シンポジウム

 今日、僕は、「ALS患者支援の会の代表」として、シンポジウムのパネラーに招待させた。

 このシンポジウムは、「障害者自立支援法に関係のある団体」をパネラーに招待して行われた。

 シンポジウムの時間は1時間20分。

 普通でさえ、とても長く感じるのに、先週の転倒による痛みが引いていない僕には、「最後まで持つのか?」不安で仕方がなかった。

 シンポジウムが始まると、まずは、簡単な自己紹介を10分行った。

 喉の筋肉が弱っている僕にとって、緊張しながら10分間話し続けることは本当に大変だった。

 さらに、下を向き続けたり、紙を持ち続けることもできないため、”読み原稿”を作っても、それをみることができない。

 そんな状態だったので、話している途中で、「自分が何を言おうとしているのか」分からなくなることが何回かあったが、その度に、会場に駆けつけてくれた”ALS患者支援の会”の役員の方が、「ウン、ウン」とうなずきながら「がんばれ!」と応援してくれたお陰で、何とか、最後まで話し終えることができた。

 自己紹介が終わると、「いろんな人がハンディキャップを乗り越えようと頑張っているんだなあ」と感心する時間が多くなり、あっという間に1時間20分が過ぎてしまった。

 こんな病気でも、「病気のことを忘れて、あっという間に時間が過ぎる」瞬間を味わうことができる。

 もしかしたら、そんな「あっという間の時間」ばかり過ごしていると、”病気の進行”よりも早く”時間”が過ぎてしまい、気がついたら80歳だった、なんてこともあり得るのではないだろうか?

 「心に響く時間」や「集中している時間」を多く持つこと。

 このシンポジウムを通じて、”支援者”のありがたさの再確認に加え、また、僕の人生に”新たな課題”が加わった。 

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