初夢

 

 この1年間、時間を見つけては、「筋肉できろ、筋肉つくれ!」と、おまじないの ように身体の細胞に話しかけている。

  そして、最近は「もっとイメージしやすいものはないか?」と考え、「筋肉モリ モリ!」も付け加えるようにした。

「筋肉できろ、筋肉つくれ、筋肉モリモリ!」と念じながら、筋肉隆々の自分を 想像して、床につく。

  すると、夢のなかで「総合格闘家」になって年末の大晦日に闘っている自分がい た。

  相手は本家本元の総合格闘家。
  普通に闘っても勝ち目がない。
  だったら、タックルにいって相手を倒してから関節技に持ち込むか?
 いや、もし、タックルをしようとしたときに膝蹴りをもらってはひとたまりもない。

 そんなことを考えながら、 闘う前の戦略を家族と話し合っている。
  「・・・あ、しまった!闘うときのパンツを忘れた。何か代わりのものはないか?」
 「そういえば、何年か前にはいたことがある海パンが残っているかも。」
と言って引き出しから海パンを引っ張り出してきた。

「こんな格好で本当に勝てるのだろうか?」
と不安になっているうちに目が覚め た。

「ばかげた夢だなあ」と思いつつも、「こんな夢を見ている間はまだ大丈夫だな」 と安心した朝だった。

 
戻る