おもちゃを10個

 

 子供達は、毎日、おもちゃを散らかす。
 その度にお母さんは「きちんと片づけなさい!」と怒る。

 どこの家庭でも見受けられるこの光景。

 「何かよい案はないか?」と思い、子供達にこんなことを言ってみた。
 「よし、君たちのお気に入りのおもちゃを10個選んで、残ったものはお父さんが片づけトクね」

 小さい子供達には、「10個」は「とても大きな数字」のようで、喜んで10個選んでいた。
 そして、残ったおもちゃはパートナーに頼んで、子供の手の届かないところに閉まってもらった。

 おもちゃを10個。

 一見、たくさんあるように思うが、10個のおもちゃを片づけることは以外と簡単で、すぐにきれいになることが嬉しいのか、子供達は大きな声で注意しなくてもきちんと片づけるようになり、それを精一杯褒めて上げると、片づけるたびに「ね、ね、見て、見て。」と楽しそうに言ってくる。

 毎日「すごい!」と褒めるのも大変だが、そんなことぐらいしか僕にはできない。

 こうして、我が家から「怒鳴り声」が1つ消えていった。

 
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