”知”の使い方

 世の中には知識が豊富な人がたくさんいる。

 そんな人たちを見て、「物知りだなあ」と思う反面、必ずしも「知は力なり」という言葉どおりではないことを実感する。

 例えば、法律をよく勉強し、過去のケースもしっかり憶えていて、問い合わせに対し、尊敬に値するぐらい迅速かつ的確に対応する人がその知識を他の人に引き継ぐことが以外と苦手だったり、僕のように、中途半端な知識があだとなり後で電話で説明し直すことが多いためその内容をマニュアルに残して他の人に伝える人もいる。
 また、法律をよく勉強し、過去のケースもしっかり憶えているにもかかわらず、うまく説明できずに「不服があれば、不服申し立てをしてくるだろう」と考える人もいる。

 これらはすべて、「その人が持つ性格」によることが多い。

 僕が受験生であったならば”劣等生”であり、接客でいえば”中くらいの人”、そして、あえて評価するならば、人材育成の面でいえば”優等生”。
 つまり、組織力でしか力を出せず、大学受験の成績は悪く、営業マンとしては程々の結果しか残せないことになる。

 一方、先に挙げた”尊敬に値する人”は、組織の総合力を上げるにはその規模が大きくなれば大きくなるほど困難になってくるが、優秀な大学に行き、優秀な営業マンになることは間違いない。

 知は力なり。

 確かにそのとおりの場合が多いが、「少ない”知”」であっても「”知”の使い方」を勉強することによって、特定の分野では大きな力を発揮する場合もある。

 だから、「暗記は苦手」という人も、「少ない知識を有効に活用する方法」を必死に勉強すれば、きっと、人生の花が咲くに違いない。

 

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