”名札”の議論

 

 今日、職場で、ちょっとしたサービス向上の話し合い行われた。

 内容は、”職員が仕事中に名札を付けるか否か”。

「来客者に名前を知ってもらうことはサービス向上につながる」

「名前を見られながら税金の話をすることには抵抗がある」

「いやいや、そもそも職員の服務規程にそのような内容の記載がないのだから名札の着用を強制することはできない」

「そもそも、このような話は、まず、労働組合を通すべきだ」

 いろんな意見が出たが、どうも、反対意見の人からは「サービス向上につながらないので名札の着用の必要はない」という主旨の意見はなかった。

 楽をしようと思えばいくらでも「サービスの低下」を促進することができる公務員。

 そんな”公務員”という仕事をしていく上で、「飽くなき向上心」がなければ、”今はやり”の人員削減によって、「自分が楽になるための事務の効率化」は促進できても、「事務量が増えるかもしれないサービスの向上」は促進できない。

 議論の結果、一生懸命仕事をしている人を中心に多くの職員が名札を付けるようになった。

 それにしても、2年前、僕が異動してきたとき、たった一人で付け、そして、その必要性を訴えていた”名札”の議論が、「僕がひとりで名札を付けることができなくなった」今、行われたことに、少しだけ皮肉めいたものを感じてしまった。 
 

戻る