2階級降格
最近、この自治体にコールセンターが誘致された。
そして、このコールセンターには50名の募集人員に対し、200名近い応募があり、その中には、”妻子がいる一家の主”もいた。 そして、その結果として、今日、人事担当課から2階級降格、つまり、入庁1年目の職員と同じ級に格下げとなった。 ただし、経過措置として、「給料の額は今までどおり」とのこと。
つまり、「あなたの能力は、公務員としては新人レベルだ」「今後、数年間は給料を上げない」という意味のようだ。 公務員の世界では、12年働いたぐらいでは、若干の昇給しかなく、僕の年収は、ここの公務員の平均年収にさえ100万円以上及ばず、20年働いてやっと平均を超える仕組みとなっている。 その仕組みによって、僕は、この職場に異動してきた後も、他の職員同様、年功序列で”一般的な定期昇給”がされていたため、「もっと頑張って仕事をしないといけない」と思っていた。
そんな矢先に、「何ら事前説明もなかったこと」は、大きなショックだった。 そんなことをしたことによる”相手に与えるショック”は無視してよいというのか? しかも、その相手が目の前のハンディキャップと闘いながら毎日必死に仕事をしていたとしても・・・。
それがこの地域の公務員の考え方なのか?
断っておくが、これらの能力は、僕が元々持っていたものではなく、「いつか仕事で役に立ちたい」と思って、数年前から頑張って独学で取得したものだ。
もしかしたら、人事担当課が期待する”成果”とは、僕が描いている「県民サービスの向上」と異なるのかもしれないが、そんな人事評価を導入して、今後、職員に、いったい、何を期待するのか? 仮に、人件費削減を主たる目的であったなら、「給料を減らさずに役職を下げる」よりも、「評価を人事担当課から民間企業に委託すること」を前提に定期昇給を廃止した方がよっぽど効果的だ。 それに、「公務員の給料が高すぎる」という指摘があるのであれば、人事担当課の職員の給料も含めて、全体的に減らせばよいはずだ。
人事担当課は言う。 公務員の意識改革にまず必要なことは、ハンディキャップを持ちながら100%の能力を出して頑張っている少数の人を切り捨てる「弱者切り捨て」よりも、経済から福祉まで広範囲の仕事がある公務員にとって、適材適所に人為配置し、全ての職員の能力を120%出し切る方法を考えた方が断然効果的だ。 例えば、僕のような「3級の職員が担当した企業誘致という仕事を人事担当課長が担当し、もし、その結果が出せなければ新人と同じ2級に降格する」、というシステムにして、あなたの意識が前向きに向上していくと、本当に思うのか? こんなやり方では、たとえ、1割の職員の意識が高まったとしても、残りの9割の職員の意識が下がってしまい、とてもよい成果など得られるはずがない。 仕事に対する気力が減ってしまった僕に「世間に問う体力」が残っているかどうか分からないが、この自治体への最後の奉公と思い、いけるところまでいきたい。 |