(5.29)
ヘルパー事業所の交代
先月、突然、ヘルパー事業所から「あなたへの介護サービスを中止します」と言われてから、今日で1ヶ月。
そして、明日から、その事業所はもう僕のところへはヘルパーを派遣してくれなくなる。
この1ヶ月の間、僕は、僅かに動く手を駆使して、新たに介護をしてくれる事業所探しに奔走した。
というのも、もし、ヘルパー来てくれなくなった場合、僕は、食事さえ取ることができなくなってしまうからだ。
幸い、その間に、「何とかしてあげたい」と言ってくれる役所の方や訪問看護ステーションの方、それに熱心に事業所を探してくれる方と知り合うことができた。
捨てる神あれば、拾う神あり。
そんな”拾ってくれた神々”によって、先週から徐々に僕の介護に興味を持ってくれる事業所が現れてきた。
これでご飯だけは食べられるかも知れない。
「ヘルパー事業所に見捨てられた」と思っても、めげずに前を向いて頑張っていれば、きっとなんとかなるものだ。
ただ、僕の介護の時間は、平日のお昼と夕方の2時間ずつなのだが、新たに介護をお願いする事業所は4つの見込みで、そこから派遣されるヘルパーの数は10名。
つまり、毎週、2時間交代でヘルパーが換わることになる。
このような事情から、先週末から始まった引継も、責任者やヘルパーの方など、毎日のように、初めて顔を見るような人が7,8人来て、我が家はいつも大賑わいだ。
そして、各事業所からその”時間”毎の介護の方法が別々に提案される。
僕としては「今までの介護方法を続けてほしい」というのが本音だが、それはなかなか難しいようだ。
まだまだ道は険しい。
でも、なんとか道は拓けた。
さあ、ここからが勝負どころ!
しっかりと前を向いて頑張っていこうじゃないか。
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(5.13)
公園へドライブ
最近、病院に通う日々が続き、なんだか疲れてしまい、今日も日曜日だというのに子ども達をどこにも連れて行ってあげることができず、一方、妻は「あなたが起きてくるとやりたいことの半分もできなくなる」という”念仏”を唱えながら”日曜日の家事”をセッセとこなしている。
そこで、夕方、少し元気になった僕は一大決心をした。
それは、僕の電動車イスと長男の自転車で散歩に行くこと、つまり、娘を僕の膝に乗せて自転車に乗った長男と”3人だけ”で公園に行くことだ。
娘は喜んで僕のひざの上に乗り、長男は急いで”マイカー”を出してきた。
行き先は近くの公園。
その途中、「お父さん、遅いね」と言いながらも、僕のスピードに合わせて付いて来てくれる長男。
公園に近づいてくると、娘は僕のひざの上から飛び降りて走って公園に行ってしまった。
長男はそれを追いかけて、僕を置いていってしまう。
しかし、2人の子ども達の後ろ姿を見ていると、なんだか幸せな気持ちになってくる。
「お父さん、はやく〜!」
そう言って、5歳と3歳の子ども達は、公園の入口で僕が来るのを待っている。
僕は間違いなくこの子ども達の父親なんだ。
なんだかドラマのワンシーンのような光景の中で、僕は「先に遊んでていいよ」と答える。
今日は、一大決心して頑張ったおかげで、たくさんのお礼に”お釣り”まで付いてきた”僕の記憶に一生残る一日”となった。
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(5.6)
ゴールデンウィーク
今年のゴールデンウィークは、頼みの綱の親がいなかったこともあり、そんなに遠くへは行くことができない。
そこで、1週間を費やして「妻の疲れをできるだけ少なくするプラン」を考え、実行に移すことにした。
5月3日
いつも家族で出かけるデパートで催される「仮面ライダーショー」に出かける。
そして、いつもは食べることができない「大きいソフトクリーム」を堪能。
子ども達は、「いつもと違うね」と言いながらもペロペロとうれしさ満開の顔をしていた。
5月4日
この日は30分ほどドライブをして科学館へ向かい、ここで催される「子ども向けイベント」に参加。
子ども達は、「良く飛ぶ紙飛行機」や「空気砲」を作るのに夢中になって親の役割はほとんど無し。
帰る途中、妻が怒っていつまでも遊んでいた長男を置いて帰ってしまい、不覚にも”子どもの初めての迷子”を経験するまでは、とっても楽でたのしい一日だったのに・・・。
5月5日
子ども達はお母さんに連れられて「ヒーローショー」をコンサートホールまで見に行く。
初めて見に行った本格的なショーに、子ども達は一日中興奮していた。
それを聞いたスポンサーのお父さんも、もちろん喜んでいた。
5月6日
近くのちっちゃな動物園に行って、子ども達が好きなレストランで食事。
そこで、妻の「今年の休みは楽だったなあ」の一言に加え、子ども達の「あ〜楽しかった」の一言。
お金も労力もかけなくても”楽しいこと”はたくさんある。
それを実感できた連休だった。