TV放送

 

 僕たちが立ち上げようとしている「ALS患者支援の会」に関するTV番組が放送された。

 この番組は、制作者の「あなた(僕)たちの取り組みをきっかけに、多くの方が”自分らしい生き方”を見つけてくれること」への強い期待も込められていた。

 僕は当事者なので、番組の評価は分からない。
 ただ、ブラウン管を通じて映った僕の姿は、僕が思っていた以上に弱っており、見るからに「病人」に見えた。

 また、2才の娘は自分が映るたびに喜んでいたが、4才の息子は番組の内容が少し分かっていたようで、複雑な表情をしていた。
 だから僕は、「大好きだよ」と言って息子を抱きしめた。

 しかし、もう、当分の間、この番組のビデオは子供達の前では見ない方が良さそうだ。

 放送が終了した後、パートナーやよくお世話になっている義母に「僕っていかにも病人って顔してますよね?」と聞くと、「う〜ん、あなたのことは毎日見てるから今更どうのこうの思わないけど・・・でも、子供達はかわいく映っていたね。よかったね。」という言葉をもらった。

 一方、実母からは、番組終了後、気持ちを落ち着かせるのに30分ぐらいかかったようで、その後「あんたはALS患者支援の会まで立ち上げて・・・実の息子ながら偉いと思うよ」という電話があった。

 「少しでもALS患者やその家族のためになれば」と思い、勇気を振り絞って出ることを決めたTV番組だったが、僕や僕の家族にも、いろんな意味でためになる番組だったようだ。

 この番組を制作して頂いた方に心から感謝したい。
 

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