昨日、「あいのうた」というドラマをみた。
その中で玉置浩二が演じる「父子家庭の父親」の役に目を引かれる。
その父親は、病気を患い、「子供達に少しでもお金を残しておこう」と旅行などを控えていたが、福引きで”旅行”が当たったことがきっかけで、家族旅行をする。
そして、「やっぱり、旅行に来てよかった。本当によかった。子供達もこの楽しかった時間を憶えていてくれているに違いない」という。
僕は、病気の告知をうけて以来、週末は、できるだけ「家族との楽しい思い出づくり」に出かけている。
以前は、ことある毎に旅行に行ったが、僕の身の回りの世話が増えるに連れ、パートナーの負担が増えてしまうのが心苦しくなり、その回数は徐々に減っていき、今年はまだ1回しか行っていない。
しかし、日帰りが可能な「子供が喜びそうなもの」を見つけては出かけている。
去年は、アンパンマンショーやデカレンジャショーなどは20回ぐらい見に行き、乗馬はもちろんのこと、象にも2回乗せた。
今年は、ALS患者支援の会の準備や会議でなかなか時間が取れず、体力的にも自信がなくなったが、それでも、インターネットなどで情報を集めて、5〜6回は出かけた。
昨日も、とあるテーマパークで開催されたアクションショーを見に行った。
会場までの移動はいつも「娘を乗せたベビーカー」を押すことで転がらないようにしているのだが、この日はそのベビーカーがとても重かった。
長男とパートナーには「僕は大丈夫。ショーが始まるから先に行ってていいよ」と言ったが、途中何度も吐き気におそわれ、目から涙が出てきて、家に帰りたい気分になった。
地べたに座ると自力で起きあがれなくなるため、僕だけ、少し離れた壁に寄りかかりながら子ども達が楽しむ様子を見ていた。
それが終わると乗馬を楽しむ子どもを椅子に座りながら見ている。
2歳の娘は初めての「一人の乗馬」だったが、とても楽しんでいたようだった。
子どもにとって、「僕が”楽しい思い出の主役”になる」ことはないけれど、子どもの”楽しい思い出”というドラマの中で、「少しでも脇役で出演できる」ように、舞台裏での稽古だけは毎日していきたい。
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