高級車思考”のように「他のことを我慢してでも手伝いたい」という人もいれば、「仕事や私生活にあんまり支障がない程度に、マンパワーを中心に手伝いたい」という人もいる。

 そんないろんな人達の、いろんな考え方を、1つ1つ大事にしながら、ALS患者やその家族のニーズにあった支援をしていける団体になっていけたらいいなあ、と思う。

 そして、それらの活動に携わった人たちが、その活動を通じて「命の大切さ」を実感し、そのことをより多くの方に伝えていってもらうことができたならば、この病気になった人たちにとって、こんなに嬉しいことはないだろう。

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