勇気の結果
昨日、課長が班員を集めて、本庁で行われた会議の内容を詳しく説明してくれた。 ごくごく当たり前のようだが、この職場では、これまで、課長や班長が出席した会議の内容は班員に報告が無く、班員はただ上司の言うとおりに仕事をしているだけだった。 いくら立派な人にでもミスはある。 だから、僕は、何度も「会議の内容を報告してくれるよう」に頼み続けた。 そして、ついに、昨日、初めて、課長が班員を集めて説明会をしてくれたのだ。 説明の仕方はぎこちなかったが、そんなことは問題ではなく、1つの大きな壁をうち破ることができたことがうれしかった。 さらに、課長の報告の中で、「内容に誤りがあり、そのことで県民からの苦情が多いので、至急、条例を改正してほしい」と、去年の2月から本庁に要望していた内容が、ついに実施される旨の説明もあった。 これで2つの壁をうち破った。 アルコールで問題があった職員についても、「これ以上ない対策」をとることになり、明らかにその人の勤務態度が良くなった。これで、県民の方に迷惑を掛けることが無くなり、また、彼が処分 を受けることもないだろう。 さらに、さらに、この職場における勤務歴の浅い人を中心に、「昼休みに窓口当番をする時は食事をとらずに仕事をすることが当たり前」と言わんばかりに、13時まで仕事をするようになった。
ふと気がつくと、僕が1年以上かけて上司に提案してきた内容が、半分以上実施されるようになっていた。 当たり前のことを当たり前のように行う。 一見、簡単なようだが、これまで何十年も行ってきたことを変えることは、たとえ、それが正しいことだとしても、なかなか思うようにいかず、敵対してしまうことも多々あった。 しかし、それに負けることなく一人一人に説明し、徐々にではあるが賛同者を集めていき、それが、改革者の上司が赴任してきたことがきっかけとなって、過去の「悪しき慣例」が雪崩のように崩れていった。
「もうすぐ、この職場の人とは敵対することはなくなるかもしれない。」 後は人事課の意識改革。 人事課は、去年、「改革チャレンジ」と称して、各職場の事務改善を促し、その結果、多くの職場で「当たり前と思っていたこと」が「当たり前のように行われていなかった」という事実が明らかになった。 だから、僕は、知事に「当たり前のことをきちんとやっているか全ての職場にチェックさせてはどうか?」と提案し、知事も「検討させる」と言った。 後は、人事課が腹を据えて組合側と話し合う勇気があるかどうかだ。 これまでの慣例は、たとえ、それが今の世の中にあっていないことだとわかっていても、それを変えようとすると必死になって抵抗してくることは、自分の経験でも明らかだ。 でも、「正しいこと」は、いつか、きっとわかってくれるし、これは職員全員の能力の底上げにもつながり、結果、行政サービスの向上に大きく貢献する。 後一歩。 人事課が去年行った「改革チャレンジ」には大きな意義があった。 だから、後一歩、前に進んだ取り組みをすれば、彼らの努力は、意識、無意識にかかわらず、職員の意識を大きく変えることになる。 だから、頼むから、「後一歩」の勇気を出してほしい。 |