三輪車の自分
僕は何のために生きているんだろう? そして、あなたは何のために生きていますか?
「仕事ができない」なんて小さい、ちいさい。 そう思おうとするんだけど、時々、苦しくなる。
仕事は僕が1年を棒に振ってまで選んだ道なので何かを残したかったし、一度だけでいいから人生を必死に頑張って生きてみたかった。 そう思うと、時々苦しくなる。 たとえ、病気ではなくて死ぬほど頑張ってみても、所詮は「大したことなかった人生」だったかも知れないけど、でも、一度で良いから満足のいく人生を歩みたかった。 つまらない人生。 他の人から見たらそんなものなのかも知れないけど、本人にとっては「すばらしい人生」に見えることだってある。 今の僕にできるのは、勇気を振り絞ってハンディキャップをさらけ出して頑張ること。
とあるALS患者の家族から「あなたの”ALSを患いながらも頑張っている姿”を見ていると、あなたに会わせる顔がない」と言われたが、今の”僕の頑張り”なんて「三輪車に乗って世界一周をしよう」としているようなもの。 だから、「会わせる顔がない」なんて言わずに一緒に頑張ってほしい。 「見えない目標」「その遙か彼方にあるのかどうかも分からない目標」に向かって進んでいくと、時々、しんどくなる。
誰か教えてください。
誰か言って下さい。 「なぜ僕がこんなことに・・・」とは聞かないけど、僕がこの病気になった意味だけは知りたい。 しかし、本当はその意味を知っているはずなんだ。 人間誰しも、必死に生きたら、それだけで「その人の意味」はある。 壮大な海と比べるといつもちっぽけに見える”僕”が、自分の中では宇宙よりも大きく感じる。 大きすぎるから、時々、わからなくなってしまうだけなんだ。
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